和紙

味噌
蛇足
■語源
味噌の語源は一般には醤油の一歩手前「
未だ醤(ひしお)にならず」と言う意味で「未醤(みしょう)」と呼ばれたことから来ていると言います。
また、朝鮮語の「
蜜祖(ミソ)」に由来するとする説もあります。

しかし、萩谷朴氏によると少し違います。
和妙抄(わみょうしょう:平安中期の漢和辞書)」には、末醤→未醤→味醤と変化してきたと記載されています。実際、各地で発掘される木簡でも、末醤と未醤が相半ばするといいます。
搗末した醤と言う意味です。つまり、ついて粉にした醤の意味です。
ただし、粉と言っても、粉末を意味するのではなく、粒状ていどのようです。
つまり、末醤とはいったん味噌になったものをつき砕いて、今日の粒味噌か練味噌程度にしたものをさすようです。

■味噌の種類
★材料による分類 味噌は材料によって三種類に分けられます。
米味噌、麦味噌、豆味噌です。 大雑把なシェアは、米:麦:豆=88:7:5 くらいです。

☆米味噌…麹に米を使う一般的な味噌です。麹や塩の割合で味や色が変わります。 西京味噌、信州味噌、仙台味噌などがこれです。
☆麦味噌…麹に大麦などを使う味噌です。 九州・沖縄地方や四国の一部と山口県などの温かい地方で造られています。
☆豆味噌…大豆だけで作る東海地方特有の味噌です。八丁味噌がそうですね。 香は弱いのですが、うまみ成分のグルタミン酸が豊富です。

★赤味噌、白味噌
原料は同じです。大豆・米こうじ・麦こうじ・塩。
赤味噌:大豆を蒸して作ります。残ったアミノ酸が褐色に変わり色がつきます。
白味噌:大豆をゆでます。ゆで汁と一緒にとけたアミノ酸を捨ててしまうので変色しないのです。

★赤だし
「赤だし」は豆みそと米みそを混ぜた「調合みそ」と呼ばれる味噌です。

■言葉
★味噌をつける
昔から、味噌は火傷に効くとされてきました。火傷はうっかりして熱いものに触った時になりますね。ですから、味噌をつけている人はしくじった人と考えられたようです。
味噌が火傷に効くというのは科学的に実証されていないそうです。
他に、器に味噌がつくとみっともないことからきたとする説もあります。

★手前味噌
昔は味噌は各家庭で作るものでした。ですから自分の家の味噌の出来具合を自慢しあったようです。そこからきた言葉です。
江戸時代の言葉をみると、味噌を
自慢の意味に用いているものが多いようです。
味噌を揚げる(自慢する)、駄味噌(つまらない自慢)、味噌な奴(自慢げなこと、生意気なこと)、味噌気(自慢げ、うぬぼれ気味)など多くあります。

「おしゃか様生れ落ちるとみそをあげ」 柳多留拾遺

しかし、逆に
馬鹿にし、さげすむ場合もあります。
味噌すり坊主(寺で雑用をする僧、僧をののしる場合)、味噌用人(旗本の家などで家事にあたる家来を軽蔑して言う)

「味噌用人は口もまめ足もまめ」 柳多留

★糠味噌(ぬかみそ)が腐る
糠味噌がおいしくなるには微生物が活発に働くことが必要です。そこで糠味噌の桶には蓋をしません。ですから、強い風が吹くとほこりや砂が入ります。
そこで昔は最初に気づいた人が大声で風が吹いてきたことを知らせたそうです。
風を知らせる大声の連想から、いつしか、変な声を出すと糠味噌が腐ると言う言葉が出来たと言います。

★味噌っかす
味噌っかすは味噌を作る過程で濾したときに出る大豆の皮などのかすのことです。
これは捨てるしかなく、クズとか取るに足りないものを指すようになりました。
昔、子供達は年長のガキ大将がいて小さい幼児まで一緒に遊んでいました。ですから幼児達をはたから見ると間が抜けているようにみえました。そこで大人たちはこういう年少者達をやさしさを込めて味噌っかすと呼んだと言います。

■雑
★チェルノブイリと味噌
1986年にチェルノブイリ原発事故がありました。
その時、ヨーロッパに「味噌に放射能障害の予防効果がある」といううわさが広がりました。
根拠は長崎で医師をしていた
秋月辰一郎氏の本が「NAGASAKI 1945」として翻訳出版され、その中に患者の救助や看護にあたった人がいわゆる原爆症にならなかったのは味噌汁を毎日飲んでいたからだと、私は確信しているという記述があったからだと言います。
これがきっかけでヨーロッパでも味噌が次第に浸透していきました。
なお、放射能に対する効果は動物実験で確かめられています。

★タバコのヤニと味噌
味噌にはタバコのヤニを溶かす効果があります。昔は煙管(きせる)を味噌汁で洗ったといいます。
ですから、タバコで歯の色が変色している人は味噌で歯を磨くといいそうですよ。
気持ち悪そう。^^;

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