和紙

癌(がん)
蛇足
不治の病と言われた「がん」、最近はずいぶん様子が変わってきているようです。
がん患者の5年後生存率は1980年代に50%台だったものが、90年代には60%台へとずいぶん改善されてきています。
しかし、1981年以来、いぜん死因の一位ですし、3人に一人は癌で死んでいます。

■がんの名前の由来
「やまいだれ」が病気を表します。そして、「嵒」が堅い塊が連なると言う意味と"がん"と言う音を表しています。

英語
cancerの由来は「Vol.099蟹」を参照して下さい。

一方、良性腫瘍の
ポリープpolypの語源はギリシャ語のpoly(たくさん)+ podus(足)だそうです。

■がん細胞
がんになった細胞は進行の早いがんの場合で100日に1回細胞分裂します。
あとは倍倍ゲームで増えていきます。
しかし、細胞は小さいので1cm角になるのに3,000日(約8年3ヶ月)かかります。(細胞の数は約11億個弱です。)
でも、ここからは大変です。倍倍ゲームですから
1,000日(約2年9ヶ月)後には1,024倍、つまり10cm角の大きさになります。

■がんの原因
がんの原因として挙げられる主なものは、
たばこ、排気ガス、放射線、紫外線、ウイルス、偏食など。遺伝は5%ほどだそうです。
現在はっきりしている発癌物質は300種類もあります。

なかでも、タバコは最悪で、ベンツピレンやニトロサミンなど数十種類も含んでいます。

ピロリ菌やB、C型肝炎ウイルスなど、ウィルスや細菌が関係するものもあります。

■ポリープとがん
どちらもまず粘膜が傷付くことが原因ですが、
ポリープは正常細胞が増えていき、傷を修復するとき、勢いあまって盛り上がったものです。
一方、がんの場合は発がん物質が正常細胞の遺伝子を傷つけて、がん細胞ができ、それが増殖したものです。

■抗癌剤
★抗癌剤の正式な名前は?

抗悪性腫瘍剤」が正式な名前です。日本では60種類ほどが認可されています。

★抗癌剤
従来の抗癌剤は細胞の分裂に注目してきました。がん細胞は分裂が激しいので、分裂の激しい細胞をやっつけようと言うわけです。
ところが、正常細胞でも活発に分裂するものがあります。髪・骨髄・胃腸の粘膜などです。
そこで、副作用が起きてしまいます。髪が抜ける、吐き気、下痢、発熱、白血球・血小板の減少など、いずれも活発に分裂する細胞が抗癌剤によって攻撃されたため起こる現象です。

★放射線治療
沢山の方向から、弱い放射線をがんに向けて照射します。そのためにがん細胞にだけ多く当たり、周りの正常な細胞には少なく当たるようになります。
現在では「
原体照射」という、がんの形に合わせた照射方法まで行われています。

★癌との共存
最近、注目されているのが、がんとの共存を図る治療法です。
がん細胞をすべて殺すのではなく、共存しようというのです。つまり、寿命で死ぬ以前にがんで死ぬのを防げばいいわけで、がん細胞を無くしてしまう必要は無いのです。
一つの方法が抗癌剤投与を少量にし回数を増やすと言うものです。

★分子標的薬
今までの抗癌剤は健全な細胞にも影響を与えました。この分子標的薬はがん細胞だけに選択的に働くと言います。
がんの増殖信号を妨害するものやがんに栄養を与える血管を作るのを阻害するものなどがあります。

乳がん用新抗がん剤「トラスツズマブ(
パーセプチン)」は、がん細胞の"増殖の指令を伝える鍵"の入る鍵穴を塞いでしまおうと言うものです。がん細胞は鍵穴が正常細胞の数万倍も存在するので、この鍵穴を塞いでしまおうというのです。たくさん鍵穴があるので容易に塞ぐことが出来るというのです。

日本で世界に先駆け認可された肺がん用の
ゲフィチニブも分子標的薬です。このゲフィチニブ、副作用が少ないとされていましたが、死者が多く出ているようですね。

他に、
グリベック(慢性骨髄性白血病)などもあります。


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