和紙

蛇足
□■肉

肉の音読みは? 訓読みは?
音読みがニク、訓読みは無いんです。
なお、宍は肉の異体字です。

漢字に
ツキ偏肉ヅキとあります。
ツキ偏の字は明、朗、望、期、朔などわずかです。
一方肉ヅキは体に関する字など多くあります。脳、肌、肘、脚、股、など。
この二つの偏は出来方が違うんですが、形が似ていたため混同されてしまいました。
更に、服や朕の月は舟をかたどったものだそうです。ややこしい!^^;

字も本来は、ツキ偏は横棒が左右とも縦線にひっつき、肉ヅキは左側だけひっつくのが正しいのですが、常用漢字ではこれらを区別していません。

祭、然、炙なども元をたどると肉を含んだ字です。

日本の肉食
仏教の国教化に伴い、天武天皇の三年(675)に
肉食禁止令(牛馬鶏犬猿猴)が出て、それ以降、日本人は肉食をしていないと言われていましたが、そうでもありません。
彦根藩が毎年「ご養生牛肉」を献上していたという記録もあるそうです。牛肉の味噌漬だそうです。
なお、この
令が解除されたのは明治5年のことです。

では、一般庶民は、どこで食べたのでしょう?
薬石(やくせき)屋というところで食べたのです。
つまり薬と称して食べたのです。これを「
薬食(くすりぐ)い」と言いました。
徳川家康が駿府から一軒の薬石屋を連れてきたのがきっかけで、江戸の町には、たちまち百軒以上の薬石屋が出来たと言います。

では、どんな肉が食べられていたのかと言うと、狐、カワウソ、狼、猪、カモシカ、熊、鹿、兎などです。
薬石屋の看板には紅葉の絵や山鯨(やまくじら)と書いてあったそうです。

ウサギを一羽二羽と数えますね、なぜでしょう?
鷹狩でのことです。本来、鳥を捕らえるのですが、鷹は野鼠や野ウサギも一緒に捕まえます。
目的の獲物とは違いますが、獲物は獲物なので小鳥と同じように一羽とか一翼とか呼んだのだそうです。
一説には、ウサギを鵜(ウ)と鷺(サギ)にわけて、鳥だと称して食べたのがその由来だとか。^^;
そう言えば猪を山鯨なんて妙な呼び方をしますね。

肉の呼び方
馬の肉を
桜肉と言うのは
1.肉の色が桜色だから。
2.桜の咲く時期が馬肉が一番おいしいから。
などの説があります。

猪肉を
牡丹と言うのは、
1.猪肉を煮込むとあぶらみがちぢれてぼたんの花のようになる。
2.大皿にぼたんの花を形どって並べると鮮やかな肉のいろどりが牡丹の花のようである。
3.「牡丹に唐獅子、竹に虎」の文句にちなむ。
と諸説あります。

鹿肉の
紅葉(もみじ)は「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋はかなしき」の歌からという説が有力。

鶏肉を
かしわと言うのは、羽が茶褐色の鶏を、羽が柏の葉に似ていることから"かしわ"と呼んでいました。ここから転じて鶏の肉を"かしわ"と言うようになりました。

英語における肉
動物 その肉
pig pork
sheep,lamb mutton,lamb
lambは1歳未満の子羊の肉です。
ox 等 beef
chicken chicken

英語の肉を表す言葉は動物の名前と一致しないのがありますね。

1066年にイギリスはフランス語を話すノルマン人に制服されてしまます。
そして、ノルマン人は貴族階級を独占します。
結局、家畜を飼うのはイギリス人で、それを食べるのはフランス語を話すノルマン人です。
このことが動物とその肉の二重の呼び名の起源になった理由だそうです。
つまりこの肉の呼び名はフランス語に由来するのだとか。

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