3月19日    徳島〜大坂峠〜香川県田ノ浦キャンプ場

 

 AM8:44 太平洋上にて

 もう二日目になってしまった。早いものだ。昨日は12時過ぎに眠ったように思える。正確な時間はわからない。 今朝は6時半頃一度目が覚めたが、もう一度眠り、起きたら8時頃だった。
 外は曇っていて、窓には水滴が付いている。先ほど外に出てみたのだが、少し雨が降っているようだった。ロングツーリング最初といってもいい日に雨だなんてついてない。革ジャンを着てこなくてよかったと思う。でも靴へのダメージが少し心配。
 目が覚めてから片岡義男の小説「彼のオートバイ、彼女の島」を少し読んだ。昨日から読み始めてはいるが、もう九割方読み終えてしまった。もう少し本を持ってくるべきだったようだ。
 今日は四国、そして思い出の地である徳島に上陸する。
 ところで今放送で本州最南端、潮岬が右に見えるとの放送があった。もう和歌山まで来ているようだ。水滴がついた窓の向こうの断崖に灯台が見えた。
 雨はますます強くなってきているようだ。これではバックにレインカバーをかぶせなくてはならない。ちくしょー、なんで雨なんだよ!全くいやなことだ。
 2年前、3ヶ月を過ごした徳島。何も変わっていないことを望むが、それは無理なことであろう。眉山に登るつもりはない。雨も降っているからゆっくり過ごすことにしよう。

  PM3:13 大坂峠にて

 ついにこの場所にやってきた。かつての俺のお気に入りの場所、大坂峠。
 徳島市内では雨に降られたが、「びんび屋」での食事のあと、しばらく走っているうちに雨はやんだようだ。
 あたりは静寂に包まれている。
 少し前に空を飛行機が飛んでいったが、それが過ぎたあとは遠くに車の音がするけど、鳥の声の方が大きいくらいだ。先ほどはホトトギスの鳴き声が聞こえた。ゆっくりと時が流れているような気がする。
 雨の中カッパを着なかったので、ジャケットとジーンズが水浸し。
 はっきり言って寒い。
 上空にはあの時と同じように猛禽類に当たるだろう鳥が空を滑るように跳んでいる。

 峠にあがってくるまでに見た車は四国ガスだかなんだかの軽トラ一台。
 峠でたたずんでいるときにトラックが一台通った。香川ナンバーだ。
 そう、ここは香川県なのだ。
 フェリーを降りてから約40キロ走ったようだ。泥のせいでバイクは汚れてしまった。旅の間に洗車場で水をかけてやらねばならないだろう。
  先ほどバイクのラジエターのあたりからかなり水が滴り落ちているのを見て焦った。でも警告灯はついていないのでたぶん大丈夫だろう。
 かつて住んでいたアパートに友達を訪ねたが、どうやら留守のようだった。「ハラダ」というやつだったことを今更ながら思いだした。
 不思議なことに名前を思い出すと顔がはっきりと思い出された。おもしろいことだ。
 今日は雨もやんだのでたぶん引田町にあるキャンプ場でキャンプすることになるだろう。まあそこに行ってみることにしよう。

  雨上がりの大坂峠。

 

PM9:09

 今自分は田ノ浦キャンプ場というところにいる。さっき書いたキャンプ場だ。でも予想していたところとは少し違う。別の無料のキャンプ場の方にいるのだ。
 期間外なので管理人はいないし、泊まっているのも俺一人。管理人用の建物の2階に寝ることにする。
 風は海の隣だけあって、それなりに強い。でもここは屋根があり(ふきっさらしだけれども)、もし雨が降っても濡れないで済みそうなので助かる。でも寒い。
 最初ここへ来たとき、ゴミ拾いをしていたおじさんに会い、少し話し込んだ。どうでもいいようなことだったが、まあこの土地の人と話ができたのでよかった。
 風呂はここから20キロくらい離れた大串温泉に入りにいった。浴槽からは瀬戸内海が一望できた。残念ながら曇っていたが、もし晴れた日に行くことができたらさぞ美しいだろうと思う。
 飯はスーパーで買ったちゃんぽんとカップうどん。まあそれなりにではあるがうまかった。
 明日は徳島から室戸岬へくだり、その後高知を目指すつもりだが、とても足摺岬へは行けそうもない。思っていたより四国は大きかった。
 予定を変えて四万十川を目指すことにする。たぶんその河原でキャンプするかユースホステルに逃げるかのどちらかだろう。波の音がうるさいので、眠れるかどうか不安だ。でもまあ何とかなるだろう事を期待しつつ、とりあえず今日はここまでとする。

   本日走行 約100キロ

 宿泊地 香川県 引田町 田ノ浦キャンプ場(シーズン前につき閉鎖中)

 車で2人くらい来たようだが、まあどんな人かは不明。危害は加えないだろう。

 

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