和紙

玉(たま)
蛇足
■「たま」を意味する漢字
は宝石や美しい石の総称です。
 
鋼玉はルビー(紅玉)やサファイアなど、酸化アルミニウム鉱物の総称です。
は真珠を意味します。
(へき)は環状の平たい大玉で、環の幅は中央の穴の直径の約2倍。
 中国の故事によく登場します。
 完璧や双璧はこの字です。壁(かべ)と間違わないようにネ。^^;

★翡翠(ひすい:Jade)
中国や台湾では、翡翠は玉と呼ばれ、天子の石とされ、崇拝や権威の象徴でした。
故宮博物院に行くと、多くの翡翠で作られた宝物があります。
硬さはそれほどではないのですが、粘り強く割れにくい宝石です。
中国の宝石という印象が強いのですが、中国では全く採れません。
硬玉は普通、翡翠を指します。

■言葉
★珠玉
(しゅぎょく)
珠が海から産する玉で、玉が山から産する玉。つまり、真珠と玉を指します。
美しいもの、立派なものをほめたたえる言葉です。
よく「珠玉の作品」と使われますが、詩やあまり長くない文章などに使います。

★善玉・悪玉
昔から、玉は「人」を形容するのに使われたようです。魂(たましい)からの発想という説があります。
善玉・悪玉が最初に登場するのは、江戸時代の
山東京伝作「心学早染草」です。
人物の顔が丸の中に「善」「悪」と書かれているものです。
当時流行った「勧善懲悪」の思想を庶民にわかりやすくするために、このような表現形式を採ったようです。
これが大評判になり、多くの書物に使われるようになりました。

他に、
上玉と言う言葉は花柳界などで美人をいう語として使われました。

★玉の輿(こし)
玉とはもともと宝石のことを指すのですが、すべての物事の美称として用いられるようになっています。
玉の輿とは貴人の乗る美しい乗り物のことです。そこから、女性が結婚などによって富貴な身分になることを言うようになりました。

■中国の故事から
★和氏の璧
(かしのたま)
韓非子の卞和(べんか)篇に載っている話です。
楚の卞和と言う人が名玉となる原石を見つけました。そこで楚の脂、(れいおう)に献上したのですが、ただの石だとして左足を切る罰にあいました。
次の武王に献じたところ、同じ理由で右足も切られます。三代目の文王になって、初めて認められ、原石を磨いたところ、歴史に残る名玉となったという故事に由来します。

次の、完璧の故事から「
連城の璧」とも呼ばれました。

★完璧
「史記‐廉頗藺相如伝」に載っています。
藺相如(りんしょうじょ)は戦国時代の趙の恵文王に仕えた名臣です。(B.C.3世紀)
秦の昭王が申し出た、名玉、和氏の璧を15の城と交換するため秦に使いします。
しかし、昭王が約束の城を与える気がないのを見破り、璧に瑕(きず)があるから教えましょうと受け取り、今にも破壊しようとします。驚いた昭王は失礼を謝ります。
相如は璧を全うして趙に持ち帰りました。

彼と名将
廉頗(れんぱ)との関係は「刎頸(ふんけい)の交わり」として有名です。

☆刎頸の交わり 「史記‐廉頗藺相如伝」
たとえ首を斬られても悔いないほどの深い友情で結ばれた交際のことを指します。

★玉に瑕(きず)
淮南子の「説林訓篇」には、「鼠の穴を修理しようとして門を壊してしまったり、にきびを潰して面疔(めんちょう:顔面にできるおでき)になるのは、真珠に傷がついていたり、玉に瑕があったりする場合、そのまま放って置けばいいものを、傷を取ろうとして壊してしまうようなものだ」とあります。
中途半端なことをすると、逆に事態を悪化させると言う意味で、日本の意味とは全く違いますね。

一説には、同じ「説林訓篇」に「白璧(はくへき)でも、考(きず)があれば宝物とは言えない」と言う意味の言葉がでてくるので、それとの混同ではないかとも言います。

★玉琢(みが)かざれば器を成さず、人学ばざれば道を知らず
「玉不琢不成器、人不学不知道」(
礼記:らいき)
すぐれた人も、学問・修養をしなければ有用の人になることはできないと言ういみです。「玉磨かざれば光なし」と同じ意味ですね。

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