和紙

微生物
蛇足
■□微生物

■微生物とは
「微生物」と言う言葉はよく使うんですが、定義は意外にもはっきりしていません。
顕微鏡でしか見ることが出来ない生物の総称で、カビ、バクテリア、藻類、きのこ類、粘菌類、酵母、原生動物、ウィルスを含めることが多いようです。

さて、この微生物、あなたの皮膚にはどのくらい、いると思います?
一説には、皮膚表面全体で1兆個、体の中まで含めると500兆個とも言います。

■微生物の発見
人が微生物を認識するのは、顕微鏡の発見に始まります。
顕微鏡の発明はオランダの
レーウェンフック(Antonie van Leeuwenhoek:1632-1723)です。彼は織物商でしたが、市の公会堂の門番に雇われていたことがあるのも確かなようです。ですから、レンズ磨きは趣味だったようです。
そして、雨水の一滴の中に無数の微生物を見たのでした。

顕微鏡の発明で、
パスツゥールコッホなどにより、醗酵や病気の原因が次々に明らかにされていきました。
コッホ(Robert Koch:1843-1910)は菌の固定法や染色法、純粋培養法を考案して、細菌学研究法の基礎を確立し、また、結核菌、コレラ菌の発見、そして、ツベルクリンの創製などの業績をあげます。彼はドイツの村医者でした。
彼が最初に発見したのが、アメリカのテロで有名になった、
炭疽菌(anthrax:長さ数ミクロンの大型の細菌)です。

■微生物の存在範囲
微生物はどこにでもすんでいると言っていいようです。
100℃を超える温泉の中に棲むものもいます。現在わかっている記録は113℃だそうです。楽観的に見て、120-150℃でも生息可能な微生物がいるだろうと言われています。
あの、世界一深いマリアナ海溝の底でも3,000種の微生物が見つかったとか。

そして、最近、注目されているのが地中深くに棲んでいる微生物です。地下5,000メートルくらいまでは棲んでいるのではないかと言います。(スウェーデンでは地下3,600メートルで見つかっています。)
岩のすき間などに棲んでいて、地下生命圏を作っています。彼らは酸素の無い環境下で生活しており、水素、メタン、硫酸、鉄などを食料にしています。

そして、驚くのがその数(量?)です。一説には、彼らの総量は炭素換算で200兆トンともいいます。地上の全生命が1兆トンですから、その100倍です。地球は地下微生物のものかも知れません。^^;
今、彼らの中から有用なものを探す研究が始まっています。

ところで、こんなにいるとすると、どのくらいの種類になるのでしょう?
現在知られている微生物は約7万種ですが、一説にはこの数百万倍から数億倍もいるのではないかといいます。
ちなみに地上で最も多い昆虫でさえ約75万種(未発見はこの数十倍)ですから、そのすごさがわかりますね。

■生物との共生
★シロアリと微生物
シロアリは家を食べるので嫌われていますが、もともとは森林の倒木を食べ栄養分を土に戻す役割を果たしているのです。
この木を消化する(セルロースを分解する)のは、シロアリの体内に棲む微生物の働きです。

そういえば、牛などの胃に棲む微生物も草の消化を助けていますね。
実は、動物の中で草を食べるものはセルロースを栄養源としているのですが、このセルロースを分解する能力を身につけた動物はいないのだそうです。
つまり、すべて微生物に依存していると言うわけです。

★森林限界(ツリーライン)
山である高度以上になると木が育たなくなります。
この原因は、低温になって微生物の活動が低下して木の生育に必要なアンモニアの固定が少なくなるためです。

■微生物の可能性
微生物というと悪者と思いがちですが、病原性の微生物は約2500種と言われ、微生物のごくごく一部に過ぎません。
それより、役に立つ方が多いのです。あの、パスツールは「微生物に出来ないことは無い」と言っていますし、現実にいろんなことに役立つ微生物が次々と発見されています。

身近なところでは醗酵食品がありますね。
納豆、味噌、醤油、日本酒、鰹節、酢、漬物、チーズ、パン、ビール、ヨーグルト、みんな醗酵食品です。

★バイオレメディエーション
汚染土壌の浄化などに、微生物が有害物質を代謝・分解する性質を活用する手法をいいます。生物学(バイオロジー)+浄化(レメディエーション)。

あのダイオキシンでさえ分解する菌が存在するのです。
石油流出事故などで、油洗浄微生物が活用されているのは有名ですね。
ガソリンスタンドや工場跡地での利用が始まっています。 

★菌塚
京都の曼殊院には、20年前に微生物への感謝供養をするために菌塚が建てられました。

目次へ


和紙