和紙

水 その2
蛇足
□■水 その2

水の惑星
地球といわれますが、その水の97.5%は海水です。
残りが淡水ですが2.5%は氷河など固体の状態です。
結局、私たちが使える水は0.01%にすぎません。(Vol.31では0.0001%は%と比率を間違えました。m(__)m)

■21 世紀は「
水の世紀」と言われます。地球温暖化など様々な危機が考えられますが、水の危機もまた深刻なものです。

昨年発表された「
世界水ビジョン」では2025年には世界人口が80億人に達し世界人口の半数が水不足に悩むとしています。
また、穀物についても2億トンが不足するとしています。(現在の世界の消費量の一割に相当します)

水の危機
★中央アジアにある
アラル海は最近まで世界で4番目に大きな湖(琵琶湖の100倍)でした。

時のモスクワ政府は、不毛地帯だったアラル海周辺を綿花地帯に転換しようとしました。
アラル海に注いでいたアムダリア川とシルダリア川という二つの大きな川の水を耕地の潅漑用水として使おうというものでした。

結果は、1960年以来、水面が15メートルも低下し、面積が世界地図の上ではっきりわかるほど小さく(40パーセント小さく)なり、水量でいえば60パーセント以上も減少したことになります。
漁業の消滅、周辺地域への塩害、見るも無残な姿です。

★同じような灌漑による影響は、中国の
黄河でも起きています。
黄河の断流、つまり下流地域へ水が流れなくなることです。
15年前から発生しだし、最もひどかった4年前には河口から1000km上流まで干上がったと言います。
下流地域での塩害も発生しているようです。

★砂漠化も深刻です。アフリカの
チャド湖も消えようとしています。
1960年代後半には四国より一回り大きかったのですが、1980年代後半には10分の1に縮小してしまいました。これも世界地図で確認できます。

★一方、地下水の減少が問題になっている地域もあります。
アメリカ中西部の地下には古代からの膨大な水がたまった
オラガガ帯水層というのがあります。
この地域では、この水をくみ上げセンターピボットと言う半径1kmにも及ぶ灌漑施設で作物を作っています。
しかし、この水は過去の遺産です。使用すれば一方的に減ります。
水が出なくなって放棄されるものも増えているようです。
サウジアラビアでもセンターピボットの放棄が増加しているようです。

★日本は大丈夫、なんて思っていません?
ちっとも大丈夫でないんです。あの日本最後の清流といわれた
四万十川があぶないのです。
戦後、植林された流域の7割にも及ぶ杉・桧の森が手入れをされず、山の保水能力が激減しているのです。水生昆虫や鮎の減少が報告されています。
高知県では水源税を取り森林保護に乗り出そうとしています。
また、日本のあちこちで沿岸漁業に深刻な問題を起こしている「
磯焼け」も森の荒廃が一因です。

■世界の水不足は
日本とも密接に関係しています。
何しろ日本は食糧需給率40%と言う異常な国家です。
外国が水不足で食料生産が落ちると、直ちに影響を受けます。対岸の火事ではありません。
日本は食料を通じて外国の水に依存しているのです。
小麦1kgを生産するのに水は1トン必要です。ステーキ1kgに至っては水7トンが必要なのです。
人間の使用する水の7割は農業に使われていると言います。

水の国際紛争
そして、今問題になりつつあるのが、国際紛争です。
日本にも昔から水争いというのがありましたが、あれの国際版です。
スーダンとエジプト、イスラエルとシリア、インドとバングラディシュ、イランとイラク、そしてトルコとシリア。
複数の国を通る
国際河川は紛争の元です。
20世紀の石油に代わる
国際的戦略物資と位置付けている国もあるんです。

■最後に世界地図を開いてください。
地球上には、帯状に
砂漠地帯があります。日本の位置はその中に含まれます。
本来なら砂漠になっておかしくない地域なのです。
ヒマラヤ山脈やチベット高原が偏西風を分断し、日本のはるか東の海上で再び合流します。
この特殊な条件で日本は砂漠にならなくて助かっているともいいます。

水にある意味で恵まれている日本。(一人当たりの水の量に換算すると決して国際的には多いほうではありません。むしろ少ないと言っていいのです。)
昔から水に対する多くの知恵を継承してきました。
点滴農法蒸留式海水淡水化装置逆浸透膜海水淡水化装置など新しい技術とともに21世紀はその知恵を世界に発信する時なのかもしれません。


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