和紙

蛇足1
鳩首(きゅうしゅ)
人々が集まって額を付け合うようにして、相談をすることをいいます。
この鳩は集まる、集めるの意味です。 鳩首協議、鳩首会談

鳩尾(みずおち、みぞおち)
漢語の「鳩尾」に日本語の「みずおち」をあてたものです。(現代中国語では使っていません。)胸と腹のくぼみを、鳩の尻尾に見立てたようです。

鳩とオリーブ
オリーブの枝をくわえた鳩は平和の象徴ですね。煙草の「ピース」の図柄にもなっています。
この図柄の元は、聖書の「創世記」のノアの方舟(はこぶね)です。ノアが洪水がおさまったかどうかを調べるために飛ばした鳩がオリーブの枝をくわえて戻ってきたので、洪水が終わった事がわかったというお話です。

鴛鴦の契り
夫婦の仲睦まじいことを言う例えです。鴛は雄、鴦は雌のオシドリです。
日本では「おしどり夫婦」などといいますね。英語でも仲のいい夫婦はlovebirdと言います。
中国の四世紀頃の書物「捜神記」にある夫婦愛物語です。
韓憑(かんぴょう)は宋の康王(在位B.C.318-286)に妻の何氏(かし)を奪われ、絶望のあまり自殺しました。
何氏は自分を夫と合葬するよう康王にあてた遺書を残し後を追います。
怒った王は「お前たちは死んでも愛し合おうと言うのか、それなら二つの塚を一つにして見よ。」と、二人を向かい合わせの塚に埋めました。
すると、一晩の内に二つの塚に梓の木が生え、十日後には大木となり、互いの幹が寄り添い根も枝も絡まったのです。
樹上には一つがいのオシドリが巣を作り、悲しげに鳴いたといいます。
宋の人びとは、この鳥は韓憑夫婦の生まれ変わりだと噂しました。
この木は相思樹と呼ばれるようになったそうです。
相思相愛」と言う言葉もここに由来するといいます。

若いツバメ
あの婦人解放運動で有名な
平塚雷鳥が青年画家奥村博史と親しくなり、それがまわりに知られて問題になった時のことです。
気の弱い奥村は自分を若い燕にたとえ「池の中で水鳥たちが仲良く遊んでいた所に、一羽の若い燕が飛んできて大騒ぎになりました。この思いがけない結果に驚いた若い燕は飛び去ります。」と言う趣旨の手紙を残し田舎へ帰ったと言います。
しかし雷鳥は「燕なら春になると帰ってくるでしょう」と返事を出し彼を呼び戻し、その後二人は共同生活を始めたと言います。(大正三年の事です)
これが、世に知られて「若いツバメ」と言う言葉が使われるようになったといいます。

白羽の矢が立つ、白羽の矢を立てる
昔、人間のいけにえ(人身御供)を求める山の神や水の神が、少女のいる家の屋根に白い鳥の羽(多くは鷹)の矢を射こんだという伝説からきています。

鳥の浮気
オシドリ夫婦と言うように鳥は夫婦仲が良いことに例えられます。
しかし、意外と浮気が多いようです。
DNA鑑定によって、一夫一婦制の鳥の夫婦が育てている若鳥を調べたところ、約40%が婚姻外の子供であったという報告がなされています。

空き巣
もともとは、使わなくなった鳥の巣のことです。
転じて、留守の家で盗みを働くことを「空き巣ねらい」と言うようになり、略して「空き巣」と言われるます。

グアニン
DNAには4種類の塩基、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)からなっています。
このグアニンは鳥の排泄物を意味する「グアノ」が語源です。グアノから最初に抽出されたからです。
ペルーからチリにかけての東太平洋の島々では、ウミウやカツオドリ、ペリカンといった海鳥の一大生息地となっていて、膨大な量の糞が堆積しています。
これはグアノ(スペイン語でguano 元々はインカのケチュア族の言葉で「糞」の意味)と呼ばれ、19世紀から20世紀の初め、ヨーロッパに輸出されて貴重な窒素肥料として使われました。
当時はまだ化学肥料がなかったのです。

また、火薬原料の1つである
硝石(硝酸カリウム)は、硝酸イオンとして窒素を含む珍しい鉱物です。
地球上では砂漠などの乾燥地に、ごくまれにしか産出しません。
有名なチリ硝石(硝酸ナトリウム)は、チリ北部のアタカマ砂漠に存在します。
これは海鳥の糞が風に運ばれ、長い時間をかけて堆積したといわれています。
窒素の元素記号(N)は英語のnitrogen の頭文字ですが、これは硝石(niter)から化学的に窒素が得られることに由来しています。

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