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月 その1
蛇足
□■月 その1

★月の
語源
「つき」の語源については、明るさが太陽の次だから「次(つぎ)」の意味とする説や、毎月一度、輝きが「尽きる(ツキル)」ことによるなどの説があります。

「ゲツ」の方は月が満ち欠けする「闕(ケツ)」(欠けるの意味)から来ています。

★月はどのようにしてできたのでしょうか?
現在、最も有力な説は「
ジャイアント・インパクト(大衝突)説」です。

原始地球に火星程度の大きさの原始惑星が衝突して、地球のマントル部分から多数の破片をはじき出し、その後それらの破片が合体をくりかえしながら、約1か月でほぼ月が完成したという説です。
コンピューターによるシミュレーションでも見事に月が出来ます。

裏付ける証拠として、月の中心核の大きさが小さい事があります。質量比で約2%です。地球の場合は約30%あります。月が地球と同じできかたをしたのなら、近い比率になるはずなのです。
他に月の石の成分は地球の地殻と物質組成が似ていることや、その成分中の揮発性成分が欠乏している事も根拠になっています。

月と生命
ところで、月の質量は地球の質量の約80分の1です。
太陽系の他の天体の衛星は全て何万分の1と言うオーダーですから、月は衛星としては
異常な大きさなのです。

地球の自転軸、すなわち地軸は23.5度傾いています。これによって季節が起きます。
もし、月がないと、この
自転軸が不安定になるといい、結果として地球環境が不安定になります。
また、月による
潮汐作用がないと、海洋生物は生存しても、陸上生物は存在しなかった可能性があるともいいます。また、月が無ければ、地球環境の不安定さから、もし陸上生物が存在しても人間にまで進化できたかどうかは疑問とも言います。

現在も生命の活動にも、月の潮汐力は大きく関係しています。
人間の出産、海洋生物の産卵・出産などには影響があるようです。
サンゴ、アカテガニ、クサフグ、アオウミガメなど、満月の日に卵を産むのは有名ですね。
(アカテガニはハサミの赤い、猿蟹合戦のモデルになった蟹です。)
また、凶悪犯罪は新月と満月の頃が非常に多く、死亡交通事故も多くなるという報告もあります。

一方、地球の潮汐力が月に影響しています。
現在、月の裏側は地球からは見えませんが、これは地球の潮汐力によって月の自転が公転周期と同じになってしまったからです。大昔は裏側も見えていたと言います。

★月は次第に
遠ざかっている
月は一年に3.25cmずつ地球から遠ざかっています。
遠ざかる原因は月と地球の潮汐作用です。
ですから、昔はと言っても、何億年と言う単位ですが、月は地球にもっと近く、大きく見えていたはずです。
最近の計算によると、地球や月が出来た約46億年前は地球からの距離が現在の1/16程度、24,000kmほどだったといいます。静止衛星の軌道が36,000kmですから、それよりも近いんです。
見かけの大きさは現在の約300倍、数十時間で地球の周りを回っていたと言います。
現在の距離は380,000kmです。

現在、月と太陽の見かけの大きさは、ほぼ同じです。
ですから、金環食と言う幻想的な現象を見る事ができるのです。

月のクレーター
月の表面には約一万個のクレーターがあります。
月面の写真を見たことのある人は、クレーターの中心から放射状に広がる白い線に気が着いたでしょう?これは、衝突の時できた、
光条というものです。
爆発の時、クレーターから噴出した微細な粉末が直線的に散らばってできた物で、筋状に見えます。
この光条は非常に薄く侵食に耐えません。ですから、光条のあるクレーターは比較的新しいものと言えます。アリスタルコス、コペルニクス、ケプラーなどのクレーターです。

この月への隕石の衝突が1178年に記録されています。
ジョルダーノ・ブルーノと言うクレーターです。
そして、このような衝突があると月はわずかながら振動を始めます。
秤動(ひょうどう)とよばれます。
振動はやがては止まりますが、そんなにすぐには止まりません。
この時の衝突は現在でも周期約3年、振幅3mの振動として観測されています。

ジョルダーノ・ブルーノは16世紀のローマ・カトリック教会の学者で「世界の数は無限であり、その多くには生物が住んでいる」と主張したため1600年火あぶりの刑に処せられています。

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