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フラーレン
蛇足
□■フラーレン

今日は最近話題の科学ネタです。科学が苦手な人も頑張って読んでね。^^;
今後、話題に上ることが多くなると思いますよ。

フラーレンとは
1985年に発見された炭素が60個から出来ているサッカーボールのような分子です。
サッカーボールは六角形20個、五角形12個から出来ています。どのようにしたらこのような図が出来るかの説明は、文章では難しいので、ホームページの蛇足に図入りで説明しています。興味のある人は見てください。)

フラーレンの名前は発見者とは関係なく、五角形と六角形から成るドーム建築の考案者である
リチャード・バックミンスター・フラーの名前からつけられました。
正式には、バックミンスター・フラーレンですが、通常は単にフラーレンとかバッキーボール、C60と呼ばれることが多いようです。

このフラーレンの存在を予言していた人がいます。豊橋技術科学大の大澤映二教授です。1970年に理論計算上C60が安定に存在できるとしていたのです。

特性など
サッカーボールと言っても、直径は0.71 nm(ナノメーター:10億分の1メートル)しかありません。
C60 の固体の薄膜が−255℃以下の温度で超伝導体になることが発見されています。
また、さらに多くの炭素原子からなる C70,C76,C78,C82,C84,C116,C180,・・・など次々に発見されていますし、
入れ子状態(注)の物もあります。
応用についてはこれからの研究になりますが、太陽電池、赤外線検出素子、超電導材料、電磁波遮蔽材、水素吸蔵材料など、いろいろあるようです。

隕石衝突とフラーレン
フラーレンは宇宙の観測によっても発見されています。
また、フラーレンの中に閉じ込められた空気を分析すると、その中のヘリウムやアルゴンの同位体の分析が出来ます。地球での同位体の比率と、隕石等、宇宙からきた同位体の比率には差があるんです。
最近の報道によると、フラーレン内の空気を分析した結果、2億5000万年前の大量絶滅は隕石の衝突の可能性が出てきたと言います。

カーボンナノチューブ
もう一つ同じような炭素の分子で話題になっている物があります。カーボンナノチューブです。(図はHPの蛇足を見てください)
こちらは、1991年にNECの飯島澄男研究員によって発見されました。
これは
亀甲模様の金網を円筒状に丸めたような形です。
円筒の直径は1〜数十nmほどで、長さは数十μmに達するものもありますし、またこのような円筒が入れ子式で同心円状に配置されているものもあります。
ねじれの状況によって、金属の性質を示したり、半導体の性質を示したりもします。

特性
こちらの方が応用も幅広く研究されています。
1.現在の半導体の代わりに コンピューターの大きさを1/1000にする可能性があります。また、平面ディスプレイへの応用も研究されています。
2.水素をそのチューブの中に吸蔵します。自動車の燃料電池への応用が期待されます。
3.鋼鉄に比べ重さが約1/6、強度が約10倍もあります。宇宙服や宇宙船への利用が考えられています。
4.走査型トンネル顕微鏡の分解能が10倍以上向上し、たんぱく質分子などの鮮明な画像が得られます。すでに市販されています。
5.プラスチックに混ぜると、塗装中部品が帯電し、塗装がつき易くなります。ゼネラル・モータースが実用化しています。

まだまだ、いろんな分野での応用が研究されています。

(注)
入れ子状態
ロシヤの民芸品の
マトリョーシカの様に、中にまた同じような物が入っている状態をいいます。
C560の中にC240、またその中にC60が入っているものなどが見つかっています。

蛇足ですが、マトリョーシカの起源は日本の
箱根細工だと言われています。
天保15年(1844)頃、挽物細工「
十二たまご」と言う、玉子を割ると中から一廻り小さい玉子が出てくる「入れ子」構造で、合計11個が順々に中から出て来るものです。
その後、「十二たまご」からは「
七福神」や「色変わりだるま」などのバリエーションも作られるようになりました。
この「七福神」を19世紀末頃、塔之沢にあったロシア聖教会の箱根避暑館にやってきたロシア人修道士が土産にと本国に持ち帰ったものが「マトリョーシカ」(子持ち人形)のルーツではないかと言われています。

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