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海洋深層水
過去20万年の気温変化 & 深層海流
■□海洋深層水

 「
深層海流」「海洋深層水」って聞いたことがあります? 今日はこの話題です。21世紀のキーワードの一つだと思います。

私達はあたりまえに思っていますが、地球の気温は全く不思議なくらいここ1万年の間安定しています。まさに奇跡なのです。この安定の一翼を担っていると考えられているのが「深層海流」です。
下のグラフを参考にして下さい。(グラフは厳密では有りませんが概要はわかると思います。)


グリーンランド沖で比重が重くなり沈み込んだ海流は、大西洋西岸を南下して南極で沈みこんだものと一緒になりインド洋、太平洋と進みやがて太平洋北部や東岸で湧昇流となって上昇してきます。この間1500年から2000年かかっています。
そして今度は表層を通って、またグリーンランド沖で沈み込むと言う循環をして、地球の南北の温度差を緩和しています。

実は
13000年前にこの深層海流が止まったことがあります。当時は氷河期の末で、次第に気温が上昇していました。そのため氷河が溶け北米に出来た大きな淡水湖の水が一気に大西洋に流れ込み、海水の比重を軽くし、グリーンランド沖の沈み込みを止めてしまったのです。その結果、少なくとも高緯度地方は一気に5度以上も寒冷化してしまいました。

実は今、地球温暖化で同じ状況が起こるかもしれないと危惧されているのです。

脅かしは、このくらいにして(^^;)この深い海を流れる水、「
海洋深層水」についてです。こちらはバラ色でしょうか?

海洋深層水は一般に「光が届かない水深200m以深の海水」のことです。地球上に存在する
水の97.6%が海水で、さらにその約95%を占めているのが水深200m以深の海洋深層水なのです。「魔法の水」「夢の水」と呼ばれています。

そう呼ばれる理由は、その特性にあります。
海洋深層水の特性としては「富栄養」「清浄性」「低水温」「安定性」があります。

富栄養」:表層の海水に比べて植物の生長に必要な硝酸塩、燐酸塩、ケイ酸塩などの無機栄養塩を多く含んでいます。
清浄性」:陸水由来の大腸菌や一般細菌に汚染されてなく、また、海洋性細菌数も表層の海水に比べて非常に少ないうえに、陸水や大気からの化学物質による汚染に晒される機会も少なく、清浄なのです。
低水温」:低水温です。海底で4〜10度程度。
安定性」:水質の季節変動が小さく安定しています。

利用法は多岐にわたっています。
植物プランクトンや海藻の培養、魚類の養殖、塩・酒・味噌・豆腐・醤油・パン・和菓子など食品への利用、ミネラルウォーター、化粧品 etc.etc.
日本で進んでいるのは高知県で、スーパーでは海洋深層水利用の食品があたりまえの状況だということです。

それから、
アトピーにも効くという話です。
アトピーの原因の一つとして挙げられるのが、体内の好酸球の働きです。好酸球はアレルギーの元となる抗原を排除するのが仕事ですが、何らかの理由で暴走を始めると、正常な細胞まで攻撃してしまいます。これがアトピーの原因とされています。海洋深層水はこの好酸球の暴走を止め、コントロールすると考えられています。

そして、海の表面と海底数百メートルの低温の海水との温度差を利用した
海洋温度差発電と言う、温室効果ガスを排出しない、環境調和型の新エネルギーの開発も研究されています。この発電方法は、電力を継続的かつ安全に供給でき、しかも再利用できるというメリットがあります。

しかし、一方では生命の原点である海を開発することへの危険性を指摘する声もあります。深層水を利用することは環境の改善につながるのか、あるいは悪化させるのか。地球にとって大きな問題をはらみながら、世界中の企業が研究・実用化に躍起になっています。

20世紀までは日本は資源小国でした。しかし21世紀は海の時代、次回お話予定のメタンハイドレートとともに、資源大国になるのかもしれません。

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