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緑茶
お茶に関する言葉+α
□■ 緑茶

最近は緑茶ブーム、特に若い女性の間で。それに、5月1日は八十八夜、茶摘の季節。と言うことで、今回は緑茶の話です。

お茶はツバキ科の暖地性の常緑低木で、
原産地は中国です。
もともとは薬として利用されていて、飲物となったのは漢代以降のことです。

日本へは8世紀頃、僧侶が持ち込みました。そして、これを広めたのは栄西とされています。「茶は養生の仙薬、延齢の妙術なり」と、当時は長寿の薬として貴族にもてはやされたようです。しかし、一般に普及するのは室町以降のことです。

茶の読み
「ちゃ」は中国の北部の音「チャ」に由来し、ロシア語の「チャイ」も同じです。一方、中国の南部の音「テー」に由来するのが英語の「ティー」です。

お茶の種類は、大きく分けて3種類に分けられます。
1.
無発酵茶(緑茶):葉を摘み、新鮮な内に短時間蒸し、酵素による発酵を止めます。
2.
半発酵茶(ウーロン茶):葉を摘み、短時間天日に干します。発酵がある程度進んだ時点で窯で炒り発酵を止めます。
3.
発酵茶(紅茶):葉を機械でもむことにより傷をつけ発酵を促し、発酵室で十分発酵させます。

日本茶にもいろいろ種類がありますね。
1.
煎茶:八十八夜あたりから茶摘をします。1〜4番茶まで。おいしいのは2番茶までです。露地栽培の新芽を摘み取ったもので、日光を十分に受けてそだったのでビタミンCが豊富です。摘み取った葉は蒸気で蒸し、もんで細かくしながら乾燥させます。

2.
番茶:煎茶の若芽を摘んだ後で伸びた葉や茎を使います。蒸すか煮るかした後、少し発酵させて天日で乾燥。煎茶よりカフェインが少ないようです。

3.
焙じ茶:煎茶の下級品(番茶)を強火で焙じたものです。タンニン・カフェインが緑茶の中で一番少なく、もともとは落ちた香を増すため焙じて芳しく仕上げたものだったのです。

4.
玉露:八十八夜あたりに藁(わら)などでお茶の木を覆い20日ぐらいそのままにします。こうするとアミノ酸が増え甘味の有る色鮮やかな葉に仕上がるのです。
蒸した後、もんで乾燥させたのが玉露で、もまずに乾燥させ葉脈と葉柄を除いて粉末にしたのが抹茶です。

さて、
お茶の効能は最近注目されています。
1.
カフェインの効果:ダイエット効果があります。カフェインは体に蓄えられた脂肪をエネルギーとして使いやすい形に変える働きをします。でも運動とセットで考えないと駄目ですよ。もちろん、眠気覚ましの効果もありますね。

2. 
殺菌効果:カテキン(渋みの成分)の効果です。抗生物質が効かないと言われるMRSAやインフルエンザウィルスにも効果が有るとの報告がありますし、虫歯・口臭の予防にもなるそうです。ガンの予防、抑制効果があるともいいます。
寿司にお茶がつき物なのはこういう理由もあるのです。また、お茶の葉での掃除も抗菌・殺菌作用があります。昔の人はえらいですね。

3. 
ビタミンC、タンニンの効果:適量で、消化酵素の作用を抑え、過剰栄養を制限し体を健康にします。

4. 他にも
ビタミンA,Eも含んでいます。

さて、おいしい
お茶の選び方ですが、法則はただ一つ、「値段で選べ」です。100g1000円が目安だと言われています。
では、おいしい
お茶の入れ方
1. お茶の葉はたっぷり入れます。8〜10g
2. お湯は一旦湯のみについで少しさまします。
玉露:50度 上煎茶70度 安い煎茶80〜90度 番茶・焙じ茶・玄米茶100度
3. 葉を入れた急須にお湯を注ぎ、少し待ちます。
玉露:150秒 上煎茶120秒 番茶・焙じ茶・玄米茶30秒
4. 濃さが均一になるようそれぞれの茶碗にまわし注ぎにし最後の一滴まできっちり出しましょう。

ここで、
お茶に関する言葉を幾つか紹介しますね。
1. お茶を濁す
昔、お茶は大変貴重な物として珍重されていたので、お茶を出せばその場をまるめこめたことから、急場をしのぐことを「お茶を濁す」と言うという説です。
もう一つ説があります。作法の厳しい茶道で心得の無い人がいいかげんなやり方でお茶を点てその場を取り繕ったことに由来すると言うものです。

2.
お茶をひく
もともとは娼妓の言葉です。廓へ来たお客に出すお茶を茶臼で挽くのは、お客のつかない手のあいている妓の役目でした。そこで、売れ残ってしまうことを「お茶をひく」と言ったというのです。
他に、中国の宮廷では主君の夜のお相手を決めるのに、多くの妃たちがお茶を献じました。そして、主君の飲んだお茶を献じた妃以外はせっかく出したお茶をひいて下がらなければならなかったからだと言う説もあります。

でしゃばりでおしゃべりな小娘を「
おちゃっぴい」と言いますが。これは「お茶を引く」が転じたものと言われています。

3.
お茶の子さいさい
関東の一部で「チャノコ」とは朝飯のことをいい、その敬語が「オチャノコ」。つまり、「朝飯前」が「オチャノコ前」になり、それを簡略にして「オチャノコ」になったと言うものです。
他に、「茶の子」はお茶菓子のことであり、難しい茶の作法に比べればお菓子を食べるくらいは簡単だという意味から来ているという説もあります。
なお、「さいさい」は、民謡のはやし言葉で「のんこさいさい」というのからきているそうです。

4.
無茶苦茶
無茶とはお茶を出さないこと。苦茶とは苦いお茶を出すこと。つまり、大事な相手にもお茶すら出そうともしない。また出しても苦くて飲めた物で無い。こんな状態を無茶苦茶と言います。現在では意味が転じて、まともではない、常軌を逸している態度に使われますね。
別説として、「むさと」(正当な理由もなく、または、いいかげんに事を行うさまを表す語。みだりに。むやみに。やたらに。)の「むさ」が語源で無茶は当て字というのもあります。
滅茶苦茶と言うこともありますね。

では最後に、
5.お茶を「
上がり」というわけ。
これも遊郭の廓言葉です。お茶は遊郭の店に客が上がったところに出すので「上がり花」と言いました。と言うのは、お茶はお茶をひくにつながるのでこれを嫌ったからです。その「上がり花」を略したのが「上がり」の語源だと言われています。


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