和紙

アメリカ大陸
蛇足
□■アメリカ大陸

今日はアメリカ大陸の話。

アメリカ大陸は、
コロンブス(Christopher Columbus:1451?−1506:伊)が発見したということは、子供でも知っていますね。
だとすると、何故コロンビア大陸ではないのでしょう?

コロンブスは死ぬまで新大陸を発見したとは思っていなかったのです。東洋に着いたとばかり思っていたのです。
結局、最初に未知の大陸であると主張した
アメリゴ・ベスプッチ(Amerigo Vespucci:1452?−1512:伊)に栄誉をさらわれたのです。
ちなみに、大陸名は女性名ということで、アメリゴの女性名アメリカになったのです。
コロンブスの名は、コロンビアの国名や、合衆国のワシントンの有るコロンビア特別区に名を留めていますね。

コロンブスが航海に利用したトスカネリの地図は、
プトレマイオス(2世紀頃)の地図の影響を大きく受けていました。

このプトレマイオスは、ギリシャ時代に正しく地球の大きさを計算した
エラトステネスより、3割ほど小さいポセイドニオスの数値を採用しています。
さらに、緯度を測るのは星の位置からある程度簡単なのですが、経度となると大変です。正確な経度は
クロノメーターと言う時計が出来るまで(1761年)計測できなかったのです。ですからアジアの位置は東回りでは実際よりずっと遠く考えられていました。

ということで、コロンブスはヨーロッパから西回りで、東洋までを約5,680kmと想定しました。が、実際は約18,800kmありました。(注1)
もし、途中にアメリカ大陸が存在していなかったら、彼らは食料と水の不足のため、遭難していたはずなのです。小さく見積もったから航海に踏み出せたとも言えますが・・・。
事実、後に世界一周をした
マゼランは太平洋を渡るのに3ヶ月以上を要しているのです。
二つの間違い(地球を小さく見積もった、アメリカ大陸が存在しない)が彼をアメリカ大陸の発見者にしたのは神のイタズラでしょうか?

でも、ほんとうのアメリカ大陸の発見者は?
それは当然、アメリカ原住民です。
1万2千年前ごろに大規模な移住が、4派にわたって、ベーリング海峡をつなぐ陸橋(ベーリンジア)を通って行われたと言われています。
4万5千年ぐらい前の遺跡もあり、小規模な移住はそれ以前に何度か繰り返されていたとする説もありますが定説にはなっていないようです。

インディアンとインディオの違いは?
アメリカ原住民の呼称は、北極圏近くの人がイヌイット(エスキモー)、北アメリカの人々は、英語でアメリカ・インディアン、ラテン・アメリカの人々はスペイン語でインディオと呼ばれてきました。

ただ、この言葉、差別用語だと言うことで現地では使わない方が無難だそうです。
最近、米国でもネイティブ・アメリカンと言うのが普通ですね。
人種的には北アメリカ人(北アメリンド)と南アメリカ人(南アメリンド)は区別されます。
確かに、インディアンとインディオ、顔立ちが違いますね。インディオの方が日本人に似ている。
15世紀末頃は推定9000万人以上の人々が住んでいたといわれます。

アメリカ大陸は多くの
作物を世界にもたらしました。
じゃが芋、たばこ、トマト、とうもろこし、ピーナッツ、パイナップル、パパイア、グワバ、アボガド、カカオ、ブルーベリー、カシューナッツ、唐辛子、ピーマン、など。これらが無ければ私達の今の生活は考えられませんね。

ところで、
ヴァイキング(ノルマン)も北米に行っています。西暦の1000年頃の話です。
ノヴァ・スコシアからニューイングランド地方をヴィンランド(葡萄の土地)と名付けています。

まだあります。
フェニキア文字がブラジルで発見されたとか。(注3)
もし本当なら紀元前にアメリカ大陸はヨーロッパ人に発見されていたことになります。

さらに1485年以前に
アロンソ・サンチェスが新大陸を発見していると言うのです。彼は難破し、ただ一人生き残ります。
そして一説によると、彼の話を聞いていたから、コロンブスは執拗に航海に出ようとしていたのだとか・・・。(注2)

ところで、私達、日本人と言うより
縄文人も5千年ほど前に南米に渡っていたと言う学説があります。
エクアドルやバヌアツ共和国等で発見された土器(約5500年前)が縄文土器に類似しているのです。
以前は初期のものが発見されていなかったので、日本の縄文土器の技術が伝わったとされていました。
最近は、初期の土器も見つかっているようで、この説には疑問も出されています。

しかし、まだ証拠があるのです。
日本人特有と言っていい
ATLウィルスがアンデスのインディオ(アイマラ族)から発見されているのです。
このウィルスは母乳感染しかせず、しかも遺伝子分析の結果、両者はごく近縁だとか。
しかも1500年以上以前に分かれたものだと、証明されています。
と言う事で、日本人の移民の後と言うわけでは有りません。1000年以上も前のミイラからも発見されていますし。

また、インカ以前のシカン時代の墓から発見されたミイラの内の何体かの
ミトコンドリア遺伝子の分析の結果、アメリカ固有の遺伝子とは異なる遺伝子をもったものが見つかっています。
なんと、その遺伝子は現存人類の中では縄文人の末裔と言われるアイヌの人々に一番近いそうです。

(注1)現存する最古の地球儀、1492年のマルティン・べハイムの地球儀にはジパングが現在のメキシコに近いところに位置しています。
(注2)カール・セーガンの書いたコスモスでは、故意にコロンブスが地球の大きさ及び東洋の位置の都合のいいものを選択したとしてあります。他人の説得には必要だったでしょうが、もし、アメリカ大陸がなかったら彼自信も遭難してしまいます。
やはり、彼はアロンソ・サンチェスの話を聞いていて、それに合う地図を選択したのかも知れません。(2001.03.13)
(注3) 2001.06.07
・B.C.6世紀初頭、エジプトのファラオ、ネコス王の依頼でフェニキア人がアフリカ一周の航海をしたと、ヘロドトスが自分には信じがたいがとしながらも記述してますが、近年どうも本当らしいと言われているそうです。
バスコダガマに先立つこと二千数百年です。
・B.C.425年 フェニキア人の末裔カルタゴのハノンがモロッコ沿岸からカメルーンまで航海しています。
・その他アイルランド、イングランドにも彼らの痕跡が残っています。

このように、大西洋に出ていたフェニキア、カルタゴの人々が貿易風に乗ってアメリカ大陸に渡っていた可能性は十分あるといえます。
  

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