和紙

蛇足
■□雷
今日は、地震・雷・火事・親父と怖いものの2番目に挙げられている雷のお話です。

■語源
★かみなり(雷)
「神鳴り」、つまり天の神が鳴らす音が語源です。
逆にして、鳴神ともいい、歌舞伎十八番の中にもあります。

★いかずち(雷)
「厳つ霊(いかつち)」=「いか(厳)つ(=の)ち(霊)」の意味です。
ここで、「厳」は「力のある」という意味です。

★いなずま(稲妻、電)
光の方は「いなず(づ)ま」と言いますね。文字通り稲のつま(夫)のことです。
稲は雷の電光によって、天上の穀神の霊と結合し、その穂を実らせるという言いつたえから来ています。

★くわばら、くわばら (桑原、桑原)
落雷除けの呪文ですね。二つの説があります。
1.
菅原道真が大宰府に流されて死に、怨霊が雷となったといいます。
近畿地方に度々落雷があったのを人々は道真の怨霊のせいだと考えました。
ところが、菅原家所領の桑原には一度も落ちなかったというので、桑原、桑原と唱えるようになったと言います。

2.雷がある時、農家の井戸に間違って落ちでしまい、蓋をされてしまいます。
雷は自分は桑の木が嫌いだから桑原桑原と唱えれば二度と落ちないと約束して許してもらったといいます。

昔の人は私達以上に、雷を恐れたようです。正体がわからなかったからでしょうか?
実際、悲劇も起きています。延長8年(930年)に宮中の清涼殿に落雷があり大納言藤原清貫と右中弁平希世が即死、
醍醐天皇もこれがもとで病気になり崩御されます。
この事件は菅原の道真の恨みだと言い伝えられました。彼の死後27年目のことです。
雷の陣」と言うのがあります。雷鳴の時に宮中に臨時に設けられる警固の陣のことです。近衛の将官が清涼殿の孫廂(まごびさし)に伺候し弦打(つるうち)して天皇を守ります。

■雷の科学
★上昇気流によって積乱雲が生じ、その中に多量の電荷が生成・分離されます。
この
電荷が地上との間や雲と雲の間で放電するのが雷です。

電荷の生成メカニズムは、積乱雲の中で、氷粒(あられ,ひょう)と氷晶ができます。
そして、これらの粒子の温度差が原因で電荷の分離が起こります。
温度の高い氷粒(あられ,ひょう)は負に帯電、温度の低い氷晶は正に帯電します。
そして、これらの粒子が上昇気流と重力によって分離されるため、上部に正電荷、下部に負電荷がたまります。

落雷の時の電圧は約1億ボルト、雷1回で東京ドームのナイター照明を1時間つけることができるほどだそうです。

★雷の音の正体は?
稲妻が走ると、その道筋の空気は一瞬のうちに爆発的に体積が増え衝撃波が発生します。これが音の原因です。ドーンとかバリバリと言う感じですね。
遠いとゴロゴロ言いますが、ジグザグした進路の各部分で発生した音が観測者に届くのに時間差があるのや、山や建物に反射した結果の音です。 

★稲妻の進路は真っ直ぐでないの?
空気は一様ではなく、部分的にイオン化していたりします。
稲妻は抵抗の少ない最短距離を選んで進むのでジグザクになったり枝分かれしたりするのです。

■言葉
★青天の霹靂(へきれき) 
霹靂とは突然鳴り出した雷のことです。
南宋の詩人、
陸放翁が病気になって寝ていた秋のある日のことです。
好きな酒を飲み、酔った勢いで筆を走らせました。
その勢いのある筆運びを、自作の詩の中で「青天、霹靂を飛ばす」と詠み、雷に比喩したのが由来です。

★付和雷同
雷同とは、雷が鳴るとその雷鳴が山や谷に鳴り響き、こだまが返えることをいいます。このことから、他人の意見に軽率にあいづちを打つたとえとなりました。

■雑
★エクレア
シュー皮にチョコを塗ったお菓子ですが、エクレアとは稲妻のことです。
稲妻がはしるような一瞬の間にすばやく食べないと、上に乗ったチョコが溶けてしまうのでこの名がついたと言います。

因みに、
シュークリーム(仏:chou a la creme)のシューはキャベツの意味です。

★はたはた(鰰)
雷のことを、「はたかみ」「はたたくかみ=はたたがみ(霹靂神)」とも言いました。
この魚が雷の鳴る季節に岸によって来ることからこの名がついたと言います。

★雷文(らいもん)
ラーメンの丼の縁の方形の渦巻き模様です。
これは稲妻を模様化したもので、歴史は古く、紀元前1500年頃、殷の時代にまで遡るそうです。

目次へ


和紙