和紙

馬 その1
増刊号
□■馬 その1

うま」の語源は中国語の「ば」(現在は「ま」)の訛ったものとされています。
「ば」→「んば」→「んま」→「うま」
一方「
」の方は、仔馬(こうま)→こま となり、やがて馬一般をさすようになったといいます。

馬の最古の祖先は約6000万年前に現れた
エオヒップス(あけぼのウマ)で犬のテリア程度の大きさだったようです。指も前4本、後3本ありました。
いま世界には
ウマ科はもう7種類しかいません。野生馬のモウコノウマと家畜馬(サラブレッド、アラブ、日本の在来種など約100種)とロバが2種とシマウマが3種だけです。

現在いる
サラブレッドは、17世紀〜18世紀にかけて、イギリスの土着馬にアラブ種の馬を掛け合わせ、より速く走るために品種改良をしたものです。
そして、すべてのサラブレッドが1700年頃のたった三頭の種馬に遡ることができます。
この三頭(ダーレーアラビアン・バイアリーターク・ゴドルフィンアラビアン)をサラブレッドの3大始祖といいます。

馬はなぜ
馬面なのでしょう?
顔の長い動物は草食性に多いようです。
草を食べるには、消化しにくい草を歯で良くすりつぶす必要があるからです。
大型の臼歯が発達し、顎が大きくなります。
ウマの先祖は木の葉を食べていたようです。
やがて、2500万年前頃には、草原が広がり、草を食べるようになります。
草は木の葉よりセルロースが硬く消化しにくいのです。
そこで良くすりつぶすため、馬面になったというわけです。

「こりゃどうぢゃ、世はさかさまになりにけり、乗った人より馬が丸顔」
高杉晋作の馬面を詠んだ狂歌です。^^;

ところで、牛は馬ほど顔は長くありませんね。
これは、反芻という方法を獲得したことによります。消化の効率が良いのです。
ですから、馬類は現在7種と衰退していますが、牛類はヤギ、羊、など繁栄しています。

馬が
乗馬用に使われたのは、いつでしょう? 
最も古い証拠はウクライナで紀元前4000年頃の乗馬に使われた馬の骨が見つかっています。
乗馬は人類の歴史において、画期的な技術革新であり、世界の歴史を左右してきました。
その重要度は航空機の発明以上の意味を持つと言われます。

日本にいつ馬が入ってきたかについては、はっきりしていませんが、発掘された最も古い馬の骨が5世紀中ごろですから、大体その頃だと推測されています。
魏志倭人伝(3世紀前半の日本の様子を記載)には日本には馬がいないと書かれています。
日本の馬は、現在の木曽馬で体高130センチぐらいですが、本来はもっと小さかったようです。
戦国時代の映画などに出てくるサラブレッドのような馬は間違いなのです。^^;

馬の指は中指1本に進化しましたが、1本指が最も速く走れるんだそうです。
動物の走り方には2通りあります。
肉食動物に多い走り方の
回転襲歩(左後足→右後足→右前足→左前足)と
草食動物に多い走り方の
交叉襲歩(左後足→右後足→左前足→右前足)です。
回転襲歩はスタートダッシュは利きますが持続力に欠けます。
一方交叉襲歩は揺れが少なく安定し長距離に向きます。
馬はスタート直後は回転襲歩(しゅうほ)、後は交叉襲歩と使い分けます。
両方使い分けるのは馬だけでは無いかと言われています。
馬は走りのスペシャリストなのです。

■では、本題の雑学を
シマウマの縞(2014.6.6修正)
シマウマの縞は白地に黒だそうです。
ところで、あの目立つ縞はどういう効果があるんでしょう?
仮説としては、虫を追い払う、カモフラージュ、捕食者を混乱させる、体温を下げる、そして社会的相互作用の5説があります。
2014.4.1付の「Nature Communications」誌で、カリフォルニア大学デービス校の生物学者ティム・カロ(Tim Caro)氏は「縞模様との結びつきが強い要素がアブの締め出しだけであることが、何度も繰り返し確認された」と発表されました。
これが有力な仮説になりましたが、最終的な結論というわけではないようです。

ところで、
ゼブラと言うボールペンの会社がありますが、名前の由来が面白いので紹介します。
シマウマは斑馬と書きます。斑という字は文が二つの王に挟まれています。
つまり「文房具の王様」と言う思いを込めたとか。

馬の色
「日本種馬登録協会」では7種類に大別しているそうです。
栗毛、栃栗毛、鹿毛、黒鹿毛、青毛、葦毛、粕毛。
色の説明はややこしいので省略しますが、黒鹿毛はほぼ黒い毛、青毛は真っ黒な毛、葦毛は白い色、だそうです。興味のある人は辞書を引いてください。^^;

黒いのに青と言うのは、奈良時代黒味を帯びた青色を「あお」と呼んだことによるそうです。
辞書を見ると、「
あおうま」に二通りの漢字が当てられています。青馬と白馬です。そして意味も、「艶のある黒色で、青みを帯びて見える。」と「白馬(はくば)」を併記しています。紛らわしいですね。
白馬(あおうま)の節会(せちえ)は白馬の方を書きます。


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