和紙

コンクリート
蛇足
■コンクリートの欠陥
近年、コンクリートの欠陥がいろいろとりざたされますね。
しかし、コンクリートってちゃんと作れば100年だってびくともしないものです。
日本の初期の鉄筋コンクリート建造物の
荒川放水路の旧岩淵水門は建設中に起きた関東大震災にもびくともしませんでした。 現在は使われていませんが赤い色をして、完全な形で残っています。
他にも、1911年
横浜三井物産ビル、1927年 聖橋(ひじりばし)、今でも健在です。

★劣化の原因はいろいろあります、
1.
中性化:二酸化炭素が原因で中の鉄筋が錆びコンクリートが膨張する。
2.
塩害:塩素が鉄筋の保護膜を破り、錆びさせる。   
 これはよく水洗いしていない
海砂を使った場合などに起きます。
3.
アルカリ骨材反応:アルカリ成分が骨材と反応しコンクリートが膨張する。

他にも、最近問題になっているものに、
シャブコンと言われるものがあります。
普通は、セメント:水=100:55 なのですが、水を多く含んだほうが、機械化された現代、作業がしやすいので、必要以上に水を入れるのです。強度も落ちますし、劣化も早いようです。
昔は手作業でしたから、水分の多寡は作業に余り影響を与えませんでした。
ですから、昔のものがしっかりしているのです。
今のようにジャブコンにする必要が無かったと言えます。
しかし、もっと違うのは、技術者や現場の作業員の認識かも知れません。
多くの欠陥個所が見つかった、山陽新幹線の場合も、はっきりと、技術力の低下ではなく、技術者のモラル低下による事件だとされています。

上に述べた岩淵水門を造ったのは
青山士(あおやまあきら:1878〜1962)と言う人です。彼はパナマ運河の設計に携わったことでも知られています。
彼は、手で触るだけでコンクリートの水の配分の良し悪しがわかったと言います。
また、彼は業者の付け届けを一切拒否したとも言われています。

最近、"日本がおかしい"のは、営利主義に走り、本来の在るべき姿を見失っているからではないでしょうか?

■モルタルとコンクリート
この両者の違いわかります?
簡単に言うと、「
モルタル」というのは砂をセメントで固めたもので、「コンクリート」は小石をセメントで固めたものです。

■セメントの語源
セメントの語源ですが、cementという言葉には元々"固める、接合する、結合する"という動詞と"固めるもの、結合させるもの"という名詞的な意味合いがあったものが、19世紀の初頭より現在のような材料の固有名詞として一般的にも広まったというのが定説のようです。
なお、おおもとはラテン語の(caedere切る+-mentum=石切場で切られた粗雑な石片)だそうです。
コンクリート(Concrete)の方は、ラテン語の concretus(con-共に+crescere 成長する+-tus 過去分詞語尾)で、「いろいろなものがくっつきあって固まったもの」の意味です。

■セメントの歴史
★セメントに近いものは、古代エジプト、ギリシャ時代にも使用されていました。中国でも、約5000年前の住居址の床面にセメント系の材料が使われていたと推測されています。

ローマはギリシャ文化の継承でほとんどオリジナリティーのある発明をしていませんが、技術面での唯一の発明といわれるのがコンクリートです。
ヴェスヴィオス火山の豊富な火山灰に石灰を混ぜてセメントを作ったのです。

★ポルトランドセメント
現在使用されているセメントは、ポルトランドセメントと言われます。 これは、 1824年に英国人のレンガ職人アスプジンがその製造方法の特許を取得しました。
石灰石を粉砕して焼いたものに粘土を混ぜ、水を加えて微粉砕し、さらに炉で焼いて粉砕したセメントです。

なお、名前は
ポートランド島から産出される石材の色とよく似ていたためポルトランドセメント portland cement と命名されたといわれます。

■セメダイン
セメダインと言えば接着剤の代名詞ですね。
これは、創設者、
今村善次郎(1890-1971)が当時市場を席捲していたメンダイン(英国製:ニカワを化学処理したもの)に対抗して開発した物です。
名前の由来は、
セメント+ダイン(力の単位)で、強い接着力をイメージし、さらに、外国を"攻め出す"の意味をこめたと言います。

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