和紙

宝石
蛇足
今日は宝石のお話です。
ダイヤモンドと真珠は以前、取り上げましたから、その他の宝石についてです。

明治42年(1909)
11月11日、農商務省が宝石の重さの単位にカラット(1ct=200mg)を採用することを決定しました。
宝石の日はこれを記念して日本ジュエリー協会が 制定したものです。

★宝石の分類
宝石は約50種類ほどあるそうですが、大きく分類すると次のようになります。
 無機質   
  結晶質:水晶、エメラルド、ラピスラズリ、ダイヤモンド、ルビーなど   
  非晶質:黒曜石、めのう、オパール、トルコ石など  
 有機質   真珠、琥珀(こはく)など

★ルビー(ruby 紅玉)
ルビーの基本成分は酸化アルミニウム(Al2O3)です。赤い色は、微量のクロム(Cr)や鉄(Fe)によるものです。
ルビーはラテン語の、赤色という意味rubeusに由来します。

ピジョン・ブラッド(鳩の血)と呼ばれる赤色が最高です。
また、山型にカットした時6本か12本の星条の光が見られるものを
スター・ルビーといい、希少価値の高いルビーの中でも、最も高価です。

☆サファイア(sapphire)
サファイアも実は同じ酸化アルミニウムから出来ています。こちらは微量の鉄やチタン(Ti)によって青い色が出ています。
サファイアはギリシャ語で青色を意味するsappheirosから来たとされています。
他に、サンスクリット語の「サターンの石(Saturn+priya)」から来たという説もあるようです。

サファイアの青色の中でも、かすかに紫がかった濃いブルーで「カシミール・サファイア」、または「コーンフラワー・ブルー(矢車草色)」といわれるものが最高級品だそうです。

★エメラルド(emerald 翠玉)
緑柱石[Be3Al2(SiO3)6]に、微量なクロム(Cr)が混入して、鮮やかな緑色となったものです。
ギリシャ語の緑の宝石を意味するsmaragdosが語源ですが、その元になったのは、サンスクリット語のようです。

伝説によると、キリストの最後の晩餐で用いた杯は(一説には、磔になったキリストの血を受けた杯とも言われます)、見事な色のエメラルドから作られていたと言います。
このエメラルドの杯は、若さと純潔を保たせ、命を延ばす不思議な力があると言い伝えられ、一団の騎士によって護られていたといいますが、結局、行方不明になってしまったようです。

映画「インディ・ジョーンズ・最後の聖戦」(1989年 アメリカ)はこの
聖杯を探すと言うのがテーマになっています。
なお、この聖杯はアーサー王伝説にも登場します。

☆アクアマリン(aquamarine)
名前は、ラテン語のアクア(水)とマリン(海)に由来します。美しい海の色です。
鉱物的には、エメラルドと同じ物質ですが、海の青色のものをアクアマリン、緑色のものをエメラルドと呼び分けているのです。

★アメシスト(amethyst) (アメジストと濁らないのが正しいようです、あえて書くとアマシストと聞こえます。アにアクセント。)
紫水晶のことです。
アメシストの語源は古代ギリシャ語の「酔わない、酔いどめ」という意味の「アメタストス(amethystos)」といわれます。
現代でも西洋ではアメシストは酒に強くなる石と信じられているようです。

ギリシャ神話では、次のようなお話になっています。
ある時、酒の神
デュオニュソスが月の女神アルテミスの侍女アメシストを家来のピューマに襲わせようとしました。アルテミスはピューマの牙から守るためアメシストを大理石に変えます。
これを見たデュオニュソスは反省し、アメシストの体にブドウ酒をかけてやりました。すると、アメシストの体が紫色の宝石に変化したのでした。

ところで、水晶とは「水の結晶」という意味です。(実際は違いますよ!^^;)
一方、英語では、Rock crystal で、「岩の結晶」の意味ですから、英語の方が正確ですね。クリスタル(crystal)は「結晶」を意味します。
しかし、このクリスタルの語源はギリシャ語の「清らかな氷」と言う言葉ですから、やはり水に結びついてきます。面白いですね。

なお、クォーツ時計のquartzは石英の意味です。

★琥珀(こはく)
中生代から新生代にかけて繁茂していた樹木のヤニが地中に埋没して石化したものです。透明か半透明で、一般に黄色味を帯びていて、脂肪性のつやがあります。摩擦によって静電気が発生しやすい性質があります。
中に昆虫などを閉じ込めているケースがあり、あの映画ジュラシックパークは、琥珀に閉じ込められた蚊の吸った血から恐竜をよみがえらせるお話でした。

琥珀と言う呼び名は古代中国で、死んだ虎の肉体の「
気魄」が、大地に帰したものと考えられた事に由来しているそうです。
ギリシャ語では
エレクトロンで、電気を意味するエレクトリシティの語源になっています。

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