和紙

蛇足
合いの手を入れる
邦楽用語で、歌と歌の間に琴や三味線などの楽器だけで演奏する部分を言います。
また、民謡で歌と歌の間に「コリャコリャ」などと言うことも言います。
ここから、会話中や物事の進行の間にさしはさまれる別の関係ない言葉などを指して言うようになりました。

突拍子
平安時代に流行った今様歌に由来します。
リズム主体で旋律は一つの音を長く引っ張りながら緩やかに上下するものでした。
そこで変化をつけようと突然、音程を上げたり、元に戻ると言う奇抜な旋律を導入したようです。
この部分のことを突拍子と呼んだそうです。

メリハリが利く
この言葉は歌舞伎の用語で、役者の演技の強弱・伸縮のことを言うそうです。
そして、元をたどると邦楽用語に行き着きます。
邦楽で基本の調子より少し下げることを「減(め)り」と言います。
長唄や義太夫節にある「めりやす」の略で、この曲の多くはもの静かなしんみりした曲調なのです。
一方、「はり」は高い音で演奏することを言う言葉で「張る」からきたもので、声や気持ちなどが引き締まっているという意味です。

(参考)「
めりやす」の語源は下の様に諸説あってはっきりしません。
1.1700年頃伝来したメリヤスのように役者のしぐさに応じて伸縮自在に演奏される。
  蛇足ですがメリヤスは漢字で書くと「莫大小」、くつ下の意味のポルトガル語 meias が語源です。
2.吉原の遊女がこれを聞いて「気が滅入りやす」といったから。
3.上方の流行り歌「ぬめり」から。
4.京都の侍、目利安二が歌いだしたとか

三拍子そろう
小鼓、大鼓(おおかわ)、笛の能に使う三つの楽器のことを三拍子といい、それらの拍子がぴたりとそろうことを「三拍子そろう」と言いました。
この三拍子のルーツは室町時代の能にあり、上の三つに太鼓を加えたものを「四拍子」と呼んでいました。しかし、太鼓は演奏する曲によっては用いられない場合もあり、必要な条件という意味の言葉としては「四拍子」ではなく「三拍子」が残ったのではないかいわれます。

ぺんぺん草
ぺんぺん草とは薺(なずな)の別名です。「ぺんぺん」とは三味線の音からきた言葉で、果実が扁平な三角形で三味線の撥(ばち)を連想させることから、このような名前になりました。

上奏(じょうそう)
元々の意味は天皇に意見を言うことです。
「奏」は、楽器を演奏するという意味で昔の楽器は両手で空に奉じて神様のために奏でるものだったため、それほど尊敬するということから、高貴な人に申し上げるときに使われるようになりました。 

千秋楽
雅楽の最後に演奏される曲を「千秋楽」と言いました。
ここから、芝居や相撲の最終日の意味になったと言います。
また、一説には祝言の能楽「高砂」の最後に「千秋楽は民を撫で、万歳楽には命を延ぶ、・・・」から来たとも言います。

太平楽
万歳楽と対で舞う、文字通り天下太平を祝う舞です。
現在では「太平楽をきめこむ」などと使います。

集大成
「孟子」に次のように出てきます。
集大成と言うのは、音楽を演奏する時、まず鐘を鳴らし、それを合図に、笛や太鼓などの八音(八種類の楽器)が合奏され、終わりに玉磬(ぎょくけい:古代の打楽器)を打ってしめくくりをつけることである。

ギョッとする
古代中国の楽器、(ギョ)と言う楽器から言われだしたスラングで、主として奏楽を止める合図に用いられたといいます。
という楽器は木製の伏した虎の形(一説には魚)に似た楽器で、背中の部分に27個の凹凸があり、これを竹のささらでこすって鳴らします。
昭和24年頃、松井翠声・内海突破が舞台で「ギョギョッ」などと話の落ちに使い、世間に広まったようです。

チャンポン(二種以上のものをまぜこぜにすること)
チャンは鉦(ショウ)の音、ポンは鼓の音です。
鼓は能の謡曲などに使う楽器で上流階級に好まれていました。一方、鉦はお囃子に使う楽器で、祭囃子など庶民的なものでした。
この性質の違う楽器を同時に鳴らすことは型破りなことです。そこで別の物を混ぜ合わせることをチャンポンと言うようになったといいます。

丁寧
昔、中国の軍で、警戒の知らせや注意のために用いられた楽器を丁寧といいました。
この丁寧は一度鳴らしたくらいでは全員になかなか伝わらなかったので何度も念を入れて鳴らしたといいます。そこから「注意深く念入りな事」「細かいところまで注意が行き届くこと」などを丁寧と言うようになり、やがて「礼儀正しい」などの意味にも使われるようになりました。

しだら (Vol.14 「逆さ言葉」を参考にして下さい)

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