和紙

蛇足
■語源など
★ゆき
"ゆき"の語源は神の御幸から来たとする説があるんですがはっきりしません。
"セツ"の音は「潔(ケツ)」が「セツ」に代わったもので潔白なものの意味があります。

★雪の本字は雨冠(あめかんむり)に彗です。
彗の意味は箒(ほうき)で掃(はら)うと言う意味です。

★雪の異称
雪の異称は沢山あります。
その形から、六花(りっか)、六出(りくしゅつ)、六辺香(ろくへんこう)など、
様子から、鵝毛(がもう)、玉の屑、玉塵(ぎょくじん)
他に香のない花の意味で不香(ふきょう)の花や、豊年のしるしとして瑞花(ずいか)、 面白いところでは、犬の伯母(おば)というのもあります。雪が降ると犬が喜ぶからだとか。

■雪の科学
★富士山の初雪
富士山は夏でも雪の降ることがあります。そこで、初雪の定義が難しくなるのですが、気象庁では、その年の最高気温を記録した後に始めて降った雪を初雪としています。 富士山の終雪の平年日は7月10日、初雪のそれは9月12日です。

★降雪量と積雪量
降雪量とは一定時間に降った雪の量のことです。
雪の上に雪板という板の上に垂直にものさしが立っているような形状のものを乗せ、一定時間後にどれだけ積もったか測ります。
一方、
積雪量は自然に積もっている雪の量で、レーザーや超音波を使って、雪面からの反射を測って、積もっている雪の量を計算します。(積雪深計)
アメダス(AMeDAS:Automated Meteorological Data Acquisition System 全国1300ヵ所)で測定します。
アメダスは、降水量・気温・日照・風向・風速・積雪の深さ等を測りますが、すべての観測点で全項目観測するのではなく、観測場所によって観測項目が決まっています。

★融雪剤
現在融雪剤として塩化ナトリウム(食塩)が使われていますが、塩害によって車が錆びたり植物への影響が問題にされています。
青森県では、リンゴの絞りかすとホタテ貝の貝殻で酢酸カルシウムを作り融雪剤としての実用化を進めています。
数年のうちに実用化されるそうです。産業廃棄物の利用と塩害の防止、いいアイデアですね。

★日本海側の地盤の沈下と降雪
日本海側は積雪の重みによって冬場 0.5cm〜1cmほど地盤が沈みこんでいるんだそうです。
この雪が溶けてなくなる春から夏にかけて北日本では地震が多いのもこの関係ではないかと言うことです。

■雪の結晶に魅入られた人々
★中谷宇吉郎(1900-1962)
彼の言葉「雪は天から送られた手紙である」は有名ですね。
寺田寅彦に師事。
世界で初めて研究室内で雪の結晶を作ることに成功します。北大教授。

蛇足ですが、寺田寅彦は東大の物理学の教授でしたが、
漱石門下として多くの随筆・俳句も発表しています。
なお、漱石の「我輩は猫である」の水島寒月は寺田寅彦がモデルではないかと言われています。ペンネームは吉村冬彦。

★土井利位(としつら:1789-1848)
下総国古河の藩主で、「雪草図説」(天保3年1832刊)を出しました。
続編とあわせ、顕微鏡で195種類にものぼる雪の結晶を記録しています。

★ベントレー(Wilson A.Bentley:1865-1931)
アメリカの農夫で40年間にわたって雪の写真を撮り続けました。
中谷宇吉郎は彼の写真を見て、人工的に雪の結晶を作ることを思い立ったといいます。

■言葉
★雪見
江戸向島の長命寺(隅田川七福神の一つで弁財天を祀る)に
芭蕉の雪見の句を刻んだ石碑があります。
   いざさらば雪見にころぶところまで 芭蕉「花摘」
なお、決定稿は
   いざ行かん雪見にころぶところまで 芭蕉「笈の小文」です。
江戸の人は物好きで、いえ、風流で(^^;)、口実をもうけては出かけたようです。
花見、月見、虫聞き、菊見、雪見などなど。
でも、今の私たちから見ると、次の川柳の方が共感がわきますね。^^;
   この雪に馬鹿ものどもの夢の跡

さて、今の東京は雪がほとんど降りませんが、江戸時代はどうだったのでしょう?
実は、江戸時代は
小氷期と呼ばれ、気温が現在より1〜2度ほど低かったようです。 最近、温暖化で零点何度上がっただけでも世界中で異常気象です。
1〜2度も低いと、結構雪が降ったと思われます。
1822年2月に品川で2mの積雪の記録も残っているそうです。

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