和紙

焼酎
蛇足
今日は焼酎のお話です。酒税法の改定により、安いお酒と言うイメージが少し薄れましたが、依然として人気があるようですね。
以前は臭いと敬遠されていたのが、最近は香りがいいと言われるようになっているのだそうです。ちなみに、私は球磨焼酎が好きです。^^;

■醸造酒と蒸留酒
蒸留酒は醗酵してできた醸造酒を熱して蒸気にし、再び冷やして液体に戻したものです。
焼酎の他には、ウィスキー、ブランデーなどがあり、度数が高いのが特徴です。
焼酎は麹(こうじ)で澱粉を糖化し、アルコール醗酵させて蒸留したものです。

■焼酎の語源
「焼」は蒸留することを意味しています。
中国では、蒸留酒のことを一般的に"
白酒(ぱいちゅう)"といい、マオタイ(茅台)酒などがこれに属します。そして、この白酒のことを"焼酒"とも言います。
蒸留酒に焼くという言葉をつけるのは、ヨーロッパにもあり、
ブランデー(brandy)はオランダ語の焼いたワインを意味するBrandewijnが語源です。

さて、"酎"の字の方ですが、これには濃い酒と言う意味があります。
しかし、なぜ、焼酒が焼酎になったかは不明なようです。

■焼酎の起源
蒸留酒の起源ははっきりしませんが、紀元前800年〜750年頃にはインドやエチオピアで蒸留酒が作られていたと言います。

その後、蒸留技術はアラビアを経て、東に伝わります。
本草綱目」(1596)によると中国に伝わったのは、元(1271-1368)の時代とされます。
一方、焼酎に最も近いとされるラオロン酒がタイなどの東南アジアで作られました。
これが、15世紀頃に沖縄に伝わり、泡盛(あわもり)が作られます。
日本本土への伝来は16世紀だとされます。

日本への伝来は他に倭寇により南海諸国から伝来したとする説や、朝鮮半島経由の説などもあります。
日本へ伝わった当初は、消毒用や薬用とされていたようです。

記録的には
・「
朝鮮王朝実録」の1404年と1407年に朝鮮の太宗から対馬領主宗貞茂へ送られた記録があります。

・琉球の焼酎は、琉球に漂着した朝鮮の船の見聞を記した「
李朝実録」に「味は朝鮮の焼酒に似て、数杯飲むだけで大酔いするほど強いものがある」という記述があります。1477年頃

・ザビエル(1506-1552)にポルトガル船の船長アルバレスが書き送った「
日本の諸事に関する報告」の中に薩摩の人が「米から造るオラーカ(orraqua:焼酎のことらしい)」を飲んでいると言う記述があります。1546年。

日本の記録では
鹿児島県大口市の郡山八幡神社(国の重要文化財指定)の天井裏から発見された棟木札に、社殿の普請にあたった宮大工の作次郎と助太郎が、座主がケチで一度も焼酎を飲ませてくれなかったと言う不満を記したものが残っています。1559年。

■甲類・乙類
焼酎には甲類と乙類があります。

甲類は明治の末期に日本に入ってきたようで、何回も蒸留を繰り返したアルコール純度の高いものを薄めて作ります。原料は安価な糖蜜などを使います。
アルコール分は36%以下です。

乙類の方は、本格焼酎とも言われ、伝統的な焼酎で、1回だけ蒸留します。
原料は甘藷、米、麦、蕎麦など澱粉が含まれればよく、最近は変り種の焼酎(ニンジン焼酎、コーヒー焼酎、シイタケ焼酎、ピーナッツ焼酎、トマト焼酎、牛乳焼酎)もいろいろ作られているようです。
アルコール分は45%以下です。

■焼酎の種類
酒税法では清酒は米、ワイン(果実酒)は果実、ウィスキーは発芽した穀類と原料がはっきりしているのですが、焼酎は使ってはいけないものを規定しているだけなのでいろいろなものが使えます。

米焼酎 熊本県南部 球磨地方(人吉市周辺)のものが有名です。
泡盛 沖縄県 インディカ米を原料としたものです。
芋焼酎 鹿児島県、宮崎県南部 主にコガネセンガンと言う品種のさつま芋が原料です。
麦焼酎 長崎県壱岐、大分県、宮崎県 麦焼酎は壱岐地方が発祥の地です。
そば焼酎 宮崎県 高千穂地方などで作られています。
黒糖焼酎 鹿児島県奄美地方 サトウキビが原料です。酒税法で奄美地方にだけ認められています。

★飲み方

お湯割で飲む人も多いでしょうが、本当においしく飲むには。あらかじめ軟水で割り、数日間常温で寝かせ、飲むときに遠火で45℃程度に、ゆっくり暖めるのがいいそうです。
世界中で蒸留酒をお湯で割るのは焼酎だけのようです。これは、日本酒のお燗の影響があるのかもしれません。
もっとも、最近はチューハイなど冷やして飲むのも流行っていますが。


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