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シュレーディンガーのネコ
□■シュレーディンガーのネコ

量子力学の世界は私達の想像を越えた世界です。

たとえば、電子は,観測前は空間に広がる波として表されていますが,観測が行われると空間の各点における波の振幅の2乗に比例した確率で,ある一点に粒子として見いだされます。つまり、
観測が行われた瞬間,電子の波は一点に収縮してしまうのです。この確率解釈と波の収縮による量子力学の解釈は、観測結果とも一致します。そしてこの解釈をコペンハーゲン解釈と呼びます。

ところが、この解釈だと、量子力学に従うスケールと,巨視的なスケール(私達の見ている世界)とを結びつけると、我達の常識に反することが起きるてしまいます。そのことを示したのがシュレーディンガーのネコと呼ばれるパラドックスです。

これは,コペンハーゲン解釈が正しいならば,観測をしない限り,箱の中に生きたネコと死んだネコの重ね合わせの状態が作られるということになるというものです。

アインシュタインが、一連の論争の中で「
しかし私は神はサイコロを振らないと確信している。」と確率解釈に強く反対した話は有名ですね。

【シュレーディンガーの考えたネコの思考実験】
金属容器の中に放射性元素(平均して2時間に1個の原子が崩壊する)、測定器(1個でも原子の崩壊を観測出来る)、ハンマー、毒物の入ったガラス瓶、そしてネコが入っています。
測定器は1個でも原子の崩壊を観測すると、ハンマーでガラス瓶を割るように指示を出します。すると、毒物によりネコは死にます。
実験開始1時間後、観測者はネコの生死を調べるため容器をあけます。

これを、コペンハーゲン解釈でいうと次のようになります。放射性元素は完全に偶然によって崩壊します。1時間に1個の原子が崩壊するかどうかの確率は等しい。つまりネコの生死の確率も等しい。
この2通りの可能性は状態の重ね合わせを生み出します。つまり、原子は崩壊するとしないの両方であり、
ネコもまた生きていると死んでいるの両方だと言うのです。
上に書いたように、観測して初めて、粒子が粒子として存在するのですから、それまではネコの生死は不明です。
ただ、100回実験を行えば50匹は生きていますが、50匹は死んでいるという結果になります。

一見、不可思議な説明ですが、量子力学の世界はそんな世界なのです。
しかし、アインシュタイン、シュレーディンガー、プランクらはこの解釈に反対しました。しかし、従来、この論争はコペンハーゲン解釈の勝ちとされてきました。
しかし、最近ではアインシュタインのグループの方を支持する人も増えていると言います。

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