和紙

蛇足
■柿
★原産
柿は
日本原産の果物といわれますが、はっきりしません。中国説も有力です。
縄文・弥生の遺跡からも出土します。ただ、現在のように大きな実のなるものは奈良時代に中国から伝来したと言います。

甘柿の出現は鎌倉時代のようで突然変異によるもののようです。
柿の中の黒い粒々、あれが渋みの元ですが、実が熟すにしたがって非水溶性になり人の舌で渋みを感じなくなるのです。

日本の柿は、16世紀頃にポルトガル人によってヨーロッパに渡り、東洋のリンゴと言われました。そのため「
Kaki」で通用します。
学名もディオスピロス・カキ(Diospyros Kaki)です。
"Diospyros"とは「神の食物」という意味です。

★語源
赤い実の成る木なので「赤木(あかき)」の上略と言う説があるのですが、よくわからないようです。

★カキノキ科
世界に三属約500種もあります。インド、マレーシア地区を中心に多く分布していて、実の成るものは食用にされます。
黒檀(こくたん)はインド南部やスリランカで育ち、家具や楽器等に用いられます。
日本の柿の心材も淡黒色または黒色で、堅く緻密なので家具や器具に用いられ、特に黒色のものは黒柿と呼ばれ、黒檀の代用として珍重されます。

■干し柿
干柿は「
延喜式」(平安中期の法典)に祭礼用の菓子として載っています。
★和菓子の甘さの基準
「和生菓子の甘さは干し柿をもって最上とする」という言葉があります。
柿は酸味が少なく、干し柿だと糖度が40〜70%にもなります。
砂糖など無い時代、甘味の優等生だったのですが、砂糖が出てきた現代でも、干し柿の甘さがくどくないちょうど良い甘さだと言います。

★柿霜
干柿の表面につく白い粉は、柿の乾燥に伴って、果肉の中の糖分が表面で結晶化したものです。成分は果糖とブドウ糖です。
砂糖のない時代、この白い果粉がかき集められて「柿霜」と呼ばれ、現代の砂糖のように甘味料として使われたと言います。貴重品だったようです。
千利休も茶菓子に用いたとか。

★硫黄燻蒸(いおうくんじょう)
柿に少し紅がさした時点で収穫し皮をむきます。
干す前には硫黄を燃焼させて燻蒸します。
発生した亜硫酸ガスは水分によって亜硫酸になります。この亜硫酸はタンニンの酸化を防止し、あめ色の綺麗な干し柿が出きます。
また、殺菌力もありカビや変質を防ぎます。

■雑
★パーシモン(persimmon)
最近は金属などに取って代わられていますが、
ゴルフクラブに使われてきました。
しかし、この木は、日本の柿とは種(しゅ)が違います。
ゴルフクラブは最初、
ブナ材(ビーチ)でした。現在博物館に残っているアンティーククラブはほとんどこれです。1590〜1890年の300年間使われたそうです。

このブナは英語の古語で
buckと呼ばれ、バッキンガムの語源ですし、本(book)の語源もそうです。紙の無い時代この木の樹皮に文字を書いたことによります。

★シブオール
柿の渋の成分でタンニンの一種です。すべて柿に含まれています。
シブオールは血管を強くする働きがあり、高血圧や脳卒中などの予防に効果があるといわれます。

★柿渋
柿渋は渋柿を砕いて絞った汁を発酵熟成して作られます。主成分はタンニンです。
防腐効果や耐水性があり、漁網、傘,団扇、渋紙、雨合羽などに塗られていました。
建築物の塗装にも利用され、専門の渋塗職人がいました。

また、最近
老人臭の原因と言われるノネナールの消臭に有効で化粧品に利用され始めています。

★日本最初の特許
明治18年「鉄・銅製品のサビ止めの塗料とその塗り方」が日本の特許第一号です。
この塗料は漆、柿渋、アルコール、鉄粉などを素材にしたものだったそうです。

★柿と酒
柿は悪酔いを防ぐと言います。
タンニンやペクチンにアルコールの吸収を抑える働きがあります。
また、二日酔いも良いと言います。
豊富なビタミンCが副腎の機能を回復し、柿の利尿作用が代謝を良くします。

★柿の種
お菓子の柿の種は、大正12年新潟生まれだそうです。
現在でも、そのほとんどが新潟産です。

ピーナツと混ぜた
柿ピーはピーナツ業者がピーナツの販売拡張をねらって出したのだとか。今ではビールのおつまみに欠かせないものですね。

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