和紙

金(きん)
蛇足
□■(きん)

今日は
金(きん)のお話です。

突然ですが、金の元素記号の「
Au」って不思議に思ったことありません?
ラテン語のaurum(金)にちなんだものです。
これと、同じ語源を持つものに
Aurora(ギリシャ神話の暁の神、オーロラ)があります。
南極や北極で見られるオーロラはこの女神にちなんでいます。

さて、人間は昔から「金(きん)」には、魅せられていたようです。
紀元前3000年頃の
メソポタミアの金の兜(かぶと)が出土していますし、旧約聖書の創世記の「エデンの園」の話の中に出てきます。金は他のものと化合したりしないので意外と取り出しやすかったのです。

そういえば、あの
マルコポーロが東方見聞録の中には、「ジパングには黄金が無尽蔵にあり、宮殿の屋根はすべて黄金でふかれている。」と書かれていました。
そのジパングを人々が目指し、新大陸の発見となります。
そこで、インカの黄金を見たスペイン人達の中の
エルドラド(黄金郷)伝説に繋がっていきました。

さて、黄金の国、日本。最近話題なのが、鹿児島の
菱刈金山です。
岩石1トンあたりの金の含有量が46g/tで世界一です。普通の金山が約5g/t〜10g/tですから、そのすごさがわかりますね。
さて、金山といえば
佐渡を思い出しますが、佐渡で産出された金の合計は83tでした。
この菱刈金山は平成9年に累積産出量83.1tで佐渡を抜き、日本一になりました。推定埋蔵量は260tと言われています。

でも、トンで言うとイメージが湧きませんね。で、イメージが湧くように・・・。
人類の
金の発掘の歴史。6,000年間に掘った金の総量が、11万8,800トン。
重さにするとすごいですが、体積で見ると、東京・代々木にあるオリンピック・プールの約2.5杯分でしかないのです
しかも、世界の推定埋蔵量は残り6万トンと言われており、年間の産出量はおよそ2,200トンから3,000トン程度と見積もられていますから、あと20年ほどで金は掘り尽くされてしまう計算になります。

世界の金の
産出量の多いのは、1998年で、南アフリカ(474t)、アメリカ合衆国(364t)、オーストラリア(313t)などです。
各国の金の保有量(1998年)は、米国(8,138t)、独(3,469t)、IMF(3,217t)、仏(3,025t)、スイス(2,590t)、伊(2,452t)、・・・、日本(754t)です。

金は、
伸ばし易いと言う特徴があります。
純金はそれ自体ではあまり伸びないのですが、純金に数PPMの不純物を加えると、純度を変えずに伸びるようになります。
1gの金で3,000mもの金糸が出来ます。
半導体の配線に使われる、太さ20μ(ミクロン)のボンディングワイアは1gの金を100mにまで伸ばしたものです。
金の電気伝導度は銀、銅には劣りますが、その次にいい金属なので、半導体の配線や、プラグのメッキに使われます。

金箔は1/10,000ミリの厚さまで叩いて延ばします。
小指の爪くらいの大きさの金、約4gで、畳一畳分の純金箔が出来るそうです。

純金は柔らかいのですが、金箔の時と同じように、わずかに不純物を混ぜると硬くなり細やかな加工が可能になります。これは
硬化純金といわれ、現在は装飾品の加工に使われています。

では、例によって雑学。
ホワイトゴールドってプラチナとどう違うの?
プラチナはプラチナと言う金属ですが、ホワイトゴールド18K(Kはカラット)は金75%〜80%に銀とパラジウムを混ぜて作られます。 他の金属を混ぜるので24kは存在しません。
普通の金(イエローゴールド)の18Kは普通、金75%〜80%に銅と銀を混ぜて作られています。
金には他にも混ぜる金属によって、レッドゴールド、グリーンゴールド、ブルーゴールド、パープルゴールド、なんて言うのも有るんですよ。

メッキって何語?
「滅金」と書くれっきとした日本語です。昔、大仏などに金を被せる時、金と水銀を混ぜてペースト状にしたアマルガムの状態で胴体に塗りつけ、それを加熱して水銀を蒸発させていました。
この工程を見ていると、いったん金が姿を消すように見えるので、「滅する金」→「滅金」となったのです。
なお、「鍍金」とも書きますが、この鍍は塗りつけるの意味です。

■「
あぶらとり紙」と金の関係?
金箔の製造工程で、地金を叩いて延ばす際に「箔打ち(はくうち)紙」と呼ばれる特殊加工された和紙を使用します。
この「箔うち紙」の良否によって箔の延びもつやも違ってくるほど重要なものです。
この金箔を打った後の「箔打ち紙」はしなやかで丈夫な上にあぶらを良く吸収するため最高のあぶらとり紙として京都の舞妓さんに古くから愛用されてきました。

金を溶かす意外な物質は?
昔から、金は王水(塩酸:硝酸=3:1)とシアン化合物にしか溶けないと言われてきました。
ところが最近、意外な物質に溶けることがわかりました。
それは、
ヨードチンキです。ただし、金の重さの500倍必要だそうです。
そして、溶けた溶液から金を取り出すには、アスコルビン酸(ビタミンC)を混ぜれば言いというのです。
現在、プリント基盤などから金のリサイクルが行われていますが、王水だと塩素ガスの発生など、問題が多いのですが、ヨードチンキだとその心配がないそうです。

すご〜い、理科の実験室で金が取り出せそうですね。


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