
基本その121〜130
その121 その122 その123 その124 その125 その126 その127 その128 その129 その130
基本その121:神のみぞ知る…(大岡山越前さんからの投稿)
一本気な男が密かに惚れる女性(男に比べて遥かに品が良かったり)が襲われてしまいますが未遂に終わった時、男は狼狽して、「心配かけやがって!アイツのツラぁ拝んでも絶対こっちから挨拶何ぞしねんだ!」と言います。だけどいざ女性に会うと全部忘れてわっと抱きついたりしますが、先刻の台詞を聞いてた連中の目線を感じると(長屋のおばちゃんだったりする)「てめえの事何か知るか!」と照れ隠しをしてしまいます。
(庵主コメント)長屋の夫婦喧嘩なんかでも、「たまに酒ぐらい呑んだっていいじゃねーか!」「お前さんみたいな男と一緒になるんじゃなかったよ!」なんてお騒がせは日常茶飯事。たまに第三者が仲介に入り、「おいおい、こんな甲斐性なしの亭主の戯言なんざいちいち真に受けるんじゃねえよ」と女房を諭した途端に、「あんた!うちの人を『甲斐性なし』だって?なんだいその言いぐさは!キー!」なんて逆ぎれされる事もあったりします。そしていつの間にか亭主が第三者vs女房のなだめ役に回ってしまうことも結構多いですね。
基本その122:連歌の謎(大岡山越前さんからの投稿)
大願成就を願う人が茶会に出た時、大概連歌の会が一緒に催されます。(勿論当事者は茶会ルック)その時、上の句に対して下の句を付ける様に言われた時、その人はツイツイ本音を詠んでしまいます。他の方々がヤンヤの喝采を送る中、上の句を付けた名人だけは、心の中で「モシヤ・・・。」と心の内を見透かします。「年の瀬や 水の流れと人の世は 明日待たるる その宝船」しかり、「土岐は今 あまが下知る 皐月哉」しかり。
(庵主コメント)庵主は『新仕置人』の『とらの会』のシーンを観るたびに、「何でこんな回りくどい事しなけりゃ仕置の依頼が出来ないんだろ…」なんて、昔はよく思ってました。
基本その123:時が経ったら立場も変わる(大岡山越前さんからの投稿)
時代劇には幼い時に生き別れになった肉親が居る事が多いものですが、成長すると正反対の立場で再開します。例えば、「同心と盗人」(兄貴が悪者になっている事が多いです)。で、それを周りの人達が、もしやと思ったりしますが、1、顔が似ている(一人二役とか)2、食べる時の癖が似ている3、同じ地方の数え歌や、童謡を知っている等が証拠になります。最後は、思いっきり目立つ所で(屋根の上とか)対決します。ハッピーエンドになる事は少なそうです。又周囲の人が慮って最後までその事を告げない事も多いです。
(庵主コメント)兄弟ネタと言えば、水戸黄門などで腕の良い職人に息子が二人いた場合、跡継ぎの座を巡って兄弟間の確執が生じる事が多いです(通常、兄か弟のどちらかがグータラ)。大抵、献上品作りとかでお互いの腕を競い合ったりしますが、最後にはご老公に「これからは兄弟力を合わせて、よいものを作るのですぞ」などと言われて感激したりします。
基本その124:見せつけられて(大岡山越前さんからの投稿)
主人公のライバルが聞き込みの成果無く、番屋に入って来た時、(お爺さんが番をしてる事が多いです)急須のお茶を飲んでますが、主人公の方はと言うと恋女房が「お手製の弁当」を持って来てくれてます。でライバルが「見せつけやがって!」と言うと、「はいはい、そう言われると思って」とライバルの分も持って来てたり。それでライバルもころっと態度を変えて「○●〜てめえには過ぎた女房だぜぇ〜」とおべんちゃらを使います。
(庵主コメント)弁当を持ってきた妻がそのライバルに向かって冷徹に「悔しかったら、あんたも早く所帯持てば?」とか、「奥さんが弁当作ってくれない腹いせを、こっちに愚痴られても困るのよねえ…」などと無慈悲なとどめを刺す事が出来る様であれば、私はその妻を尊敬します。その一言でライバルはかなり落ち込むでしょうし、その間に旦那が手柄を立てれば昇進も近い!いやあ〜、賢妻の鑑ですね。
基本その125:お前はすでに死んでいる(大岡山越前さんからの投稿)
若い頃に盗人をしていて入れ墨を入れられてシマッタ男も、今では改心して近所でも評判のお金持ち。(昔盗んだ金とかが元手です)大概入れ墨の所をグルグル巻きにしたり、火傷の跡が付いてたり(半田コテで焼いたとか)しますが、昔の仲間が尋ねてきたりして脅されます。(正体を知らない娘にばらすとか)最後は悪人が退治されてますが、正体がバレテしまう。しかし娘;「あたしのオトッツァンは一人だけ」同心;「その盗賊なら昔死んだ筈だよな〜」で万事解決!。今なら問題でも時代劇の世界でくらい救ってあげたいものです。
(庵主コメント)「その盗賊なら昔死んだ筈だよな〜」の発展パターンですが、昔過ちを犯した男が最後に主人公にかつての過ちを洗いざらい白状し、「本当に斬ってもいいのだな?」「ご存分に…」という流れを経る場合、主人公の刃が男の首筋を直撃!…したかと思いきや、男の首筋手前で寸止め(か、もしくは男の髷だけ斬り落とし)、「今までのお前はもう死んだ…」という捨て台詞を吐いて主人公、涙に暮れるその男の嗚咽を背に去っていく…という展開も結構多いです。
基本その126:若さゆえの過ち(大岡山越前さんからの投稿)
島帰りの人間は当時は刺青をされた物。しかし、立派に更生して近所のおばちゃんとかの信任篤い場合は隠さなくてはなりませんが・・・。隠し方。1、何故か左手に火傷の跡がある。しかも其処だけ。2、グルグル巻きの包帯がしてある。取ろされそうになると「古傷が痛むんでさあ。」他の人が前科に気づいてさらそうとする場合は1。自分から明かす場合は2の事が多いです。
(庵主コメント)1に関しては、「いえね、こりゃあ若い頃にやっちまった『根性焼き』の痕なんでさあ」という言い訳も通りそうですね。いずれにしても怪しい事に変わりありませんけれど…。
基本その127:何かが足りない…(大岡山越前さんからの投稿)
これは基本と言うのかな・・・。「七人の侍」のオマージュが「荒野の七人」ですね、素晴らしい映画です。しかし、しかしです。この映画は西部劇のジャンルに属するのですが、<西部劇>って性質上、<時代劇>にある何かが無いと思ってましたら友人が言いました。「そりゃあ、最後に一言この台詞が無いからだな・・・・・・<天晴れ!今日もお江戸は日本晴れ!>」
(庵主コメント)一時期、東映王道系時代劇の最終回のサブタイトルは殆どがこのパターンだった事がありました。『八百八町は日本晴れ!』というやつですね。そのひと言で今までのすべてのしがらみが一気に氷解しそうな、不思議な強引さを持つ言葉と言えます。しかし『七人の侍』のラストも、お世辞にも「日本晴れ〜!」なんて脳天気に叫べそうなラストでは無かった気もしますが(風に吹かれる侍たちの墓標のアップで終わりだもんねえ…)。
基本その128:女囚哀話(大岡山越前さんからの投稿)
江戸時代の牢獄、今よりも尚其処に入れられた人達の生活は過酷だった筈。(くさい飯を食うって、言葉にも其れが現れてますね)しかし、時代劇上で、「女囚もの」が出て来たら大概、1、無実の女が牢屋に入り、新参者として苛められる。と此処までは一緒ですが、→2、酸いも甘いも噛分けた牢名主が女に理解を示す→3、周りの人達も女が無実と気づき、好意的になる。 と言うケースを辿る事が多いですな。その後脱獄するか、合法的に出してもらえるかは解りやせんが・・・。
(庵主コメント)女囚の牢名主って、妙に人情味のある場合が多いですね。これが野郎の牢名主だった場合は、下っ端に肩など揉ませながら重ねた畳の上で威張ってたまではよいものの、新参者の思わぬ逆襲を受けて牢名主の座から哀れにも引きずり降ろされてしまう事も多いです。
話は違いますが、現代の女囚モノでは懲役している中に必ず、子供のためにやむなく旦那を手にかけたキャラがいたりしまして、別れ別れになった子供を恋しいとむせび泣く彼女を慰めてるのが、いっつも泉ピン子です。
基本その129:あなたはだあれ?(大岡山越前さんからの投稿)
「大岡越前」で切り札として使われる基本・・・。天下の名奉行「大岡越前」の裁きに掛かっても中々泥をはかないシタタカ者も多く存在する中、時間だけが(番組のだけど)過ぎて行きます。で奉行も「もう帰っても良いぞ。○○」とお解放しを命じます、しかし最後の最後、一瞬の気が緩んだ隙を突いて、「あ、●●・・・。」「はい・・・あっ!」と犯人がつい返事をしてしまうと「引っかかったな●●!其れがお前の本当の名前であろう!」で、お奉行様の勝ちぃ〜。
(庵主コメント)いつも思うのですが、そうした場合でも下手人が何の反応も示さずにお白洲から出ていっちゃった場合、越前はいったいどんな反応を示すのでしょうか?似たような疑問が、裃を脱いで桜吹雪を見せる遠山の金さんの場合でも浮かんできます。「あの日あの時あの場所で、見事に咲いた遠山桜夜桜を、まさかうぬら見忘れたたぁ…言わせねえぞ!」「見忘れました」「知らねえなあ」「夢でも見てんじゃねえのかい?このお奉行様はよお」なんて(証人喚問に立った汚職政治家だったら、臆面もなくそんな台詞を吐きそうですが)。
基本その130:切れ味良ければ全て良し?(大岡山越前さんからの投稿)
水戸黄門で2〜3回あった基本ですが・・・。頑固一徹の刀鍛冶の父に息子が二人。大概は長男に比べ次男は大分キカン気で仲も少し悪かったりします。
さて頭領をどちらに継がせるかきめる為、父は2人に刀を作らせます(横で黄門様が見てたり)。出来た刀の内、長男の刀よりも次男のそれが切れ味は遥かに素晴らしい・・・。
にも関わらず父は長男のを採用します。いきり立つ次男、だがそのとき、代官と結託してるライバル業者が刺客を襲って来ます。そこで、次男の刀で防戦すると刀は斬り合いの中でバキッと折れてしまいますが、長男のそれは相手の刀を見事に受け止めて相手の刀を折ってしまい、次男は初めて兄の刀の凄さを認めて和解したりします。次男の方に継母が付いてる場合も多いです
(庵主コメント)これは、『基本その123』の庵主コメントの発展型ですね。確かに前回の水戸黄門でもこのお話、ありました(父親役が島田順司だったですね。いい味出してました)。ご指摘の通り、グータラな弟の方は切れ味重視の刀を拵えがちです。で、黄門様が「切れ味の凄まじさのみが名刀にあらず!」みたいな説教を始めちゃう場合も多いです。
あと、兄に対抗心を剥き出しにした弟をライバル業者が抱き込もうとするパターンも極めて多し。
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