和紙

蛇足
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明治期にイギリスからやってきた日本学者
チェンバレンは、日本で竹で作れないものは無いと言って感嘆したといいます。
しかし、近年、竹の需要は大幅に落ち込んでいます。
結果として竹林が放置され、生命力の強い竹が繁殖し、雑木林を次々と侵食しています。
竹は成長が早いので、もっと活用できるといいですね。

「竹」と言う文字は、竹を二本ならべた象形文字です。
タケという言葉は、タは高いこと、ケは古語で木のことで生じて高くなる木の意味だそうです。
また、筍の方は旬つまり10日のうちに竹の子ができ、10日過ぎると竹になる意味で作られた文字です。

竹の早い成長の秘密は、
成長点が全ての節のすぐ上にあるからです。木では一ヶ所しかありません。

■竹は、
単子葉類のイネ科に分類される植物です。木でも草でもないんです。
タケ(竹)やササ(笹)の仲間は、世界中で、約45属、670種あり、熱帯から暖帯に多く、一部温帯や亜寒帯にも分布しています。

日本でなじみ深いのはマダケ、モウソウチク(竹の子用)、ハチク(茶器・菓子器)などです。

竹は普通、
地下茎で増えていきます。
しかし、その土地の必要な栄養(微量元素)を使い尽くすと、そこではそれ以上活きていけません。
そこで、非常手段として花を咲かせ種子を作ります。
種子を風に運ばせて別の場所に根をおろすのです。
ですから、花はめったに咲かず、一度開花すると枯れてしまうのです。
開花は十数年から数十年に一度、マダケでは120年と言う記録もあるそうです。
また、花は
風媒花なので、美しい花弁や匂いも、また蜜もありません。

多くの竹林はもとは1本の竹を植え、次々に地下茎を伸ばして大きな林になったものですから、何百本の竹があっても生き物としては1つの個体なのです。

竹と笹
通常、竹は竹の子が生長したあと、稈鞘(かんしょう:竹の子や竹の皮)が早く落ちるものをいい、稈鞘が長く残っているものを笹と呼ぶそうです。
一般に笹の方が小型です。

ところで、竹と言えばパンダですが、パンダは竹だけしか食べないのでしょうか?
実は、竹、笹、サトウキビなどが主食ですが、川魚や野ねずみまで食べた記録があります。
上野動物園ではサトウキビ、果物、おかゆ、それに北京動物園から伝授された“とうもろこしダンゴ”なども与えているそうです。

■竹に関する言葉
竹箆返し(しっぺがえし)
竹箆(しっぺい)とは、座禅のときにお坊さんが後ろから背中を叩く杖のことです。
修行時代は、座禅を組んでいる時に、しっぺいで背中を打たれた者も、修行を積んで、逆に人の背中を打つ立場になることから出来た言葉です。
仕返しをするという意味に使います。
人差し指と、中指でする「
しっぺ」も、竹箆からきた言葉です。

竹光
削った竹を刀身に見せかけて作った刀です。また、切れ味の鈍い刀をあざけって言う時にも使いました。
この名前の「光」は、古来より刀工の名前に、吉光、国光、兼光など光の字がつくのが多い所からきた擬人化した表現だと言います。

籠(かご)と笊(ざる)の違い
編み込む竹の表皮を外側に使ったのが籠、逆に内に使うのが笊だそうです。

竹の秋、竹の春
筍を育てるために葉が黄ばむ時期(陰暦3月)を竹の秋と言い、逆に新葉をつけ最も生き生きとする秋(陰暦8月)を竹の春といいます。

竹輪
蒲鉾
(かまぼこ)の起源は室町時代です。
塩味をつけた魚のすり身を竹や棒切れに筒状に、まぶしつけこれを狐色に焼いたものがルーツです。
ガマの花穂に似ていた細長い武器の蒲鉾と同じような形態だったので、その名前をもらって蒲鉾と呼ばれたようです。
安土桃山時代に蒲鉾は板がつきます。今の形ですね。
そこで、今まで蒲鉾と呼んでいたものが
竹輪と呼ばれるようになりました。

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