和紙

蛇足
★べらぼう
二つ説があります。
1.寛文12年(1672)に大阪道頓堀で異様な人物の見世物がありました。
彼は名を
可坊(べらぼう)といい、全身真っ黒で、頭はとがり、目は丸くて赤く、あごは猿そっくりなだったといいます。
それから醜い人をべらぼうといい、後に相手を罵る言葉に変化したようです。

2.
箆棒(べらぼう)と書き、ご飯粒をつぶして糊をつくるヘラのことだと言います。
相手を罵る言葉「穀潰し野郎」に引っ掛けた表現です。

★川柳
もともとは俳諧の前句付(まえくづけ)に由来します。
元禄以降、滑稽、遊戯、うがちなどの性質を帯び独立し、鑑賞にたえる句を集めた高点付句集が多く出版されるようになりました。
やがて享保頃になると、点者の出題に応じた万句合(まんくあわせ)が江戸で盛んとなります。
そして、
柄井川柳(からいせんりゅう)が点者の代表的存在だったので「川柳」の名称が生まれました。

★文楽
寛政年間、淡路島出身の
植村文楽軒が大坂で操人形をはじめ、その一座の名前を文楽座と言いました。
そこから、義太夫節に合わせて演ずる操人形浄瑠璃の芝居のことを一般に文楽と呼ぶようになりました。

★知らぬ顔の半兵衛
知っていながら知らないそぶりをすることを言い、「半兵衛をきめこむ」とも言いますね。戦国の知将、
竹中半兵衛重治の故事からきています。
織田方は半兵衛の能力を認め、味方にしようと秀吉を何度も使いに出させます。
しかし、信長の礼を尽くした要請にもまるで取り合いませんでした。
この場面が人形浄瑠璃「木下蔭狭間合戦」(きのしたかげはざまがっせん)に描かれています。
その文句「そのとき半兵衛知らぬ顔」から、この言葉が生まれました。

他に前田利家(当時は犬千代)が竹中半兵衛相手に調略をめぐらせた時のこととする説や、浄瑠璃「心中二つ腹帯」のお千代、半兵衛から来ていると言う説もあります。

★サナダ虫(真田虫・条虫)
真田昌幸(まさゆき:幸村の父)の刀のつかを巻いた紐(真田紐)に似ていたから、こう名ずけられたと言います。

★土左衛門
享保のころの江戸の力士、
成瀬川土左衛門からきています。彼は巨漢で、色が白くぶよぶよした体型だったそうです。
そこから、溺死体のことを土左衛門と呼ぶようになったといいます。

人名ではないのですが・・・。
★名無しの権兵衛
1.江戸時代、深川にも遊里がありました。
深川芸者(*注)で有名ですね。
深川は、吉原のようにお上公認では無いので、女性を男性の名で雇い入れていました。 その男性名を権名と呼び、雇われたばかりで、まだ権名のない人を名無しの権兵衛さんと呼んだといいます。

2.東京赤阪にある
日枝神社(**注)の山車祭にまつわる手まり歌の一節に「山王のお猿さん赤いおべべが大好きで・・・名主の権兵衛さんが・・・」とあります。
この名主が名無しと間違って伝えられたために名無しの権兵衛さんとなったという説です。

(*)深川芸者:深川が江戸城の辰巳(東南)に位置していたんので辰巳芸者と呼ばれました。辰巳芸者は、もともと男が着る羽織を身につけ、男風の名前で座敷に出たため、羽織芸者とも呼ばれていました。

(**)神田祭とともに江戸の二大祭礼といわれました。延宝九年(1681)からは、神田祭と隔年に行われるようになりました。

★待ち針
本縫いを待つ針と言う意味で待ち針と呼ばれます。
もう一つ、眉唾ですが・・・ 待ち針には糸を通す穴がありません。
ここから「あるべきところに、穴が無い」と言うことで、俗説の小野小町閉陰説に掛けたという説です。小町針→まち針。

★万年筆
明治17年丸善が発売した当時は「針先泉筆」と言ったそうです。
この丸善で熱心にこのペンを売った人が通称万吉と言う人でした。
そこで「万さん筆」「万吉筆」と呼ばれるようになり、やがて「万年筆(まんねんふで)」→「万年筆(まんねんひつ)」と変化したといいます。

★ガッツポーズ
ガッツとは元々「腸」と言う意味です。日本語の腹の座った人と同じ発想でしょうか? ここから勇気のある人、忍耐力のある人の意味になり、やがて勇気、元気、根性と言う意味に変化しました。
で、ガッツポーズの方ですが、昭和49年の世界ライト級タイトルマッチで、戦前の予想を覆し、ガッツ石松がKO勝ちしました。その時彼が歓喜のあまりとったポーズがガッツポーズと呼ばれるようになりました。
ガッツポーズのガッツはガッツ石松のガッツと言うことになります。

(2004.5.23)
NHKの「ことばゲーム」で、次のように説明されていました。
ガッツ石松の世界タイトル戦は昭和49年。
しかし、昭和47年11月30日発行のボーリング雑誌、「週刊 ガッツボール」にガッツポーズと言う言葉が出ており、こちらの方が先であるとしていました。
なお、英語ではビクトリーポーズ。

■次の言葉は既出ですので、下の号を参照してください。
★八重洲   Vol.016
★八百長   Vol.048
★雪平なべ  Vol.056
★備長炭   Vol.082
★出歯亀   Vol.150の予定 ^^;

目次へ


和紙