和紙

蛇(へび)
蛇足
□■蛇(へび)

来年は巳年(みどし)ですね。
私は蛇があまり好きでは無いんですが…、「蛇」のお話です。^^;
ヘビは
爬虫類有鱗目ヘビ亜目で世界に 2700 種いるそうです。

蛇は、古事記などでは"
へみ(小)"と出てきます。
"みどし"の"み"は"へみ"の略です。
漢字の
巳(シ)は蛇の曲がりくねった形の象形文字です。

蛇が地球上に出現したのは
白亜紀(約1億3000万年前)です。あの恐竜のいた時代ですね。
恐竜を絶滅させたと言う隕石衝突にもびくともしてませんね。^^;
爬虫類の中では最も新しく出現したものです。トカゲは三畳紀(約2億4000万年前)でもっと古いんです。

ところで、
蛇とトカゲ、どう違うんでしょう。
足の有り無し? いいえ、アシナシトカゲ、ミミズトカゲなど足の無いトカゲもいます。

トカゲは体の外側に外耳があり、空気中を伝わる音を聞くことができます。
ヘビは
耳が無く、地面を伝わる音しか聞こえません。ですから、コブラを踊らせる
芸では音は聞こえず笛の動きに反応しているだけなのです。"夜中に口笛を吹くとヘビが来る"と言うのは迷信です。

他に、トカゲは上下二枚のまぶたがありますが、ヘビは
まぶたが無く目は開きっぱなしです。
脱皮の仕方や骨格などにも違いがあるそうです。

ついでに、
蛇の尻尾はどこから?
お腹をよく見ると、総排泄口、つまり肛門がありますね。肛門から前が胴、後ろが尻尾です。

では、有名な蛇のお話。
まずは、古事記や日本書紀に出てくる、
八俣の大蛇(やまたのおろち:八岐大蛇とも)。
ヤマタノオロチは"踏鞴製鉄(たたらせいてつ:Vol.15「鉄」を参照)"のことだという説があります。
出雲の国は製鉄が盛んでした。
ホオズキのような目は山に点在する踏鞴製鉄所、胴体は山、尻尾は砂鉄のある川、
を指すというのです。確かに、尻尾から草薙剣(くさなぎのつるぎ)と言う剣が出てくるのもわかりますね。

クレオパトラが自殺に使った毒蛇はアスプと言う蛇です。このアスプはエジプトコブラの事だろうと言われています。

毒蛇には毒の種類によって大きく2種類に分けられます。
一つは神経毒をもつものでコブラなどです。 即効性があり、麻酔にかかったような状態で死ぬといわれます。
もう一つが出血毒をもつものでハブ、ガラガラヘビなどです。かまれると激痛が走り、肉も腐り、長時間苦しむそうです。
クレオパトラは苦しまずに死んだのですね。

毒蛇は蛇の中でも進化した蛇だと言われます。
クサリヘビ科コブラ科がヘビとしては最も新しく約 2000 万年前に出現します。
クサリヘビ科マムシ亜科の(ハブ、マムシ、ガラガラヘビ)ヘビはすべて毒蛇で、目の前部にピットと呼ばれる特殊な器官を持っています。
ピットは赤外線を敏感にキャッチするセンサーの役目をしていて、精度は0.2度の温度差も感知するといいます。
左右一対のピットにより立体的に感知できるそうです。

では、蛇に関する言葉です。
蛇足
中国の「戦国策」と言う書物に出てくる話です。
楚の国でのことです。ある人が家来達に酒を差し入れました。しかし量が少なく全員に行き渡らないので、この酒を賭けて蛇の絵を早く描きあげた者が独りじめする賭けをしました。
一番に描き上げた人が、「君達が描き上げる前に足まで描けるぞ」と足を描いてしまい。結局、賭けに負けたというお話です。

蛇(じゃ)の道は蛇(へび)
この言葉は、"じゃ"と"へび"がわからないと、意味不明ですね。
江戸時代の国学者、本居宣長は蛇を次の様に分類をしています。

"久知奈波(くちなは)":小さく普通の大きさの蛇 読み方は"くちなわ"です。
"幣毘(へび)" :やや大きい蛇
"宇波婆美(うわばみ)":もっと大きい蛇
"蛇(じゃ)" :極めて大きい蛇

つまり、"大きな蛇の通る道は普通の大きさの蛇が知っている"と言う事なのです。

竜頭蛇尾
初めは盛んで、終わりの振わないことのたとえに使いますね。
ところが、本家の中国では"
虎頭蛇尾"です。日本の方が誇張していますね。
蛇足ですが、日本の方が大袈裟なのに、
一日千秋があります。中国では一日三秋です。

ヘビ信仰
世界中にヘビ信仰は残っています。エジプトなどが有名ですね。日本にも昔からヘビ信仰があるといわれます。
注連縄(しめなわ)はヘビの交尾する姿だと、また、鏡餅はヘビの目をかたどっているとも言われます。
鏡の「かが」はもともと、ヘビの古語「ハハ」が転訛したと言われ、
案山子(かかし)はヘビに由来する田の神様だそうです。


目次へ


和紙