和紙

ウナギ
蛇足
□■ウナギ

もうすぐ
土用の丑の日ですね。夏ばてしている人はウナギでも食べて元気になって下さい。

ウナギは謎に満ちた生き物です。産卵場所がわかったのもつい最近です。
日本から南へ2000キロ離れたマリアナ諸島付近がその場所です。
そこで生まれたウナギの幼生(
レプトケファルス)が海流に乗り、約6ヶ月をかけて、日本、中国、台湾の沿岸までやって来るのです。
しかし、今でも産卵の正確な場所や移動する深さなどはわかっていません。

では、
養殖ウナギは、どうなっているのでしょう?
実は、マリアナ諸島から流されてきた稚魚を捕獲し、育てて出荷する方法をとっているのです。
一方、捕獲されなかった稚魚は、川や湖で約10年すごし、産卵の為、また太平洋の故郷まで旅をするのです。

土用の丑の日にウナギはつき物ですね、ところで土用って何でしょう?
土用とは、立春、立夏、立秋、立冬(暦の上での季節の変わり目)の前、約18日間のことをいいます。
その期間中の丑の日が土用の丑。現在では立秋の前を特に言いますね。今年は7月30日です。

この「土用の丑にウナギ」が広まったのは、江戸時代。(注)
平賀源内がウナギ屋に頼まれて書いた、キャッチコピーが始まりと言われています。
しかし、本当は土用の頃のウナギはおいしくないんです。でも、これは天然物のお話。
今は99%養殖物ですから、おいしく食べられますよ!

日本は世界の
消費量の約半分約5億尾(12万7千トン)のウナギを1年間で消費量しています。
日本では蒲焼がほとんどですが、外国では中国(炒め物)、ベトナム(鍋)、イギリス(パイ)、ドイツ(燻製)、スペイン(稚魚のガーリック炒め)などの料理で食べられています。

日本で食べられているウナギの99%は、国内や海外で育てられた養殖物のウナギで、天然ものは、1%足らずです。
しかも、最近は日本近海での稚魚が採れなくなっており、ヨーロッパ産の稚魚を養殖したものも増えています。
卵からの養殖も実験されていますが、まだ実用化にはいくつも壁があるようです。

ウナギを食べる習慣はもともと関西のもので、関東に来て蒸す工程が加わったといわれています。
関東と関西での一番の違いは開き方ですね。
江戸では、ウナギを腹から割くことは武士の切腹と同じになるため、背中側から割き、頭・尾をとり、白焼き→蒸す→タレをつけて焼くの手順です。
一方、
京・大阪は、ウナギのお腹側から割いていき、頭・尾をつけたまま白焼き→タレをつけて焼く(蒸さない)の手順です。

ウナギの
栄養は?
ビタミン(A、B1、B2、D、E)、EPA、DHA、良質なコラーゲン、そしてミネラルも豊富ですから、大いに食べましょう。

ここで、
ウナギに関する誤解を解いておきましょう。
1.
カロリーが高い
うな丼のカロリーは647kcalです。他のどんぶり物、ねぎとろ丼(715kcal)、中華丼(738kcal)、天丼(752kcal)、カツ丼(900kcal)と比べても少ないんです。

2.
脂っぽい
 ウナギに含まれる脂肪の量は、100g中24gと多いんですが、実は、この脂肪分は不飽和脂肪酸で、悪玉コレステロールを抑制する働きがあります。

3.
胃がもたれる
うな丼につきものの山椒。この山椒にウナギの消化を助ける作用があります。胃がもたれやすい人は山椒を必ずかけましょう。昔の人の知恵はすごいですね。

■雑学アラカルト
〇"
江戸前"寿司なんていいますが、江戸時代は"江戸前"と言えばウナギのことをさしたんです。

蒲焼ってどうして言うのでしょう。諸説ありますが3.が有力ですね。
 1.色が樺の皮に似ている 樺焼き
 2.香ばしい香が早く伝わる 香疾焼き(こうばしやき)
 3.形が蒲(がま)に似ている 蒲焼き
    これは最初、筒切りにして竹串に刺し荒塩で食べたことによります。

ウナギとアナゴ、どこが違うのでしょう?
 分類学上ウナギは「ウナギ目ウナギ科」アナゴは「ウナギ目アナゴ科」と呼ばれ、魚の中では兄弟のようなもの。
しかし「ヤツメウナギ」「デンキウナギ」は、外見が似ていることから、同じ「ウナギ」という名前が付いていますが、生物学的には全く違った種です。
ウナギの仲間にはアナゴの他、ハモ、ウツボ、ウミヘビ等がいます。

ウナギパイにウナギは入っているの?
ウナギパイの中身は、主にビタミンAをたっぷり含ませたバター、小麦粉、グラニュー糖で、隠し味に、にんにく、ウナギの粉(ウナギの頭や骨を煮込んだスープを粉末にしたもの)が使われています。このウナギの粉やにんにくが、精力をつけ、元気をだします。

鰻のぼりってなぜ言うの?
二つ説があります。一つはウナギを手でつかもうとすると、どんどんのぼってしまうと言う説。
もう一つはウナギは水中で垂直にのぼっていくことに由来すると言う説です。

(注)
2001.6.28
土用の丑の日にウナギを食べる習慣については、平安期の文献にも出てくるそうです。
当時はウナギに限らず黒牛、なまず、ナス、ごぼうなど、色の黒い物を食べると良いとされていたとか。

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