和紙

風 その2
蛇足
□■風 その2

今回も風のお話です。ただし、渦を巻く風のお話。

台風
定義 台風は、東経180度以西の北太平洋および南シナ海で発生する、熱帯低気圧のうちで、最大風速が秒速17.2m以上のものを言います。
17.2と半端ですが、34ノットのメートル法換算値です。

温暖化と台風
台風は、海面や上空の温度に敏感に敏感です。
ですから、地球温暖化によって、台風の数の増加や大型化が懸念されます。
海面の温度上昇が 2.2度上昇すると、5〜10%ほど最大風速が強まると言う報告があります。
最近は、日本付近でも発生するようになってきていますね。

語源
古くは
野分(のわき)と言いました。
この野分は明治時代になると木枯しの異名へと変化したようです。
夏目漱石の「野分」は木枯しの意味です。

中国では、台風を
颶風(ぐふう)と言いましたがやがて字が颱風と代わったようです。福建省などでは台湾の方から吹くので台風と呼ばれていたともいいます。
日本でも、中国にならい颱風と使ったようです。(曲亭馬琴作「椿説弓張月」1807-1811頃以降)

一方、イギリスではギリシャ神話の巨人
テューポーンがゼウスと嵐の中で戦った事から嵐をテューポーンと言ったのが由来で、typhoon(当時はtuffoon)が18世紀頃には使われていたようです。

四代目中央気象台長・
岡田武松がこの両方を合体させ台風と使ったのが始まりと言います。
話がそれますが、この岡田武松は日本の気象の基礎を作った人といわれます。
日露戦争(明治38年)の
日本海海戦の朝、「天気晴朗なれども波高かるべし」と予報を出したのが彼です。
これをもとに、連合艦隊からの電文は、あの名文「敵艦見ゆとの警報に接し、連合艦隊は直ちに出動これを撃滅せんとす。本日天気晴朗なれども波高し。」となったと言います。秋山眞之(さねゆき)が文案を作ったとか。
兄の秋山好古(よしふる)とともに司馬遼太郎氏の『
坂の上の雲』で有名ですね。

昭和の三大台風(気圧は上陸時)  
1934 室戸台風  912ヘクトパスカル  
1945 枕崎台風  916ヘクトパスカル  
1959 伊勢湾台風 929ヘクトパスカル

ところで、大型台風並の気圧が一般家庭にもあります。掃除機の中です。
ですから、掃除機のホース内の風速は60m/s(時速216km/時)にも達します。
ダニなどは衝突死してしまうそうです。

コリオリの力
渦を巻く風のお話には、この「コリオリの力」を避けて通ることが出来ないので、ちょっと我慢してくださいね。

コリオリの力は地球の自転の影響で、動いているものに働く見かけ力で、北半球では動く方向に対して右の方へ働きます。つまり進行方向が右にずれるのです。
ですから、台風などは渦を巻くのです。また、南半球では逆向きに渦を巻きます。
このコリオリの力は、水などにも働きますから、海流の流れも北半球では右回りですね。
川の堤防の決壊も右岸が多いことになります。

竜巻(トルネード)、つむじ風
野茂投手で有名になったトルネード、つまり竜巻ですが、この被害は日本ではあまり目立ちませんが、本場の米国では深刻です。
アメリカでは年に750個も発生し、被害額は1兆円にもなるといいます。
最大のF5クラスだと、風速が116〜141m/secにもなるとか。

火災の時にも、竜巻のような
火災旋風が起こることがあります。
関東大震災の時の本所被服廠跡構内で惨劇が起きましたが、これは火災旋風によるものとされています。
また、空襲で起こった例も報告されています。

ダウンバースト
最近話題になる事がおおいですね。
ダウンバーストは、発達した積乱雲の中を上空の冷たい空気が途中で弱まることなく地表付近まで降下し、爆発的に発散して強い吹き出し風を起こす現象をいいます。
ニューヨークでのイースターン航空機事故はこれが原因とされています。

ダウンバーストの中で小さなものを
マイクロバーストといいます。(その規模が4キロ四方以下)。埼玉県下の学校の窓ガラスを大量に割った事件は、このマイクロバーストとされています。

カルマン渦
聞きなれない言葉かもしれませんが、日頃、目(耳?)にしている現象です。
強い風が、細い枝など円柱状のものに当たったとき、その風下側にできる規則的な空気の渦のことをいいます。
木枯しがピューピュー言うのはカルマン渦による音です。
このカルマン渦、時に大災害をもたらします。
テレビで見たことのある人もいるでしょうが、1940年のアメリカ、
タコマ橋の崩壊はカルマン渦によって起こった振動が原因だとされています。
また、
もんじゅの温度計破損事故も同じような現象だとされています。

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