和紙

カタツムリ
蛇足
■□カタツムリ

■名前の由来
★マイマイの語源
カタツムリはマイマイ、とかマイマイツブラ(マイマイツブリ)とも言います。
1.マイマイは「舞ひ」から来ているとする説。(廻いとする説も)
「梁塵秘抄(りょうじんひしょう:平安末期の歌謡集)」には、次のように載っています。
 舞へ舞へ蝸牛(かたつぶり)、舞はぬものならば、馬の子や牛の子に蹴(くゑ)させてむ、踏み割らせてむ。  
 まことにうつくしく舞うたならば、華の園まであそばせむ

 ツブリは丸いの意味です。

2.貝の渦巻き状のすじの「巻き巻き」から来ているとする説もあります。

★カタツムリ
カタは堅いの意味ではないかと言います。
ツムリはツブリと同じです。

★デンデンムシ
角よ「出よ出よ」と言う意味からデンデンは来ているようです。ムシ=虫
地方によって、デデ虫というところもあるようです。

■蝸牛考
民俗学者の
柳田国男(1875-1962)は、『蝸牛考』の中で、カタツムリの呼び方5系統187種を記録しています。
5系統を古さの順に並べると、次のようになるようです。
ナメクジ系→ツブリ・ツブラ系→カタツムリ系→マイマイ系→デデムシ・デンデンムシ系
この言葉を使う地方を地図上に書くと古いほど京都から遠くなっています。
つまり、言葉は京都から次第に地方に伝わり、次々と新しい言葉が生まれ地方に伝わります。古い言葉ほど京都から遠く離れた地方に残っているのです。(方言周圏論)

「全国アホバカ分布考」(松本修 新潮文庫)でも、アホバカの表現が全くこれと同じような地域分布を示すことが確認されています。

■ナメクジとの関係は?
カタツムリは腹足類に属する軟体動物で、肺のある陸貝です。
(陸貝には他にキセルガイ類などもいます。)
殻は右巻きのものが多く5〜6層の螺層を持っています。
頭に2対の触角があり、長いほうの先端に目があります。しかし、この目は明暗の判断しかできないようです。雌雄同体で、土の中に卵を産みます。
殻は生まれた時は一巻半ですが、ちゃんと持っています。

ナメクジはナメクジ科に属する軟体動物です。頭部はカタツムリに似て、2対の触角があり、後の大触角の先端に目があります。雌雄同体で、動物の中で例外的に、食物繊維であるセルロースを消化することができます。

カタツムリとナメクジは、見た目は似ていますが、体のつくりに大きな違いがあり、近縁種ではありますが、別々に進化した動物です。

■生態
★えさ
顕微鏡で観察すると、一万本以上もある小さな歯がヤスリの様に並んでいます。 この歯で、若葉、木の芽、キャベツ、きゅうりなどを、けずりとるようにして食べます。

★夏眠
カタツムリは乾燥が大敵です。7、8月の雨があまり降らない時期は、殻の入口に膜を張って、夏眠します。
でも、湿気があり気温的に合っていれば夏眠しないようです。

■カタツムリと寄生虫
カタツムリやナメクジはオモチャにしない方がいいようです。危険な寄生虫を持っているかもしれません。
★広東住血線虫症
日本ではまだ数十例ですが、カタツムリやナメクジに寄生する広東住血線虫が、ヒトの脳細胞に感染して発病するもので、激しい頭痛や手足のしびれ、意識障害などを伴う恐ろしい病気です。
本来はマダガスカル島だけだったのですが、食用として持ち込まれたアフリカマイマイといっしょに入り、日本のカタツムリやナメクジにも感染するようになったようです。

■蝸牛角上(かぎゅうかくじょう)の戦い(荘子‐則陽篇)
魏の恵王と斉(せい)の威王は盟約を結びました。
ところが斉が一方的にこれを破ります。そこで恵王は斉に刺客を送ろうとしましたが、部下たちの意見が対立します。
そこで、賢者、戴晋人(たいしんじん)が呼ばれます。
彼は「かたつむりの左の角に位置する触氏と右の角に位置する蛮氏とが互いに地を争い戦った」という寓話をし、小国同士が争うこと、つまらぬことにこだわって争うことを聡しました。

■エスカルゴ
ヨーロッパではカタツムリを古代ローマ時代から食用としてきたようです。
エスカルゴはマイマイ科の食用カタツムリで、現在も、フランス料理用に養殖されています。栄養も豊富なようです。

日本でもカタツムリの殻が遺跡から出てくるそうです。殻ごと食べていたようです。
また、薬としての民間療法も昔からあったようです。狂言にも残っています。
中国薬草書「本草網目」にも載っています。
最近、ある種のエスカルゴに薬効が認められ研究されているとの報告もあります。

目次へ


和紙