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真珠
□■真珠

今日は真珠のお話。
6月の誕生石ですね。

ところで、真珠って宝石なのでしょうか?
昔から、
五大宝石の中に数えられています。五大宝石は、ダイヤモンド、真珠、ルビー、エメラルド、サファイアの5つです。そして、ダイヤモンドが宝石のキング、真珠がクイーンと言われてきました。
真珠の品質は、色、大きさ、照り、巻き、キズ、形、の6つの要素で決まります。

御木本幸吉(1858〜1954)が世界ではじめて真珠貝の養殖に成功して、日本は質量ともに世界一の真珠生産国なのです?。 ?を書いたのは近年、アコヤ貝の大量死の被害が深刻なのです。
愛媛県なんかは最盛期の半分の量になっているそうです。質も落ちていますし。

アコヤガイの大量死は、養殖場での過密養殖やフグ養殖のホルマリン投与の影響が原因とも言われていますが、定説はないようです。赤潮などで近年生産が難しくなっているし、高水温と海流の変化によるプランクトンの減少など悪条件が重なったという指摘もあるみたいです。

この日本の真珠、実はマルコポーロの記述にも載っているのです。
「ジパングは多量の真珠を産する。ばら色をした丸い大型の、とても美しい真珠である。・・・」
日本でも、古事記や日本書紀に記述があります。また、あこや貝又は近縁種は縄文・弥生の遺跡からも発見されています。

オーストラリアの北に
木曜島という島があります。ここは明治から昭和にかけて日本人が白蝶貝(しろちょうがい)を取る出稼ぎに言った場所です。
危険な仕事で、収入も多かったと言います。この島に眠っている日本人は数千人にのぼるといいます。この白蝶貝は綺麗なので高級ボタンの材料になりました。

そして、この白蝶貝に数万分の一という確率で天然真珠が入っていることがあるのです。白蝶貝はアコヤ貝に比べ大きい貝ですから、入っている真珠も大きいのです。一攫千金の夢だったのです。
今では、白蝶貝による真珠の養殖も始まっているようです。
司馬遼太郎の作品に「木曜島の夜会」と言う作品があります。明治初期から白蝶貝採集に従事する日本人ダイバーたちの哀歓を描いた作品です。

ところで、
真珠の重さの単位は何だか知っていますか?
「もんめ」(
=1匁は3.75g)です(法律的にも)。それも、世界的に! 
統計上もその千倍の
(かん=3.75キロ)が使われています。

話はかわりますが、真珠を語源にする単語のお話。
まずは「
マーガリン」、これはギリシャ語のマーガライト(真珠)からきています。
ナポレオン三世はプロシャとの戦争で物資が不足していたとき、バターの代用食品を懸賞金つきで募集しました。このとき出来たのがマーガリンで発明者のムーリエが命名したと言われています。
もう一つ「
onion(たまねぎ)」、これはラテン語のunio(真珠)から来ていると言う説があります。

最後に歴史的な逸話を一つ。
クレオパトラの船の正餐に招待されたアントニー一行、あまりの豪華さに魂を奪われました。
将校の一人が酔った勢いで「いくら女王陛下でも、一千万セステルティウスもかけてはいらっしゃらないでしょう?」と言った時、女王は黙って微笑み、酢を入れたグラスを持ってこさせます。そして、していた真珠のイヤリングをグラスに入れ、真珠が溶けたところでぐっと飲み干しました。
この真珠、プトレマイオス家に伝わる世界一の真珠と言われる物。現在の価格で1億円とか。

世界で最も高価な飲み物ですね。
実は、真珠はカルシウムの塊、しかもコンキリオンという美容に良い成分含まれています。今でも中国では真珠の粉末を美容に良いとして売っています。お土産に買った人もいるのでは?

もう片方のイヤリングはパルテノンのビーナスの耳を飾るために2つに割られたと、ローマ時代の博物学者プリニウスは書いています。

バロック(2001.05.31)
バロックとは、ポルトガル語のBARROCO(ゆがんだ真珠という意味)が語源だそうです。
17世紀から18世紀にかけて、ルネッサンス後のヨーロッパに流行した様式ですね。
壮大な構想と細部にわたる過剰な装飾技巧が特色です。
古典美と対立する、その不調和・過剰さを軽蔑するニュアンスで使われたようです。

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