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海藻
蛇足
■□海藻

現在、海藻は食用にするだけでなく、医薬品、工業原料、家畜や作物の肥料など、幅広い分野で活用されています。そんな、海藻のお話です。

海藻を食べる民族、歴史
世界中で、日常的に海藻を食べるのは日本と韓国ぐらいだそうです。
中でも日本人は世界一海藻の好きな民族です。
歴史は古く、縄文、弥生の遺跡からも海藻が見つかっていますし、日本最古の法律である
大宝律令(701)には、租税としてニギメ(わかめ)をはじめ八種類の海藻名が記されています。

もっとも、最近は、低カロリーで肥満防止や、ガン、糖尿病、動脈硬化等の成人病予防に有効な成分が多く含まれるなど見直されて、他の国でも少しずつ食べるようになってきています。

ところで、
アンデスの高地に海藻を食べる民族がいます。不思議です。
海藻を食べる文化が、日本⇒ミクロメシア⇒メラネシア⇒ポリネシア⇒アンデス高地と伝播したのではないかと言う仮説が出ています。
南米では、縄文土器に似た土器も出ていますし、これからの研究が気になります。

■海草と海藻の違いは?
海草
海草は海の中で花を咲かせ、種子を作って繁殖する植物のことです。
つまり、一度陸上に上がった植物の内、再び海に戻ったものです、動物のクジラのように。 海草は
アマモ(Vol.019参照)、ウミヒルモ、スガモなどです。
1億年前、超大陸パンゲアが分裂したとき出来た浅瀬
テチス海に進出した、もともと湿地に生息していた植物のようです。

昔は、東京湾がアマモの花粉で黄色く染まったと言います。
アマモは比較的浅い海で、透明度のある海水、根を張る砂地などが必要なので生育範囲がしだいに狭まっています。

★海藻
海藻は海に定着している藻類です。海藻は胞子によって増殖します。
食用にされるのは海藻がほとんどです。
種類は世界中で数万〜数十万種(諸説あってはっきりしません)もあるそうですが、食用にされているのは60種類ほどとか。

■海藻の分類
海藻は、色によって、緑色の色素をもつ
緑藻類、褐色の色素をもつ褐藻類、紅色の色素をもつ紅藻類の3種類に分けることができます。(詳しくはHPの蛇足で)

■昆布
続日本紀」にアイヌの人々が昆布(広布:ひろめ)を元正天皇(680-748、在位715-724)に献上した記録があります。
昆布の語源はアイヌ語で海藻を意味する言葉だそうです。

池田菊苗博士の「うまみ」の発見は湯豆腐を食べた時のことでした。(Vol.017 五味 を参照してください)

昆布の表面がぬるぬるしますね。あれは
アルギン酸と呼ばれる食物繊維の一種です。 このアルギン酸、わかめなどの他の海藻にも含まれています。
便秘予防やコレステロール低下に効果があるとされます。
また、体内でナトリウムと結合して一緒に体外に出てしまう効果もあります。

昆布を最も食べている県は、面白いことに、昆布の採れない沖縄県です。
沖縄と言えば長寿、昆布との関係がいろいろ研究されています。

■海苔
語源は擬態語の「ぬるぬる」ではないかと言われます。
★海苔の養殖
最初に行われたのは江戸初期、品川浦だそうです。ただ、胞子が自然に付着するのを待つため生産は不安定だったようです。
1947年キャサリン・ドルー(英)が海苔の胞子が貝殻につき、その内側で糸状になって夏を過ごすことを発見し、人工養殖の道が開かれました。

★浅草海苔
浅草って海に面していませんよね。なのに何故?
浅草海苔が本当に取れたのは深川の付近だったようです。
採れた海苔は浅草雷門近くの永楽屋へ卸されました。永楽屋は将軍家御用達になり、それが評判で海苔と言えば浅草と言われるようになったといいます。
目黒のサンマみたい。^^;

■トコロテン(心太)
奈良時代に海髪(いぎす)を凝(こご)りにくい海藻と言うことで小凝藻葉(ここるもは)、一方、凝る海藻、天草を大凝藻葉(おおこるもは)と言ったそうです。
和名抄(平安中期)には凝海藻(こるも)と出てきます。

凝らせた製品の方は大を太いに変え心太と書きココロブトと呼びました。
(心の語源は「凝る凝る」とされており、凝る→心と書かれたのはうなずけます。)
そして、太をテイと発音したので、ココロテイと訛り江戸時代にトコロテンとなったそうです。テンは天草のテンとする説もあります。

記録には、710年に奈良の都ができた時、すぐにトコロテンの店ができたとあります。

川柳に「心太売は一本半に呼び」とあるのは、トコロテン売りの売り声が「ところーてんや、てん」と言ったことを詠んだものです。

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