和紙

唐辛子
蛇足
■伝来
ナス科の一年草です。 とうがらしの学名は Capsicum annuumです。
このラテン語のカプシカム(Capsicum)は
カプセル(容器)の意味で、唐辛子の房の中が空洞であることに由来します。

唐辛子の原産地は中南米で、メキシコでは数千年前から食用として利用・栽培されていました。コロンブスがヨーロッパに持ち帰り、日本へはポルトガル人により、慶長年間(1596-1615)に渡来したようです。

因みに、唐辛子の「
」は、中国を意味するのではなく、舶来品を意味したものと言われます。中国に伝わったのは日本より後で、明の時代の末期(17世紀半ば)です。
南蛮辛子、高麗胡椒ともいいます。

渡来説には、秀吉の文禄・慶長の役の際に朝鮮から持ち帰ったとする説や、逆に、日本から朝鮮に伝えたとする説などもあります。

英語のred pepperのような胡椒(コショウ)を意味する表現は、コロンブスがコショウと勘違いして伝えたことからとも言われます。
各国の呼び名は、意外と聞いたことがある名前ですね。
イタリア :peperoncino(
ペペロンチーノ)
韓国   :
コチュ (コチュジャンのコチュです)
フランス :piment(
ピマン)
英語圏  :red pepper、chili pepper
ハンガリー:paprika(
パプリカ)

■唐辛子の仲間
辛味の強い品種から甘い品種まで世界中に500種以上(一説には2000〜3000種とも言います)あるといいます。
★ピーマン
フランス語の唐辛子を意味する「ピマン」が語源で、英語ではsweet pepperと言います。「ししとう」もこの仲間です。
★パプリカ
ハンガリー原産の、辛みの少ないか無い品種です。鮮やかな赤色で、通常粉末で売っています。

■辛い部分は?
唐辛子の辛味の主成分は、カプサイシンという物質です。
このカプサイシンは「ワタ:正式には胎座)」で作られますから、ここが最も辛い部分です。
種子にも多少は含まれますが、それほど辛さは感じません。

■トウガラシの効果
1.
カプサイシンのダイエット効果
体内に吸収されたカプサイシンは、血液によって脳へと運ばれます。
脳は、副腎へアドレナリンを分泌するよう指令し、アドレナリンが、沈着した脂肪を燃焼してくれるという仕組みです。
カプサイシンによる脂肪燃焼は運動によるのと違い、速効性があり、食後すぐに脂肪を燃やし始めます。

2.
減塩効果/免疫力アップ
カプサイシンには、舌が、少量の塩分で充分に塩辛さを感じることができるようになるという効果があり、結果として塩分摂取量が減少します。
また、風邪などの感染症に対する抵抗力が、2〜3倍上昇するとも言われています。

■雑なお話
★世界一辛いのは?
メキシコ産の
ハバネロという種類が一番辛いと言われています。
しかし、エスビー食品のHPによると「SBサンマックス」というエスビー食品が開発した品種のカプサイシンの含有量は、ハバネロの2倍〜3倍に達するそうです。

★トウガラシ地蔵
伝通院門前にある福樹院には「とうがらし地蔵」があります。
唐辛子を糸でつないでお地蔵様の首にかけておくと咳止めに効果があると言われています。

蛇足ですが、
伝通院は東京都文京区小石川にある浄土宗のお寺です。慶長七年徳川家康の母伝通院(生母お大の諡[おくりな])を葬ったので伝通院の名に改称しました。千姫の墓もあります。

★七味唐辛子と七色唐辛子
七味唐辛子は江戸時代の初期、寛永二年(1625年)に、からしや徳兵衛が、両国薬研堀(今の東日本橋)で売り出したのが最初と言われています。
香りのいい日本のスパイスをブレンドしてまろやかな味に仕上げていて、 食欲増進効果があります。

ところで、七種の組み合わせなんですが、実は完全に決まっているわけではないようです。

七味唐辛子の日本三大老舗の成分をみると、
・東京の「やげん堀」:寛永二年頃(1625)創業
唐辛子、山椒(さんしょ)、陳皮(ちんぴ:みかんの皮)、ごま、麻の実、けしの実、青海苔。
・京都の「七味家」:明歴二年頃(1656)創業
唐辛子、山椒、黒胡麻、白胡麻、紫蘇、青海苔、麻の実

・長野県善光寺の「八幡屋礒五郎」天文元年頃(1738)創業
唐辛子、山椒、陳皮、ごま、麻の実、生姜(しょうが)、紫蘇(しそ)

東京のやげん堀は「七色唐辛子」、京都の七味屋と善光寺の八幡屋は「七味唐辛子」として売り出したようです。ということで、歴史的には、関東では「七いろ」といい、関西では「七味」といっていたようです。

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