和紙

言葉の誤用
蛇足
□■言葉の誤用

私達が使っている言葉、意外と間違っていることが多いんです。
特に、最近のテレビのレポーターはひどいですね。(^^ゞ
あまり、こだわってもしょうがないのですが、知っていた方が恥をかかなくて済みますね。

ここで、問題です。次の文章、どこが間違っていますか? 
「先取点を取られた巨人軍、さいさきの悪いスタートでしたが、体調をこわして戦線を離脱していた清原が汚名挽回とばかり打った、あわやホームランかという三塁打で逆転し、勝利を得る公算が強くなってきました。」

厳密に言うと五ヶ所間違っています。^^;

さいさきの悪いスタート:"さいさき"は漢字で書くと"幸先"。"幸先悪い"は言葉になっていませんね。
体調をこわす:体調とは、体の調子。調子は"はずれたり"、"くずれたり"はしますが"こわれ"はしません。くずすが正しい表現です。
汚名挽回:汚名返上と名誉挽回を混同しています。汚名を挽回してどうするのでしょう? ^^;
あわや・・・:"あわや"は、本来、好ましくない事が起きそうな時に使う言葉です。「あわや火事になるところだった」みたいに。
公算が強い:公算は確率を表す言葉です。ですから、強いではなく"高い"、"大きい"が正しくなります。

■言葉の区切りを間違えていませんか?
・「
五里霧中(ごりむちゅう)」:「ごり-むちゅう」って読んでいません?
正しくは「ごりむ-ちゅう」です。
「後漢書‐張楷伝」の故事が出典です。この張楷は学問ができ仙術にも通じていました。そして得意としたのが五里霧を起こすことでした。

・「
間髪を入れず」:これは「かん-はつをいれず」が正しいのです。字面と意味を考えれば、わかりますね。

・「
綺羅星(きらほし)の如く」:これも「きら-ほしのごとく」が正しい。
最もこの言葉から綺羅星という言葉が出来てきましたから、現在は間違いとはいえないのかもしれません。

■次の言葉はもともと、誤用されていたのが定着してしまったもの、定着しつつあるものです。
これらの言葉を見ると、目くじらを立ててもしょうがないと思えますね。(^^ゞ

独擅場:"どくせんじょう":「擅」を「壇」に誤り、独壇場(どくだんじょう)という言葉ができました。

洗滌:"せんでき"→"せんじょう"。しかも、"でき"の字が常用漢字に無いので、現在は洗浄の字を使っています。
このような例では、
撒水(さっすい→さんすい→散水
 
憧憬:"しょうけい"が元の読みです。"童"に引っ張られて"憧"を"どう"と読んでしまったのです。(辞書によっては"どう"を呉音としているのもありますが、呉音は"と(た)う"?)

(2001.03.01追加)
 
装幀:"そうとう"→"そうてい"→装丁
 索麺:"さくめん"→"そうめん"→素麺
 椀飯振舞:"わんはんぶるまい"→"おうばんぶるまい"→大盤振舞

★誤用の方が定着したか優勢なもの。
攪拌 こうはん→かくはん 堪能 かんのう→たんのう
端緒 たんしょ→たんちょ 蛇足 じゃそく→だそく
設立 せつりゅう→せつりつ 睡眠 すいめん→すいみん
出納 しゅつのう→すいとう 情緒 じょうしょ→じょうちょ
宿命 しゅくみょう→しゅくめい 消耗 しょうこう→しょうもう
漏洩 ろうせつ→ろうえい 稟議 ひんぎ→りんぎ
捏造 でつぞう→ねつぞう 捧腹絶倒 →抱腹絶倒.
貪欲 たんよく→どんよく 呂律 りょりつ→ろれつ

★変化の途中にあるもの。

御用達 ごようたし→ごようたつ 固執 こしゅう→こしつ
早急 さっきゅう→そうきゅう 重複 ちょうふく→じゅうふく
荒らげる あららげる→あらげる 相殺 そうさい→そうさつ
追従 ついしょう→ついじゅう 茶道 ちゃどう→さどう
一所懸命 →一生懸命 悪名 あくみょう→あくめい
残滓 ざんし→ざんさい 貼付 ちょうふ→てんぷ
口腔 こうこう→こうくう 直截 ちょくせつ→ちょくさい
逐電 ちくてん→ちくでん 白夜 はくや→びゃくや
世論 よろん→せろん 出生率 しゅっしょうりつ→しゅっせいりつ
丁字路 ていじろ→T字路(てぃーじろ) 手を拱く てをこまぬく→てをこまねく
難しい むつかしい→むずかしい 味気ない あじきない→あじけない
女人禁制 にょにんきんぜい→にょにんきんせい

■二つの言葉を混同することも多いですね。

間違い 正しい表現
喧喧諤諤(けんけんがくがく) 喧喧囂囂(けんけんごうごう)+侃侃諤諤(かんかんがくがく)
愛想をふりまく 愛想がいい+愛敬をふりまく
押しも押されぬ 押しも押されもせぬ+押すに押されぬ
苦渋を味わう 苦汁をなめる+苦渋に満ちた
熱にうなされる 熱に浮かされる+夢にうなされる
論戦を張る 論戦を挑む+論陣を張る

■ついでに
×デッドロックに乗り上げる:このロックはlockでrockではありません。
  つまり暗礁の意味ではなくて、正しくは暗礁に乗り上げる。
×白黒つける:こくびゃくをつける。 "しろくろをつける"は間違い。
×伏せ目がち:伏し目がち
×フリーの客:振(ふり)の客     振は日本語です!

どうです、正しい日本語使えていますか? 日本語って難しいですね。(^_-)

■では、もう一つ問題を。間違いは?
さすが秀才の彼女、彼の口先三寸の言葉に惑わされずに的を得た意見を述べ、自論を通し、仕事に目星をつけることができました。

×秀才は男性、
女性は才媛
×口先三寸→
舌先三寸
×的を得た意見→
当を得た意見
×自論→
持論
×目星がつく→
目鼻がつく

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