和紙

人名由来の言葉 日本編
蛇足
■□人名語源の言葉 日本編

★山勘(やまかん)
1.山師のカンの略と言う説
昔は、鉱山の探鉱は科学が未発達でしたから、もっぱら、山師の経験とカンによって行いました。それに由来すると言う説です。

2.
山本勘助の略と言う説。
彼は武田信玄の参謀をつとめた武将です。兵法家でもある彼は軍略にたけ、計略や奇襲を縦横に使い、その名を轟かせました。 そこから、策を弄することやごまかすことを山勘と言うようになったと言います。

★元の木阿弥(もくあみ)
1.「天正軍記」に載っている故事によります。
戦国時代、筒井順昭が病死したとき(永禄7年:1564)、後継ぎの順慶がまだ幼かったので、遺言で、声が自分に似ていた盲人僧、
木阿弥を身代わりにしました。 三年後、順昭の死を世間に公表し、木阿弥は元の一般人に戻ったといいます。

2.「元の木椀(もくあん)」の訛りとする説もあります。
朱塗りの椀も何年も使うと漆が剥げ落ち元の木椀に戻ってしまうことから来ているとするものです。

★のろま
江戸時代の人形浄瑠璃の
野呂松勘兵衛(のろまつ かんべい)に由来します。
彼は色の青黒い、いやしげな人形を使うのを得意としていました。
この人形は野呂松人形として評判をとります。
やがて、野呂松人形はのろま人形と呼ばれるようになり、のろま人形のように愚鈍で気のきかない人を「のろま」というようになったといいます。

一説には「鈍(のろ)し」+「まぬけ」からきたともいいます。

★金平ごぼう
明暦から寛文年間(1655-1673)頃、江戸で流行った人形浄瑠璃(
金平浄瑠璃と呼ばれる)の主人公、源頼光の四天王の一人である坂田金時(大江山の鬼退治で有名)の子、坂田金平(公平:きんぴら)と言う豪傑の名前に由来します。
金平ごぼうの硬くて辛いのを、
坂田金平の強さになぞらえたのが語源です。

金平と言う言葉は強くて丈夫なものに冠されたようで、辞書を引くとたくさん出ています。
金平娘なんて言う言葉もあります。 江戸時代には金平娘を単に「きんぴら」とも言ったようです。 大言海では「おきゃん(御侠)」の語源の一説をこの「きんぴら」に求めています。

★薩摩の守
無賃乗車や不正乗車のことです。
この使用例は古く、渡し舟の無賃乗舟に使われていたようです。狂言にも出てきます。
源平時代、平清盛の弟に
忠度(ただのり)と言う人がいました。
彼の位は薩摩の守でした。一の谷で討ち死にしています。
「ただのり=さつまのかみ」と掛けたシャレです。

もう一つの説は、
平忠度は和歌の名手で「
千載集(せんざいしゅう)」に「さざ浪や志賀の都は荒れにしをむかしながらの山桜かな」と載っていますが、読み人知らずになっています。
川柳では、このことを「忠度をただのせて置く和歌の巻」と詠んでいます。
これから、「ただのり=只載(ただのり)」からきているというものです。

★市松模様
徳川八代将軍、吉宗の時代に江戸中村座の歌舞伎役者、
佐野川市松が『心中万年草』の中で、小姓粂之介に扮したときに、紺と白を碁盤縞を並べた模様をかみしもに用いたところから、市松の名前をとって、「市松模様」または「市松格子」と呼ばれたものです。
それまでは「石畳の綾」などと言われていたようです。

■僧侶を語源とする語を集めてみました。
★隠元(いんげん)豆
江戸前期に来日した明の僧、
隠元禅師(1592-1673)が中国からもたらしたのでこの名前がついたと言います。

★沢庵(たくあん) 
1.「たくわえ漬け」の転化とする説が有力です。
たくわえ漬けは、すでに平安時代からあったようです。

2.沢庵
江戸初期の臨済宗の僧、
沢庵(1573-1645)がはじめたとする説です。
なぜ、彼の発明と言うことになったかは、  
1.「たくわえ」と沢庵の発音が似ていること、  
2.沢庵和尚の墓石がたくわえ漬けの重しの石に似ている からだと言います。

★ゴタゴタ
1.鎌倉時代に宋から来日した禅僧、
兀庵普寧(ごったんふねい:在日期間1260-1265)に因みます。
彼は北条時頼に招かれて来日し、大きな業績を残したそうです。
しかし、彼の言動は固定観念に囚われないものであったため鎌倉武士には不人気だったようです。
彼は理屈っぽく、簡単な話も複雑にし、話をこんがらかしたので「兀庵兀庵する」といわれるようになったとか。
「ごちゃごちゃ」と言う言葉も「ごたごた」の変化したものです。

2.「ごた」は「ご託宣」から来ているとする説もあります。、

★玄翁(げんのう)
玄能は当て字です。
玄翁和尚がこれで殺生石を砕いたという伝説に由来した鉄製の鎚のことです。
石工用と、大工用とがあるそうです。

★雪隠(せっちん)
1.
雪竇(せっとう)禅師が霊隠寺の便所で悟りを開いたとか、便所の掃除の担当だったとか彼に関する説。

2.西浄(せいちん:禅宗で便所の隠語)の訛り説。

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