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メタンハイドレート
メタンハイドレートの構造図
■□メタンハイドレート

聞き慣れない名前かもしれませんが、
メタンハイドレートは次のエネルギー資源として注目を浴びているものです。

このメタンハイドレート、氷点近くの温度と、水深500m以上に相当する高い圧力のもとでのみ安定しますので、永久凍土の下部や深度500m以深の海底地層中に存在しています。

海底に眠るメタンハイドレートの総量は
全世界の天然ガスと原油、石炭の総埋蔵量をあわせた量の2倍以上(炭素換算で)だと推定されています。なんと、日本周辺にも、諸説ありますが、約7兆4000億m3(日本の現在の天然ガス消費量の約140年分に相当)の埋蔵量があると言われています。

メタンハイドレート層は海底堆積物中の有機物が微生物や、マグマの熱で分解することで生成されます。その構造は、水分子がつくる立体駕篭構造内部の空隙にメタンガスを取り込んだもので、1m3のメタンハイドレートに164m3のメタンガスが含まれると言われています。見た目は白い氷の塊のようです。

メタンガスは,他の化石エネルギーと比較して二酸化炭素発生量が少ないという特色があるし、採掘した後に、今度は炭酸ガスを炭酸ガスハイドレートとして元の場所に固定化することも考えられ、
有望なエネルギー源として注目を集めています。

しかし、大きな問題があります。
深海なので採掘自身が難しいこともありますが、メタンハイドレート層の存在自体が大陸斜面を安定化させる役割を果たしていると言う説があり、メタンハイドレートを採掘することは問題ではないかということです。

実は、このメタンハイドレートは、採掘しなくても存在そのものが問題なのです。つまり、今世界で進行している温暖化により、自然にメタンハイドレートがメタンガスを放出し、温暖化を加速させる可能性があるのです。
メタンはCO2の10〜20倍(60倍近いと言う説もあります。)の温室効果を引き起こします。そのため、更に温暖化が進み……と悪循環、「
悪魔のサイクル」が始まる可能性があるのです。

実際、8000年前におこったノルウェー沖の「ストレッガ海底地滑り」はハイドレート層が不安定になって起きたものと考えられています。。
また、1998年のパプアニューギニアを襲った津波は、地震に伴うハイドレート層の分解と、それによる海底地滑りの可能性があるといいます。

そして、ハイドレート層から放出されたメタンガスは過去の地球規模の気候変動に大きな影響を与えた形跡も発見されています。

5500万年前の急激な地球温暖化がそれで、メタンハイドレートが原因と見られています。一気に海水温が6度も上昇し、多くの生物が絶滅しています。
また、8000年前の「ストレッガ海底地滑り」の時も、大気に放出された量は埋蔵量の3%、3500億トンに達し、現在でも1000Kmにわたって痕跡が残っているそうです。もし、これと同程度のことが起こると、10年間で4度の気温上昇が起こるといわれます。

話は変わりますが、あの有名な
バミューダトライアングル(バミューダー諸島・フロリダ半島・プエルトリコを結ぶ海域)での船や飛行機の原因不明の消滅事件は、実はメタンハイドレートが原因ではないかという説が、最近浮上しています。

何かの現象により海底の温度が上昇すると(この場合は世界最大級の暖流「メキシコ湾流(ガルフストリーム)」が考えられます)メタンハイドレートからメタンガスが発生します。この発生したメタンガスの泡によって、船の浮力が減少し、船は沈んでしまうことが実験でも確認されています。また、海面まで上昇したメタンガスは空気より軽く、空気中を上昇しますから、その中に飛行機が入り込むと爆発を起こすか、または酸素欠乏でエンジンが停止し墜落してしまいます。
また、方位磁石や計器が狂うことが指摘されていますが、これは、水面にマイナスイオンが上昇し、風で電流となり、磁界が発生するためではないかといわれています。

メタンハイドレート。人間にエネルギーをもたらすのか、破滅をもたらすのか、不気味な存在ですね。


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