Jun. 07, 2003

読書めも 2003年1月・2月・3月

◇1月の読書◇

「明日、月の上で」平安寿子 徳間書店1800
へそ曲がりで常識嫌い、「とんがりトビ子」が家を飛び出し心の恋人、ブンちゃんの消息を追って、
やってきたのはさびれた温泉場、霧舟。お調子者で配慮無し、“踊る阿呆”体質のトビ子はこの温泉町でようやく
他人と関わることを知る。迷いながらも自分の人生を初めて受け入れ、居場所を確認するトビ子。
彼女と野次馬根性丸出しの町の人とのやり取り、くじけない人たちに元気をもらえるお話。

「クラブ・ポワブリエール」森福都 徳間書店1800
大野拓也がある金曜日帰宅すると、妻の流子が不在。パソコンを覗くと、学生時代からの仲間に配信された
小話と謎の人物からのメールが。クラブのメンバーを実名で登場人物にした、実話ととれる小話で語られる
様々な形の恋に俄かに不安を抱く拓也だったが、実はそれらの物語によって拓也自身の秘密が暴かれる。
どこか大人になりきれない仲間うちの男女の機微というか、危ういバランスを淡々とオブラートにくるんで。

「QED 百人一首の呪(しゅ)」高田崇史 講談社ノベルス880
百人一首のコレクター真榊(まさかき)氏が殺害される。容疑者は年に一度集められた4人の子供と秘書2人、お手伝い。
探偵は薬剤師の桑原崇(別名タタル)。殺人事件自体はやや弱い。百人一首の解釈とシンクロし真榊の生き様が浮き彫りに。
圧巻は百人一首の並べ替え。昔「絢爛たる暗号」織田正吉を読んだときの興奮を思い出した。藤原定家は後鳥羽上皇の
祟りを恐れ、百人一首、百人秀歌により2枚の曼荼羅を構成し、式子内親王の力によって怨念を浄化し、
心の安寧を得ようとした、という解釈。ノベルスの制約の中で詳細を省いた推理が興奮を煽る。
参考書:「絢爛たる暗号」織田正吉(集英社600)、「百人一首の秘密」林直道(青木書店2000)

「バルーン・タウンの手毬唄」松尾由美 文芸春秋1524
人工子宮が発達し自然妊娠・分娩が珍しくなった近未来、妊婦が集められた特別区、バルーン・タウンの
伝説になりつつある元妊婦探偵暮林美央のシリーズ3。彼女の人徳?故、妊婦でなくなったあとも事件は絶えない。

「君の夢はもう見ない」五條瑛 集英社1800
著者は防衛庁で極東軍事情報分析を手がけたキャリアーを持ちスパイものに定評がある方。米国の情報機関のメールマン
(中国の監察・情報収集する中国通の窓口)だった仲上孔兵。冷戦の終結、香港の返還後、パートナーとの
確執により引退、現、中華分化思想研究所の所長。彼の元に持ち込まれた事件の顛末。日本とアジアの国々との
不幸な過去の影、貧しさや悲運を帯びて物悲しがただよう。そんな中にもかすかな希望、庶民の力を感じる、そんな連作。
元“マカオのドン”許(シュウ)大人思い出のカジノの麗人“ブルー・ローズ”の正体探しの話がいい。

「最終章 私立探偵タナー最大の事件」スティーヴン・グリーンリーフ ハヤカワ・ミステリ1100
長く続く探偵小説の楽しみは単純な謎解きだけではない。その探偵と生活、行動を共有し、共に年を重ねた感がある。
年に1度ほど訳されたタナーシリーズはこれで最終話らしい。思えば前作で悪徳警官を成敗する親友を銃殺した時に、
終わりが決まっていたのかも。本作では流行作家の警護依頼を受けたが、作家は爆破事故に合い重体に。
事件には悪徳警官らの組織が関連する?最後の対決を経て、愛する女性とともに引退が示唆される。
シリーズキャストも総出演、最後にはびっくりプレゼントまであり、ここまで続いた話を終結させるのもなかなか大変。

「ゆっくりさよならをとなえる」(エッセイ)川上弘美 新潮社1400
好きな作家さんが、お気に入り小説や作家さんのことを書いた文が好き。それが自分も好きな作家さんだとより嬉しい。
(たとえば、小川洋子さんの「幸福な偶然」とか) でも殆どは読んだことない本で、古い良書を読む余裕のない私には、
こういう話こそが、そこにあるまだ見ぬ世界へ背中を押してくれる少ないチャンス。(書評よりもゆるい感じがよりいい)
意外だったのは、川上さんが大柄な方で、一人でも居酒屋に入りお酒飲むのが好きってこと。

「体の贈り物」レベッカ・ブラウン著、柴田元幸訳 マガジンハウス1600

翻訳発売当初、かなり話題になった作品。次作「私たちがやったこと」が出たので。
語り手は末期のエイズ患者の世話をする組織のベテランメンバー。急速に体力を失い、様々な症状で死に行く患者との
関わりが感情を抑えた描写で淡々と進む。彼らの体からのメッセージを受け止め、少しずつ疲弊してゆく語り手。
人生の最後をどう過ごし、何が残るのか、そして残された者は? 永遠の問いを凝縮して、なお静かに心に染みる作品。

「ベトナム怪人紀行」ゲッツ板谷著、鴨志田譲=写真、西原理恵子=絵 角川文庫648
ますます炸裂、あほあほパワー全開板谷氏と怒りのカモちゃん+哀愁の鈴木氏のベトナム旅行。
手のり鹿にエビ穴に、トラの檻にカブトムシと怪しい噂を頼りにベトナムを徘徊、夜毎の宴会、国営抱きビアでだまされ・・・、
勢いで怪しい旅をする彼らだけど、ベトナム戦争跡が濃く残り、貧しいこの国の現実に「悲しく」なることもしばし。
ベトナムの手ごわさだけではない哀愁のとりこになるゲッツ氏。 でも、やっぱあんたらが一番“怪人”だよ・・・

「タイ怪人紀行」ゲッツ板谷著、写真鴨志田譲、イラスト西原理恵子(カモさんの奥さん)角川文庫600
年明けくらいは元気の出る本が読みたい。「このままでは嫌な年のとり方をしてしまう!」と一念発起したゲッツ氏
タイ旅行に。オカマちゃんに遊び(遊ばれ?)怪しい情報に踊り、全くおバカと勢いの旅だがこの適当さがどうもタイって
とこらしい。おちゃらけた語りの中、随所にするどいコメントがあり、時にしみじみさせる。暑さと倦怠感の果てに、
たどりついた島  がまさに天国。私はタイ一周はしないけど、この島なら1月くらいボーっとしたい(^_^;)

「ハリー・ポッターと炎のゴブレット 上・下」J・K・ローリング 静山社 
4年生になったハリー。今回はクイディッチ・ワールドカップと「三大魔法学校対抗戦」という大イベントあり。
陰謀により対抗戦の第4の代表になり、課題に仕組まれた罠で絶体絶命のピンチに! 他の魔法学校の先生と代表選手ら、
新しい先生に魔法省の面々に大勢の屋敷しもべとユニークで怪しい(笑)人物が続出、そしてダンブルドア校長、
シリウスらの魅力も深まり、ハリー、ロン、ハーマイオニにも新たな変化も。最後のどんでん返しまでぐいぐい読ませる。
さすが話題作、レベル落としてません。 パーティの席で唖然とし、不機嫌になるロンとハリーがかわいい。

◇2月の読書◇

始めの頃の<にゅーす>を読み返したら、全体にコメントの短さが軽快。
最近、’語り’過ぎで、逆にわかりにくくなってるかなぁ(^_^;)

「北欧デザインと美食に出会う旅」鈴木緑文・写真 東京書籍1800 
「北欧ナチュラルライフに出会う旅」植月縁(ゆかり)文、鈴木緑写真 東京書籍1800
 
共に北欧インテリア、デザイン家具などに関わる仕事をされる2人が、スエーデン、デンマークの
様々な分野で働く人たちを紹介する北欧ガイド本。観光ガイド的な要素は少なく、
それぞれの信念とパワーで素晴らしい仕事をしてる人たちの紹介が主。北欧はよそに比べて保守的な
イメージがあるけど、伝統を守ることもなかなかにエキサイティングなのだ。

「緋友禅 旗師・冬狐堂」北森鴻 文芸春秋1476
孤高の旗師(固定した店舗を持たず古美術品を売買するバイヤー)冬狐堂こと宇佐見陶子のシリーズ。
今回のブツは、怨念のこもった萩焼き、伝説の掘り師が陶子に託した埴輪、染色職人が心血を注いだ緋色の友禅、
伝説の造仏聖円空を模した、仏像鬼炎円空。今回も優れた作品への執念、煩悩、欲が渦巻く世界を堪能。

「遠い国 Overseas Ind」小林紀晴 新潮社1600
小林さんは「暗室」以来気になる写真家で文筆家。この本では金子光晴(詩人)の足跡を辿りマレーシアなど
東南アジアを旅して撮った、様々な町のインド街、ヒンドゥ寺院を訪れインド人の写真と旅の記憶。
彼は折に触れ目の前の風景を「遠い」と感じ、70年前の金子光晴の見た街に心を馳せる。旅の高揚感はなく、
むしろ孤独で、戸惑い、ありのままの著者に好感を持つ。写真の印象は恐ろしくクリアー。

「エンジェル、エンジェル」梨木香歩 原生林1200

カフェイン中毒の受験生コウコと覚醒する痴呆のばあちゃんの真夜中の時間。そして少女時代のサワコの物語。
水槽の中で起こる殺戮、聖書の物語に彩られた息苦しいほどの少女の潔癖さ。幻想的ファンタジー。

「QED六歌仙の暗号」(QEDシリーズの2)高田崇文 講談社ノベルス980
 
桑原祟、奈々は事故死した兄の遺志を継ぐ貴子らと共に、薬学部での連続不信死事件と七福神、六歌仙の謎を解く。
六歌仙は藤原氏(良房)に弾圧された人々の象徴であり、その中心惟喬(これたか)親王を加え7の怨霊を封じるため、
それぞれに対応する七福神が配されたと解く。そして他の氏族を裏切り、後世での復活を祈念した紀氏の呪(しゅ)。
老後は古典をするのもいいかなぁと思ってたが、怨霊と呪詛に満ちた世の遺物が古典文学なら、なんとも剣呑なことだ。

『「お買いもの」のいいわけ』堀井和子 幻冬舎1400
友達のおすすめ本。写真、イラスト入りで楽しく、美しく、文字の色までこだわった本。
お買い物には“人”がでる。自分が欲しいものが判っている人の、こだわりと生活に対する姿勢が見える。
もひとつ好きな買い物本、谷村志穂・飛田和緒の「お買物日記1,2」(集英社)。これもハッピーなお買い物話。

「スパイク」松尾由美 光文社1700
下北沢を散歩中、同じビーグルをつれた青年とすれ違う・・ここが不思議の入り口。心惹かれる相手は平行世界の人。
’あちら’と入れ替わった、言葉を話す犬スパイクと共に、’こちら’の事件を解決することで、
’あちら’の彼を助けようとする瑞穂。SF仕立て、恋愛未満の、「もうひとりのわたし」とのお話。 

「試験に出るパズル 千葉千波の事件日記四月〜八月」高田嵩史 講談社ノベルス880

QEDの高田さんの論理パズルシリーズ。そう一時期、えんぴつパズルに熱中したことがあるJです(^_^;)
浪人生のぴいくん(語り)、友人饗庭慎之介、いとこの高校生、千葉千波くんらが挑む事件の謎とパズル。
理屈で攻める千波くんを持ち上げながらも、実はおちょくっているような所が、味。

「よるねこ」姫野カオルコ 集英社1600
奇妙な味わいのホラーテイストの幻想短編小説かな。良く出来てると思うのは「女優」。好きなのは「心霊術師」。
「海辺のカフカ」のナカタさんを彷彿とさせる、吉田という力持ちで愚直な女性が主人公。できることなら人を羨まず、
自分と自分の環境に満足、感謝して正直に生きていきたいものだ。(なかなかそうもいかない)

「顔(FACE)」横山秀夫 徳間書店1600

直木賞は逃したけど、今や押しも押されぬベストセラー作家の横山さん。
「影の季節」で似顔絵の偽装を命令され、失踪、休職騒ぎを起こした平野瑞穂のその後。休職後、職場を移りながら、
女性ゆえに受ける偏見、不当な扱い、そして自身の仕事のありように悩む瑞穂。事件の真相に一層傷つく瑞穂だが、
観察眼を武器に推理を働らかせ、不正を憎み仕事に誇りを持とうとする。頑なに守られる信念こそが横山さんの魅力。

「甘露梅 お針子おとせ吉原春秋」宇江佐真理 光文社1500
同心の夫を亡くし、新吉原の遊女屋「海老屋」にお針として住み込むことになったおとせ。
花魁たちの抱える事情に少々お節介なおとせが首をつっこむ。
女達の意地と純情が交錯、哀しいと言うより穏やかな諦めの中、運命に流される女達を見守る目。

今月のイチオシ◎
「MOMENT」本多孝好 集英社1800 
死期が迫った患者の望みを叶えてくれる仕事人。学費を稼ぐ為に病院の噂話を利用し、続けるハメになった
アルバイト清掃員の神田が’最後の願い’を遂行しようとすると、その裏側が見えてくる。
死を前にした患者達に対し、自分の将来さえ決められず、鬱々と生活する学生の自分に一体何ができるのか。
奇妙に律儀な神田と幼なじみの葬儀屋森野、淡々と最後の手伝いをする仕事人に奇妙に心慰められる。

◇3月の読書◇

「フライ、ダディ、フライ」金城一紀 講談社1180
娘に暴力をふるったスポーツエリート高校生に復讐するため、冴えない中年男が立ち上がる。サポートするのは、
「レヴォリューション3」の落ちこぼれ高校生“ゾンビーズ"。 夢物語ではあるが、肉体と精神が受けるダメージ、破壊、
再生が鮮やかに描かれ、ひたすら若いエネルギーとの交流、自信の回復、爽快なエンディングに心がすく。

「ギリシア神話を知っていますか」阿刀田高 新潮文庫400
空港で厳選の上購入した本。ギリシア神話から代表的かつ面白い話を紹介、物語の背景や登場人物について考察。

「Alone Toghther」本多孝好 双葉社(文庫)552
まずい、旅行用に持参したのに羽田までに読んでしまった。医学部をやめ不登校児の塾でアルバイトをする柳瀬。
「私が殺した女性の娘を守って欲しい」という教授からの依頼。彼は他人の心の奥底をと共鳴する呪われた力を持つ。
彼は立花サクラを救えるのか、彼自身は救われるのか。 持ち味の哀しいほどの透明感健在。

「人殺しパラダイス」ヒキタクニオ 新潮社1400
熱に浮かされたような焦燥感印象的な著者の今回は幻想的な話中心の小説集。
「赤い大きなアメリカ女」死に瀕した母の病室でイラストレーターの主人公が見る幻想。なぜか印象的
標題作女に冷酷なホストが訪れた、言葉を交わさず会話ができる住民の島。そこで出会った無償の愛。静かで恐ろしい。

「QED東照宮の怨」高田崇史 講談社ノベルス840 QEDシリーズの4
三十六歌仙の調査をきっかけに東照宮を巡る謎解きが始まる。今回はいつにもまして難解。東照宮建設の裏の指導者
“黒衣の宰相南光坊天海大僧正の仕掛けた、京都御所を見据えた西のライン、鎌倉−江戸−日光→北極星という2本のライン
をによる広大な結界。そしてその裏に隠された日光・東照宮、月山を従え会津を宇宙の中心にすえる構想。
天皇家への呪詛、忠長への呪詛、そして後水尾天皇の幕府へ呪詛返し、東照宮を舞台にした幾重もの怨念を解き明かす。

「名建築に泊まる」稲葉なおと 新潮社1600
「まだ見ぬホテルへ」の建築エッセイストが、国内の宿泊可能な“異国の人に推薦したくなる名建築”を案内。
建物だけではなく温泉や食事や宿の人たち、そこで過ごす時間を合わせて、本当の贅沢を伝える。
気になったところ:十和田ホテル(秋田)、湯元不忘閣(宮城)、雲仙観光ホテル(長崎)、東光園(鳥取)など
Web版まだ見ぬホテル:http://www.yomiuri.co.jp/stream/hotels/

「MISSING YOU」本多孝好 双葉社(文庫)600
「MOMENT」の心慰められる淡々とした語りが良かったので。こちらも哀しい話を過度な感情を拝して語るお話ばかり。
文庫の帯によれば、「透明感」だそう。「瑠璃」「」これらの物語では語り手は主人公ではない。彼らが見つめる人との
独特の距離感が私を少し切ない、でも安らかな気持ちにさせるのだと思う。

「QEDベーカー街の問題」高田崇文 講談社ノベルス800 
QEDシリーズの3。知人に誘われシャーロキアンの集会に参加した崇と奈々。ホームズシリーズが一端終了した
「最後の事件」と復活の「空家事件」前後の矛盾、疑問を説明する説(コカイン常用による人格障害ホームズ=モリアーティ、
それに追い詰められたホームズの自殺、別人による第2ホームズ)とそれに触発され起こった現実の犯罪。やや強引か(^_^;)

『「人を好きになってはいけない」といわれて』大沼安正 講談社1500
統一教会信者の両親の元に育った著者が、経済的な問題が直接因で両親の信仰に違和感を覚え、家出、ひきこもり、
上京、売春を経て大検合格までを語る。彼の環境ゆえかは不明だが、語りの稚拙さというか、感情が羅列方式というか、
物事を総合的に捕らえ結びつけることが難しい様子が読んでいてツライ。疑うこと、否定から始まる成長ってやっぱ不幸だ。

「綺羅の柩 建築探偵桜井京介の事件簿」篠田真由美 講談社ノベルス1050
1967年マレーシア、カメロン・ハイランドで失踪したタイシルクの王ジム・トンプソンの物語を下敷きにした建築探偵
シリーズ最新刊。シルク王、ジェフリー・トーマスと親交のあった夫婦に、失踪を推理するため招かれた京介ら。別荘、
カメロン・ハイランドと続く事件。暗い嫉妬と誤解の日々を解き明かす。背景のシルク、養蚕をめぐる物語に思いを馳せる。

「魔女の腕時計」早坂真紀 祥伝社1400 メルヘンな装丁に惹かれて。装画は古田忠男。内容もめるへん。

○今月のイチオシ
「鎮火報 Fire’s Out」日明恩(たちもりめぐみ) 講談社1800
まだ半人前の消防士大山雄大らが出動した火災現場は不法滞在者の手入れ現場のアパート。放水により火が出る
’しかけ’による連続放火の目的は?模範的消防士の父と消防士という仕事への複雑な感情を抱え不良消防士を気どるが、
最後は・・となるのがミエミエの振り。過剰な熱意で職務にあたる入国管理官、特別救急隊員らの抱える闇。
いまどき気恥ずかしい「正義感」「使命感」、それを巡る「理想」と「矛盾」を青臭いと判りながら楽しめる方にお勧め。
周囲の消防士らがとてもいい。盛り込みすぎの部分もあるが、2作目とは思えない勢いあるエンターティンメント。力作。


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