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 牡蠣(かき)
今日は冬の味覚、牡蠣のお話です。

牡蠣は貝塚から多数の殻が発見されており、また古事記の歌にも詠まれているほど日本人とは古いつき合いです。いえ、シーザーやナポレオンも好んだと言われますから、世界的ですね。

牡蠣はやはり冬がおいしいですね。みなさんお好きですか?
欧州では「
Rの付かない月には牡蠣を食べるな」(5月から8月はスペルにRを含みません)、日本でも「花見が済んだら牡蠣を食うな」と言われています。この頃は、牡蠣が産卵のためおいしくなく、また夏なので食あたりしやすい時期なのです。ただ、イワガキやナツガキといわれる種類は夏が旬です。

この牡蠣、「イタボガキ科」の二枚貝の総称で、生物学的には
雌雄同体なのです。昔の人は雄だけだと思って、牡蠣に雄を表す「牡」の字を使ったと言われています。
雌雄同体の生物は移動しない生物や移動能力の弱いものに多いようです。ニ匹が出会っても雌雄別々だとカップルになれる可能性は50%、雌雄同体なら100%です。生物の生き残り戦略なのですね。

牡蠣の生産量は中国、日本、韓国、フランスの順です。中国ではオイスターソースに、韓国は輸出、フランスは生で消費します。余り生ものを食べないフランスで生牡蠣を食べるのは不思議ですね。ただ、牡蠣は生の方が栄養価が高いので、理屈には合っています。
実はフランスで食べられている牡蠣のうち、クレールと言われる種類は現地の牡蠣が病気で全滅したとき日本の牡蠣を持っていったのだと言われています。

牡蠣は「
海のミルク」といわれるほどエネルギー源として優秀で、グリコーゲンを非常に多く含む高タンパク食品で、現代人に不足しがちなミネラル分をバランス良く含んでいます。カルシウム、亜鉛、鉄、銅、リン、マンガン、ビタミンA、B6,B12,E、パントテン酸などです。

体にいい効果は沢山あるので、列挙だけしますと、
@体内で効率よくエネルギーに変換(グリコーゲン)
A抵抗力UP(タウリン)
Bストレスの緩和(タウリン)
C胃への負担を和らげる(タウリン)
D肝臓を強くする(タウリン)
E貧血防止(鉄分)
F肌をきれいに(亜鉛)
G保温力UP(亜鉛)
H味覚障害防止(亜鉛)
I精子の活動(亜鉛)
J抗酸化作用(メラノイジン):ただし生牡蠣には無い
すごいですね。

さて、スーパーなどで見かける牡蠣は「
生食用」と「加熱調理用」がありますね。どう違うんでしょう?
実は鮮度は同じなのです。加工法の違いだけです。
「生食用」は滅菌海水を15時間ほど通しているので、水を切って生で食べられます。
一方「加熱調理用」は滅菌海水を通す時間が短いので味はこの方が美味いのですが、食べる前に塩もみし、水洗を2回ほど、そして75度で1〜2分程の加熱が必要です。鍋では食べる直前に入れた方がおいしく食べられます。時間をかけすぎると硬くなっておいしくありませんね。

最後にもう一つ雑学を
北海道の有名な牡蠣の産地に
厚岸(あっけし)があります。この地名はアイヌ語で「アッケシ・イ」といい、「牡蠣のあるところ」という意味だと言われています。

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