和紙

トンボ
蛇足
□■トンボ

今日は「トンボ(蜻蛉)」のお話です。

■日本では、古くから人々に親しまれてきました。「赤とんぼ」の歌に歌われたりしていますね。
でも外国ではどうも好かれてなく、日本はトンボを好む数少ない国のようです。
「英国人はトンボを悪魔の使いとして恐れる」と言う言い伝えもあるそうです。

日本は昔「
秋津島」と呼ばれていましたが、「蜻蛉洲」と書かれることもあるようにトンボと縁のある国なのです。
この「蜻蛉洲」は、
日本書紀に神武天皇が国見のとき「蜻蛉のとなめせるがごと(注)」と言ったことに由来します。

トンボの語源は諸説あるんですが、有力な説は、翅(はね)が透明で棒が飛んで
いるように見えるので、飛ぶ棒→トンボウ→トンボ というものです。

このトンボ、4枚の翅におのおの筋肉がついていて、独立して動かせます。
そのため、飛行能力が優れていて、速く飛ぶことも、ホバリングも出来るのです。
翅が羽ばたく回数は 20〜 30 回 /秒、速いトンボだと 80km/時にも達します。

トンボのもう一つの特徴は目ですね。
トンボは、
複眼に六角形の目が 1 万〜 3 万個、他に単眼が3個もあります。
複眼の上半分が遠視、下半分が近視なので遠近ともよく見えます。とっても目がいい昆虫なのです。

■世界には約500種、日本には約200種がいます。
分類学上は、
昆虫綱トンボ目で、更に次の三亜目に分かれます。
不均翅亜目:後翅が広い。アカネ属、ヤンマなど
均翅亜目 :前後の翅の幅が同じで、とまる時に翅を閉じます。イトトンボなど
ムカシトンボ亜目:日本とインドからネパールにかけてのヒマラヤの源流域にしかいなくて、生きた化石といわれ、非常に重要な昆虫とされています。
ただ、日本ではきわめて普通にみられる種類で,それほど珍しいものではありません。

古生代の石炭紀(3 億 6000 万年前〜 2 億 9500 万年前)には、
メガネウラと呼ばれる、巨大なトンボが住んでいました。なんと、翅を広げたら 70cmもあったといいます。
ただ、現在のトンボと親類ではありそうですが、直接の先祖ではないようです。

赤トンボって?
赤トンボと言われるトンボ、つまり胴体の赤いトンボは 21 種類もいるんですよ!

シオカラトンボ(胴体が青い)は有名ですね。しかし、生まれた時はムギワラトンボ(胴体が麦わら色)なのです。
ムギワラトンボの雄がホルモンの関係でシオカラトンボになるんだそうです。
ただ、完全に分かれるかというと、そうではなく、シオカラトンボにも雌がいたり、ムギワラトンボにも雄がいたりすることがあるそうです。

■会社の名前
・文具メーカーの「
トンボ」、アルファベットでは「TOMBOW」と表記されます。
これはトンボがアメリカに進出するとき「TOMBO」が「TOMB=墓」をイメージするので語尾に「W」を付けたといいます。で、トンボウ、語源に近づいてる。^^;

・「
ヤンマー」は、当初トンボ印でした。しかし商標権の問題あったので、さらに大きなトンボ「オニヤンマ」から名前をとったそうです。

■言葉
極楽トンボ
楽天的で、現実生活にあまりこだわらない、ひょうひょうとした人をさします。
この「トンボ」は気楽で何もしない人の意だそうでうすが、理由は調べたんですがわかりませんでした。
江戸時代の文献にも出てくる古い言葉です。でもトンボが聞いたら怒りそう。^^;

蚊トンボ
やせて背の高い人や弱いものをあざけっていう語ですが、蚊トンボはもともとイトトンボ(糸蜻蛉)やががんぼ(大蚊)のことです。

トンボ返り
江戸時代はバック転をこう言ったようですが、行ってすぐ引き返す時に使う用法は載っていませんでした。新しい用法なのでしょうか?

トンボを切る
歌舞伎の殺陣(たて)の演技で、空中でバック転をすることです。

(注)となめ:交尾したトンボの雌雄が互いに尾をふくみあって輪の形となって飛ぶことを言います。

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