和紙

蛇足
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今日は炭のお話です。
木炭は化石燃料と違って、
再生可能な資源です。
日本が有史以来使った木炭は二億トン以上になるそうですが、今だに国土の7割近くが森林に覆われています。

炭の作り方には大きく分けて二つの方法があります。
一つ目は「
伝統的な炭焼法」です。
材料として、広葉樹(ナラ・クヌギ等)、間伐材(杉、桧等)、小枝、竹類などを使うもので、備長炭や茶道用木炭等が有名ですね。
   
もう一つの方法は「
工業的な方法による炭焼き」で材料として、製材工場や木材加工工場の廃材、おがくず、建築廃材の内の木質部分等を使い、土壌改良材、水の浄化材等を作っています。

■では、
炭の種類にはどんなものがあるのでしょう。
原木の種類や焼き方によって、
白炭(ハクタン、しろずみ)と黒炭(コクタン、くろずみ)に分けられます。

白炭は硬くて、火持ちが良く、はねたり立ち消えしません。暖房や料理用に使われます。
一方、黒炭は柔らかく、火付きが良く、古くから金属の精錬や鍛冶に使われてきました。

白炭と黒炭の違いは、かまで焼いた後の処理によります。
消し粉をかけて消化すると白炭、そのままかまを密封したまま自然冷却すると黒炭になるのです。
消し粉とは灰と土を混ぜ水分を含ませたものです。

白炭と弘法大師 
白炭は弘法大師空海(774-845)が技術を中国から持ち帰り仏教の普及と共に全国に広めたと言われています。
日本の炭焼きがまは、熱のまわりが速くて効率的で、品質のばらつきの少ないのが特徴と言われます。
この理由の一つが、かまの奥の排煙口の位置だそうです。
この排煙口を炭焼き師は「
弘法の穴」とか「大師穴」と呼んでいます。

黒炭と千利休
茶道では火付きの良い黒炭が用いられます。
茶道では美味しいお茶をいれるため、湯加減が大事です。
茶道炭は火付きが早く、火持ちがよく、はねたり、立ち消えしないこと。また、しまりがよく、重く、金属音がし、砕けたり壊れたりしにくいこととされています。
この製炭技術に千利休達、茶人が尽力したと言われます。
用いるのはクヌギの若木だそうです。
利休の二度焼き」とは、あらかじめ火のそばにおいて、乾燥させ、ガス抜きをすることを言います。

木炭の利用法
炭は多孔質です。1gあたり、穴の表面積は約300平方メートルにもなるといいます。
この穴が吸着力をもち、また微生物の棲家となるのです。
土壌改良や水質浄化は穴に住み着いた微生物の仕業です。

以下は白炭(備長炭など)の効果です
身近では、ご飯を炊く時に入れたり、ポットに入れカルキ臭を取ったりしていますね。
てんぷら油に入れるとカラッと上がり、油も長持ちするそうです。
お風呂に入れるとお湯がアルカリ性になり、アルカリイオンを含む温泉のようになり、お肌がすべすべになるそうです。(ただ、1kgぐらい必要だそうですが)
アトピー性皮膚炎や水虫、冷え症、腰痛にも効くそうですよ。

また、ベッドパット入れ、消臭、吸湿効果を狙っている商品もあります、床ずれ防止にもなると聞いたことがあります。また枕に入れるとマイナスイオン効果で安眠できるそうです、不眠症の人は試してみたら?

木酢液(もくさくえき)
炭をやく時、煙から取れる酢酸を主成分とした液体です。
殺菌・殺虫効果、脱臭・消臭効果、農作物の病害虫予防・生育促進、家畜の肉質・鶏卵の品質改良などの効果があります。

木灰(きばい)
木炭の灰分はカルシウム、カリウムが主で他に鉄、マンガンなど植物や動物にとって必要なミネラルをバランスよく含んでいます。
畑にまくと、収穫量の増大や、連作障害の防止効果があります。

備長炭の名前の由来
備長炭は紀州特産のウバメガシから作られます。
名前は、元禄年間の紀州田辺藩の炭問屋、備中屋長左衛門(備中屋長右衛門説、備後屋長右衛門説も)に由来します。
硬く、火持ちがよく、硫黄分が少なくにおいがしない、水分が少なく、微妙な温度調節がウチワ一本でできる、など優れた特徴があり、
最近では日向備長炭、土佐備長炭、中国備長炭や南洋備長炭などもありますが、木の種類は各々違うようです。

しかし、南洋備長炭には、問題が。
マングローブで作られる炭で、硬いためこう呼ばれて、輸入されています。
しかし、マングローブと言えば、大切な自然林です。自然保護のためには、使いたくないですね。

ウナギ屋さんや、焼き鳥屋さんで備長炭が重宝されてるのは?
炭火はガスの約4倍の遠赤外線を出します。そのため、表面を焦がさずに中まで火が通るのです。
また、アルカリ性の灰が肉について中和することにより、酸化して味がまずくなるのを防ぐといいます。
また炭は80-90%は純炭素(備長炭では炭素含有量は、実に96%)ですから、ガスなどと違って燃えても水分が発生しません。

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