和紙

蛇足
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多くの動物は男女(雄雌)と2種類の性の種類を持っています。
実は性が2種類であることについてはまだまだ疑問が多いようです。
(8種類の性を持つ
ゾウリムシ、13種類の性を持つ粘菌、38種類の性を持つ繊毛虫なも存在するのです。)

実は性が無い方が繁殖の速度は速いのです。
分裂すればいいだけですし、すべての固体が分裂できるからです。
しかし、環境の変化には弱いといいます。

一方、性があると繁殖力は劣りますが、環境の変化に強くなります。
二つの固体が各々の遺伝子を混ぜ合わせることにより、少しずつ違った性質を獲得できるからです。
また、遺伝子組み替えにより、有害な突然変異を取り除けると言う説もあります。

そして、今有力視されているのが、
「赤の女王説」です。
ルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」に出てくる「赤の女王」です。
彼女は「同じところにとどまるためにも、全速力で走りつづけなければならない」とアリスに言います。
「赤の女王説」とは「性は病原性細菌やウィルスなどから逃れるための手段」と言う説です。
常に遺伝子を組替えていないとに病原性細菌やウィルスなどに負けてしまうというのです。

でも、同じ二つの性でも、カタツムリやウミウシ、ミミズのような雌雄同体の方がもっと効率がいいように思えます。
遺伝子の混ぜ合わせはできるし、すべての固体が子孫を産めるわけですから。
一方、「Vol.119 タンポポ」で書いたように最近、性を無くした生物もいるのですから不思議ですね。

■生殖の種類
生殖には実に多彩な形態が存在しています。
★有性生殖:一般にオスとメスで生殖します。  
 ・哺乳類など
★無性生殖:分裂によって増えていきます。  
 ・細菌類、プラナリア、ヒトデ、イソギンチャクなど。
★単為生殖:例えオスがいても、オスの存在は不要で卵だけで子供が生まれます。
 ・ミジンコ、アブラムシ、ある種のイモリ
 ・蜜蜂のオスは単為生殖で生まれます。  
 ・ある種のギンブナやグッピーの仲間は精子は必要ですが他種のものでよいので   す。精子は単なるきっかけに過ぎません。
★雌雄同体:一つの固体にオスとメスの機能を持っています。   
 移動しないものや移動の遅いものが多いようです。     
 ・カタツムリ、高等植物、ミミズ、ヒル、ゴカイ、カイメン、ホヤ、フジツボ、アメフラシ  
 ・チョウチンアンゴウ、クロアンコウは小さなオスがメスの体に合体し、最終的にはオスは生殖機能のみ残ります。    
 雌雄同体とは違いますが結果として、形態はよく似ています。
★性転換:都合によって性を変化させるものです。  
 ・ホンソメワケベラ(掃除魚の一種)    メスからオスに性転換します。  
 ・クマノミ(イソギンチャクと共生する魚) オスからメスに性転換します。  
 ・イソメ(多毛類、海岸の砂の中に生息)の一種    環境の変化などにより何度も性転換します。  

 魚類などは、哺乳類に比べて、性の固定が緩やかなようです。ですから、最近話題の環境ホルモンなどの影響を受けやすいと言えます。

■漢字の雌雄
漢字で雌雄を区別しているものがあります。
 ・
麒麟(きりん)  麒が雄、麟が雌。   
   勝海舟は通称、麟太郎。男なのに麟は変ですね。   
   麒麟ビールは最初は山羊の絵だったそうです。
 ・
鳳凰(ほうおう) 鳳が雄、凰が雌。   
   麻雀の一索の鳥、すずめではありません。鳳凰です。
 ・
鴛鴦(えんおう) 鴛が雄、鴦が雌。おしどりのことです。 
 ・
翡翠(ひすい)  翡が雄、翠が雌。かわせみのことです。 

変わったところで
 ・
虹霓(こうげい) 虹が雄、霓が雌。虹(にじ)のことです。   
  霓はと書くこともあります。   
 本当の虹を主虹と言いますが、その外側に色の順が逆になった虹がもう一本見えることがあります。副虹といいます。
主虹が雄、副虹が雌です。   
 古代中国人は虹を雌雄二匹の虫(蛇のこと)が空中で連なっている姿と見たようです。
 ・
(こうかい) オオヤモリのことです。蛤が雄です。   
  雌雄二匹セットで漢方薬になっています。

■♂、♀の記号の由来
由来は西洋占星術です。
♂は火星で、戦いの神を意味する
マルス(Mars)を象徴し、盾と矛を表す記号からきています。
♀は金星で、愛と美の女神を意味する
ビーナス(Venus)を象徴し、手鏡を表す記号からきています。
この記号を雄雌をあらわすのに採用したのは(1753年)、スウェーデンの植物学者
リンネ(1707〜1778)です。
彼は著書「自然の体系」の中で「種」を基本単位とした、現在でも用いられてい分類法を採用し、また分類階層の界、門、綱、目なども考案し「
分類学の父」と呼ばれています。

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