和紙

蛇足
■■月桂樹(laurel:ローレル)
花言葉は栄光・勝利でマラソンの優勝者などに月桂冠を被せますね。
(2007.06.18))
実はスポーツの優勝者に被せるのはオリーブ冠です。これは最高神ゼウスの管轄です。
一方芸術の場合は月桂冠です。こちらは太陽神アポロンの管轄です。


中国では
月の中に兎、
嫦娥(じょうが)という仙女、そして嫦娥が化けたガマガエルがいると信じられていました。
そして、おそろしく大きく丈の高い桂の木が生えているとも信じられていました。
この桂の木の高さは1500mもあるといいます。

その桂の木の根元に
呉剛という仙術を学ぶ男が住んでいました。
呉剛はもともとは、地上の人間でしたが、ある時、つい師匠の巻物の教えられていない術を盗み見てしまいます。
怒った師匠は、呉剛を月へ追放し、月に一本の桂の樹があるから、それを切り倒すように命じました。

呉剛は仕方なく斧をとり、桂の木を切ろうとするのですが、いくら切っても、その切り跡は翌日になると元通りに戻っているのです。
呉剛は永久に、毎日斧を空しく振り回して桂の木を切っているのだといいます。
この木がいわゆる
月桂樹なのです。

ギリシャ神話では
太陽神
アポロンに「大人の武器をおもちゃにするなんて可愛くない奴だ。」と揶揄(やゆ)されたキューピッドは「僕の矢はおもちゃでないことを思い知らせてやる」と金の矢をアポロンに、鉛の矢をテッサリア川の川神ペネイオスの娘ダフネの胸に射ました。
金の矢は恋心を芽生えさせ、鉛の矢は相手を嫌いにさせます。

金の矢を射られたアポロンはダフネに恋焦がれ追い掛け回します。
しかし鉛の矢を射られたダフネは逃げ回り、父に「私を護って」と祈ります。
そして、アポロンがダフネを抱きしめようとした瞬間、ダフネは月桂樹に変わってしまっていたのです。
後にアポロンはこの月桂樹で冠を作り、愛しい人の想い出として頭にかぶったそうです。
そして、芸術やスポーツで功のあった者にその冠を与えることで、ダフネ(ギリシャ語で月桂樹の意味)の名を永久に残す事にしたと言います。

★日本のお話
落語の一門に
月亭というのがありますね。
元々は桂一門だったのですが、分裂して月亭を名のったのです(浪花三友派)。
名前の由来は、桂一門の上に立とうというので「月」を持ってきたというんです。
月桂樹では月が桂の上ですね。^^;

■月に関する言葉
十七屋って、どんな商売かわかりますか?江戸時代の商売です。
十七日の月は「立待ち月」と言われます。
飛脚に手紙などを頼めばたちまち相手のところに着く。
「たちまち着く」と「立待ち月」の語呂合わせです。

江戸の川柳です。
「はやり風邪、十七屋からひきはじめ」
「十七屋日本の内はあいと言い」

一日(ついたち)、晦日(つごもり)
一日(ついたち:朔月)は「
月立ち」の意味です。立つは新しい時が始まる意味です。
月末三十日(みそか)を晦日と呼びますが、これは「
月隠(ご)もり」つまり、月が隠れて見えな日のことです。

光陰
「光陰矢のごとし」と言いますが、光=太陽、陰=月です。
光陰は時間、月日、年月、歳月の意味で使われます。
「光陰にけつまづかせるうるふ月」  古川柳

クロワッサン
フランス語で三日月を意味するcroissantが語源です。
クロワッサンの発祥の地はウィーンで、初めて作られたのは1683年です。
当時オーストリアはオスマン・トルコ帝国と戦っており、首都ウィーンは敵に包囲されてしまいます。
しかし、オーストリア軍の善戦でウィーンはなかなか陥落しません。
そこで、トルコ軍はしびれをきらし、地下に穴を掘って市内突入を試みます。

当時、パン工房は地下にあり、そこにいたパン屋達が、いち早くそれに気づいて軍に急報します。
オーストリア軍は、手薄になっていた守備隊を急襲し、トルコ軍に勝利しました。
この戦勝を記念して、トルコ軍の旗じるしを思い出すような三日月型をしたパンが作られました。
これがクロワッサンです。

そして、このパンをフランスに持ち込んだのが、オーストリアから嫁いで来た
マリー・アントワネットだと言われています。

呉牛月に喘 (あえ) ぐ
呉の国の牛は暑さを恐れるあまり、月を見ても太陽と見誤って喘ぐという話が「世説新語‐言語」にあります。
思いすごして取越し苦労をする意のたとえに使われます。

杞(き)の国の人が、天のくずれ落ちることを心配して寝食をとらなかったという杞憂に似ていますね。(「列子‐天瑞」)

烏兎(うと)
昔、中国では
金烏(きんう)、玉兎(ぎょくと)と言って、太陽の中に三本足の烏、月の中に兎のが見えるとしたところから、太陽と月のことを言います。
そして、月日の経つのが早いことを烏兎怱怱(そうそう)といいます。

この月の兎の話はインドの民話がもとになっています。
帝釈天がみすぼらしい老人に化け下界に降り、狐と猿と兎に食べ物を与えてくれるように頼みます。
狐は池から鯉を、猿は木の実を取ってきて与えましたが、兎は何一つ与えるものがありません。
そこで火に飛び込み丸焼きになった身を捧げました。
これに感動した帝釈天は兎のなきがらを月に送ってその徳をたたえたといいます。

月下美人
サボテンの名前ですね。
英語名は Queen of the Night。訳の方がすばらしい!
ちなみに the Queen of night は、夜の女神(Diana)、つまり月です。

< >

目次へ
< >


和紙