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「うさぎの聞き耳」 青木奈緒
#字は違うのだが、娘と名前が同じなので買ってみたところ、作者略歴を見ると、1つ違いの同年代。曾祖父が幸田露伴、祖母が幸田文だそうだが、文学臭くなく、感性が近く楽しめる。ちなみに、同時期に同じ出版社から出された、母である青木玉の作品も読んでみたが、こちらは年寄り臭くていただけない。
#もひとつ、ちなみに、同年代の作家としては、重松清、いとうせいこう、岸本葉子など。少し上では川上弘美あたり。みな、自分の世界を確立しているよなあ……。
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「きょうもいい塩梅」 内館牧子
#また、食べ物に関するエッセイです。でも、そうとは知らずに買ったんです。読んでいくうち、あれっ? 食べ物の話ばかりだなあ、って。とはいえ、料理だったり、素材だったり、しかもメインは人間関係だったりして、変化球で攻めてくる。さずがに売れっ子の脚本家だけあって、ひとつひとつが面白い。
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「心に残るちょっといい話」 中村充
#浅井愼平、荒木経惟、沢木耕太郎などへのNHKラジオのインタビュー集。個人的には、対談とかインタビューとかはあまり好きではないのだが、これはお勧め。ベトナムやカンボジアなどを撮ってきた報道写真家、大石芳野さんの次の言葉だけでも価値がある。
「そう考えると、いつの時も、人間にはやる側とやられる側の2種類があって、私は、そのやられる側に立ちたいんです。」
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「41歳からの哲学」 池田晶子
#実は、大学は哲学科を受験した。高校の理系クラスの担任の先生は、「お前が受けたいというのならかまわないが……」と、いかにも渋々といった感じで受験を承諾したが、内心合格するわけがないと思っていたのに違いない。受験当日、理系の受験と違って、半分近くが女性で、また斜め前の女の子がちょっと可愛かったりして、かなり緊張した。緊張して受験票を落とした。そして、試験にも見事に落ちた。
実力はあったのだ。ただ、ちょっと浮かれただけなのだ。ああ、斜め前の子と同じクラスで大学生活が過ごせる……などという不埒な考えが、英単語を頭から追い出し、得意だったはずの数学の公式までも消し去ってしまった。
そんな思い出はどうでもいい。それより、大学で勉強し損ねた哲学は、どうやら思っていたより何倍も奥が深い。この本は、ひとつの項目について平易な文でわずか3ページほど書かれているに過ぎないが、頭はフルマラソンぐらい消費する。例えば、情報化社会。情報化社会がよい社会なのかという疑問を投げかける。「知る」と「わかる」とは別であり、他人や世間のどーでもいい情報を知っていたところで何になるのだと怒る。そうそう、と思わず相槌を打ちたくなるが、考えされられることも多い、お勧めの一冊である。
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「死にたもう母」 出久根達郎
#再び出久根達郎である。「死にたもう母」なんて縁起でもないタイトルだが、食い意地のはったバアさんの話や、客の入らない古本屋の話、待ち合わせて同じ時間に散髪屋に行く切手商の話など、日常のとりとめのない話題を見事な文で綴ったエッセイ。ほのぼのしていいねえ。
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「食味風々録」 阿川弘之
#食べ物のエッセイは大好きである。テレビのグルメ番組と違って、文章だけで食欲をかきたてられるのだから、その筆の技も参考になる。ややもすると下品になりがちなのだが、この作品は池波正太郎のような高級な文学作品である。私は単に食い意地が張っているだけではない。
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「ボタニカル・ライフ 植物生活」 いとうせいこう
#ボッタクリ・ライフでは決してない。ベランダで植物を育てるという生活、いとうさんの言うベランダーのことである。そういう生活には別に興味はないのだが、このエッセイは面白い。結局花が咲かずに枯れてしまいましたとか、水を絶やさないようにトイレのタンクの上に置きましたとか、ベランダーゆえになんとも庶民的なのである。講談社エッセイ賞を受賞したそうだが、私もベスト・ユーモア・エッセイ賞を進呈しよう。
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「本棚からボタ餅」 岸本葉子
#私のエッセイの師匠である岸本さんの読書エッセイ。やっぱりプロは違う。私のように文庫本、それもエッセイばかりというのとは雲泥の差で、純文学から大衆小説、写真集まで幅広いジャンルである。この本の中で、エッセイ教室での講師の経験についての項目があり、「岸本さんのファンの女性ばかりだと思っていましたが、中高年の男性もいてほっとしました」という受講者の話が取り上げられているが、それは私が課題エッセイの中に書いたことなのである。
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「風の良寛」 中野孝次
#良寛だなんて、どうしちゃったの? 変な宗教にハマってるの? なんて声が聞こえそうですが、たまたま手にした本です。でも、余分なものは持たず、布団もなく寒くて寝むねない夜でも、美しい月を見て満足するなんて、ちょっと感動ものです。
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「古本夜話」 出久根達郎
#小学校時代、二宮金次郎像の横の淀んだ池をお金が落ちていないかと掃除し、結局ヌード雑誌を発見して喜び、魂胆や成果はバレずに校長からも褒められるなんて逸話を描き出す。エッセイのプロが絶賛する出久根さんの文章が楽しめる一冊です。
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「世界悪女物語」 渋沢竜彦
#いやはや、時代が時代とはいえ、世界にはとんでもない悪女がいるものですね。ところが、日本の女性はひとりも登場しない。本当にいないのか、隠されているのか。それはわかりませんが……。
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「落語長屋の商売往来」 矢野誠一
#春風亭柳好や林家正藏、三遊亭圓生といったって、別に落語ファンではないのでわからないのですが、彼らの十八番の落語から当時の質屋や鍛冶屋、首屋などの商売について解説している点は、当世サラリーマンが大多数で、またそのサラリーマンである身にとっては興味深い話ばかりです。質屋、鍛冶屋はわかるが首屋って何?というかたは、是非読んでみてください。
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「この骨董が、アナタです。」 仲畑貴志
#骨董には特に興味があるわけではないのですが、骨董にまつわる人間模様がなんとも興味深いエッセイです。
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「ビタミンF」 重松清
#直木賞受賞作の短編7編。途中、少しイヤな雰囲気だったり、居心地の悪い思いをしたりしますが、最後はその分すっきりと気持ちよく、じんとする感じです。
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「小町・中町浮世をゆく」 田辺聖子
#田辺聖子とその飲み仲間との大阪弁での会話がなんともいい感じです。
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「山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇」 山口瞳、重松清
#変に文章に凝らない自然な生活の匂いのするエッセイ。中年篇というのがいいですね。
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