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チャコールグレーコースト南部、ポジションC・・・。
攻撃開始の合図があってから数分が経っている。

「や〜ん。くじらさんみたいですぅ アレ〜っ」

葵が海面に浮き沈みして見える、黒光りする潜水艦を指す。

「さて・・・私たちも動きましょうか。上に戦闘機もいるようですね・・・よし。“あれ”でいきましょう」

「はやせくん頑張れ――!!」

「ってあなたもやるんですよ!!葵!!」

「えぇ〜っっ」

呆れた顔で葵を見る湍畝。
気を取り直し、黒い墨を睨んだ。敵も2人の動きを伺っているらしく、緊迫したときが流れる。
せきを切ったように湍畝が声を発した。

種別幻覚イリュージョンシリーズ

吐息とともに微風が湍畝の唇をすべる。と、次の瞬間、海面から黒い霧が現れ、辺りを包み込んだ。
すると、急に司会が開け、風景が変わった。

『なっ・・・なんだこれは?!ここは一体?!』

先ほどまで黒い砂浜でしかなかった海岸が、白い花が咲き乱れる小高い丘に、漆黒の海面は住んだ無色の水に、
その全てが美しく変わっている。空でさえも太陽の光がまぶしくそそぐ晴天である。

「驚いたでしょう?海ならではの技なんですよ、コレは。水を蒸発させて水蒸気を発生させ、それに

光を反射して映像をつくりだす。ただの映像では面白味がないでしょうから、私が少々手を加えました」

「すごいですね〜〜!まるで死後の世界〜〜〜っ」

「なっ!失礼な!」

『まどわされるな!これは幻想だ。実物ではない!攻撃せよ!!』

多国籍軍の司令官が攻撃命令を指示する。砲弾が飛び交い、湍畝によって創りだされた美しい風景が次々に
爆破されていく。白い花は燃え、その花びらは灰になり湍畝の足元に散らばった。

「・・・あなた方のような美的感性に欠けるものが、私は一番嫌いなのんです。これが幻に見えるのなら
こんなビジョンはいかがですか?」

湍畝は、手を顔の横に持ってくると、そこでパチンと指を鳴らした。
静まり返る海岸・・・。
すると突然美しい自然風景が消え、雲の上にも届くような高波が現れた。

『非常事態発生!!指令、このままではあの高波にのみこまれます!!』

『案ずるな!!あれもたかが幻想、幻にすぎん!!』

『指令!!戦闘機RB−1が!!』

野獣のように牙をむき、高波が襲いかかる。はるか上空を飛行していた戦闘機をも飲み込んで艦隊に
襲いかかる。艦内に海水が入り込み、サイレンが鳴り響く。

「幻想・・・夢と現実の境は曖昧。あなた方の胃や肺に入り込む海水は、はたして幻想でしょうか」

湍畝が話している間にも、多国籍軍の潜水艇からは、苦しみもだえる人間の悲鳴が聞こえてくる。
その不協和音のただ中に、うすい黄緑色の光が広がった。

「さぁ〜〜〜てぇっ!!あおいの出番ですねぇーーっ!!みーんなビビビっとしびれて下さぁ〜いv」

葵の体の周りに電気のようなものがパチパチと流れている。葵の目が更に大きく見開かれた。

微力感電デリケートショー−ック〜〜〜っ!!」

海面にいかづちが落ち、閃光を放った。それと同時に、荒れ狂う波は消え、黒砂の海岸にと国籍軍の腕章を
つけた何人もの軍兵が現れた。全員がぐったりし、気絶しているもの者もいる。

「殺してはいけないので・・・水を飲んだつもりになってもらいましたが・・・ずいぶん苦しかったんでしょうね
全員の顔がオソロシイ」

「湍畝くんがやったんでしょお?この人たち、コレがトラウマになって水が怖くなったら湍畝くんのせいだから
ね〜〜〜っ!!」

「・・・はい。このロープで全員縛りますよ」

>>8:45 湍畝、葵  任務完了。


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