
ミュラーの失恋に対する個人的考察
ミュラーは中尉時代、失恋したらしい。
それも手痛いやつを。
そのせいかどうか、「銀河英雄伝説」の本文中ではミュラーの女性関係については触れられていない。
恋人はいたのか?いくら戦場暮らしが長いとは言っても年頃の、しかも帝国軍の大将(上級大将) で、しかも人柄は温厚ともっぱらの評判、加えてかっこいい!!(重要)のだ、女性が放っておくはずないと思うのだが・・・・・・
ミュラーの魅力にまいってしまってからしばしば感じていたこの疑問について、私の独断と偏見で考察してみようと思う。
繰り返すが、あくまで、私の感想(妄想?)である。
1.「大失恋」の真偽
「したらしい」といわれるミュラーの失恋だが、実際したのか?していないのか?
本人は黙して語らぬそうなので、これは推察するしかない。
結論から言うと、したに決まっている、と思う。
なぜって・・・・・・だって、そう思わないとこれからしようとしている話が始まらないじゃないか・・・(ぶつぶつ・・・)
失恋の噂についてノーコメントっていうのがまず、怪しい。
まあ、その噂を「虫除け(?)」に使ってるのかもしれないけど、私が思うミュラーは、恋愛に対してそんな器用な人ではない。
しかも、たぶん「失恋したのか?」なんてミュラーに尋ねたのは彼の同僚だと思うのだが、場所はきっとお酒の席だったろう。真昼間からそんなプライベートなことを面と向かっては普通聞かないだろうし。
それに対して、ミュラーは何も語らなかった、というのだから、「失恋」と無関係であるはずがない。本当に無関係ならあっさり否定できるはずだ。
ふ、ミュラーよ、やはりしたな。失恋を。(にやり)
しかも、笑って認めることもしなかった、ということは、その失恋でかなりの精神的ダメージを受けたのだろう。いまだに相手の女性への感情を克服できていないと取れる。
そう考えれば、その後の女っ気のなさも「失恋の痛手を引きずってる」というのが、一番しっくりくる。
と、いうことで、ナイトハルト・ミュラー氏は中尉時代に失恋をなさった、ということに決定!!
2.振ったのか?振られたのか?
ナイトハルト・ミュラー氏は中尉時代に失恋をなさったわけだが(すでに決定事項)、いったいどのような失恋をなさったのだろうか。
失恋といっても、色々ある。要するに、読んで字の如し、恋を失ったら、皆失恋なのだ。
まず疑問なのは、振ったのか?振られたのか?ということだ。
ここで一つ前置きをしておくと、これは当然相手と「生別」した場合の話である。(「死別」した場合のことはまた別項で述べる)
A、振られた場合
振られた、と仮定して考えてみよう。なるほど、一般に「失恋」といえば「振られた」を意味する場合が多い。
彼、ミュラーが振られた場合どんな行動をとるだろう?
その前に、若かりしころ(つまり、失恋をしたころ)のミュラーの気性について考えてみる必要がある。
銀英本文中のミュラーから想像するに、私は若き日の彼はかなり情熱家の傾向が強かったと思う。
ガイエスブルク要塞の一件だけ見てもそうだが、彼の「穏やかさ」よりも「激しさ」のほうが顕著にあらわれているような気がする。そもそも一般に「温厚」というイメージが定着しているミュラーだが、私に言わせれば、後半こそ多少落ち着いて見えるものの彼は基本的に「激しさ」が目立つ人物だ。
たぶん、「穏やか」という評価はミュラーの協調性が豊かなところと、「歩く堅忍不抜」といわれる彼の戦闘における粘り強さから来ているのだと思う。(それでも10巻ではラインハルトの病状に関して怒気を発しながら医師に詰め寄ったりしているが・・・)
と、言うわけで、そんなミュラーが「振られた」場合、たぶん、とっても「荒れた」のではないだろうか。ひとしきり「荒れた」後、その「屈辱」をバネにして、精神的に成長しそうだ。(参照:「要塞対要塞」の戦い)
と、すると、「振られた」失恋の傷は、それほど長く彼の中で尾を引かないのではないだろうか。たぶん、最初は自分を振った彼女に対してかなりのわだかまりを持つだろうが、そこで思考が膠着してしまうほどミュラーは軟弱な男ではないだろう。むしろいつしか彼女を克服して「思い出」として処理するのではないだろうか。(もちろん、多少の苦さはずっと残るだろうが)
この場合、傷ついたのが「ミュラー自身」である、というのは大きなポイントだ。自らについた傷は、自らの気持しだいで癒すことができるからだ。
いわんや、ミュラーは帝国軍の誇る歴戦の勇者。精神的にも鍛え方が違うだろう。壁を乗り越えることはけっして難しくないはずだ。
だから、他の女性と交際することに対するためらいはどんどん少なくなっていくだろう。
したがって、同僚に失恋について聞かれても、少なくとも「ノーコメント」ではないと思うのだが・・・
以上のことから、私はミュラーは「振られた」のではないと、思うのだ。(ちょっと強引?)
B、「振った」場合
では、振ったと仮定して考えてみるとどうだろう?
振った場合、ミュラーはどんな行動、というか、考えをもつだろう?
これについてもミュラーの気性について検証してみなくては。
振った、ということは、自分が相手を傷つけた、ということだ。ミュラーは、相手の心情を汲み取れないほど鈍感な男ではない。それは、バーミリオンのときの(正確にはバーミリオンにむかう前のリューカス星域での)オーブリー・コクランの例などでもわかる。
そのミュラーが、いかなる事情があったにせよ彼女を振った(傷つけた)場合、そのことをやすやすと忘れ去ることができるだろうか?
私は、ミュラーは絶対いつまでもその傷つけた相手のことを引きずるタイプだと思う。
もちろん、表面には出さないだろうし、そのことで精神的に荒廃していく、というんじゃない。ある種の罪悪感をずっと無意識のうちに持ちつづけていそうなのだ。
結果どうなるか?
他の女性と深く付き合わないのでは? どこかで、壁を作ってしまいそうだ。
では若かりしころのミュラーは、好きな女性を振ることができただろうか?
これは、できたと思う。Aでも触れたが「激しさ」の暴走はきっとあったはずだ。詳しくは別項で考察するが、「好きだから」我慢できずに傷つけ、振った、というのはミュラーの気性を踏まえた上で十分ありえると思う。
さて、それでは振った場合、そのことをノーコメントで通すだろうか?
これは、人には言わないだろう。古傷が痛むのは気分のいいことではないだろうし、なにより相手の女性があることだからだ。彼女の名誉にかけてもこの件については口を閉ざすだろう。
と、いうことで、A、Bの考察の結果、私の中ではミュラーは「振った」ということに決定(きっぱり)。
次回、「3.なぜ振ったのか」に続く・・・・・・。