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干潟・湿地
蛇足
諫早湾三番瀬藤前干潟など干潟や湿地の保全が大きな社会問題になっていますね。今日はそんな干潟・湿地のお話です。

■干潟・湿地
★ラムサール条約

1971年にイランのラムサールで開催された国際会議で採択された条約で、正式名称を「
特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(Convention on Wetlands of International Importance Especially as Waterfowl Habitat)」といいます。
条約締結国は、渡り鳥など水鳥の生息地として重要性の高い湿地の登録・保護が義務づけられます。現在120ヶ国以上が締約しています。

日本では、
釧路湿原、クッチャロ湖、ウトナイ湖、霧多布湿原、厚岸湖・別寒辺牛湿原(以上北海道)、伊豆沼・内沼(宮城県)、谷津干潟(千葉県)、琵琶湖(滋賀県)、片野鴨池(石川県)、佐潟(新潟県)、漫湖(沖縄県))などが登録されています。

★干潟
干潟とは満潮時には水中に沈み、干潮時には陸になる、という変化を繰り返す、砂や泥の平地のことを言います。

ここには河川が運んでくる有機物が溜まります。
この河川が運んできた、窒素・リンは珪藻(けいそう)に吸収され、珪藻は干潟の蟹や貝などの生き物に食べられ、さらに鳥がこれらの生物を食べます。
こうして、
海の富栄養化が防止されているのです。

干潟とは海を汚さないフィルターで、それを働かせているのは干潟に住む生物達なのです。

★湿地
辞書では、湿気の多いじめじめした土地としか出てきませんが、ラムサール条約では湿地をきわめて広く定義しており、
浅い海岸から河川やダム湖、水田なども湿地も含まれます。

■海の汚染、浄化
★海の汚染

富栄養化
 →赤潮(植物プランクトンの大量発生)
 →植物プランクトンの死滅
 →貧酸素化(植物プランクトンの分解に酸素が使われてしまいます)
 →青潮(バクテリアが植物プランクトンの分解する際、酸素不足のため、硫化イオンを分解し酸素を取り出すため、硫化水素が発生します)

こうして、海は死んでしまいます。

★海の浄化
干潟の生物が海の水を浄化する能力は、10km2で人口10万人分の下水処理場に匹敵すると言われます。
干潟が養うこと事ができる生物の量は熱帯雨林に匹敵し、海を汚さないためのフィルターの役割を果たしているのです。
そんな大事な干潟が日本ではすでに50%が失われてしまったと言います。

★干潟の生物
干潟には貝類、甲殻類(カニ、エビ、シャコなど)、魚類(トビハゼなど)多様な生物が生息しています、また、それを求めて多くの渡り鳥など(シギ、チドリ、サギ、カモなど)が中継地として利用しているのです。

■有名な湿地・干潟
★パンタナール湿原

世界最大の湿原で、ボリビア・パラグアイ・ブラジルにまたがっています。
意味は「広大な湿地」と言うポルトガル語に由来します。

★エバーグレイス(米フロリダ)
「永遠の湿地」の意味です。
開発のため多くの水門を作ったため、砂漠化が懸念され、近年、水門の破壊が進められ湿地の保全に向けて運動が続いています。

★三番瀬
東京湾に残された数少ない浅瀬で、カワハギ、イシダイ、メバルの稚魚や水質を浄化するアサリが住みついており、また、日本有数の水鳥(スズガモ、アジサシなど)の飛来地として知られています。
173種類、11万羽の鳥が冬を過ごすと言われます。
2001年9月埋め立て計画が撤回されました。

★有明海
日本の干潟の40%を占める大きな干潟です。
いま問題になっている諫早湾は、有明海の中の長崎県諫早市沿岸の湾です。
1997年4月14日国営干拓事業のために潮受け堤防(可動堰)で締め切られました。

当初から、洪水がなくなるという賛成派と干潟の消滅と生態系の悪影響を懸念する反対派が対立していましたが、近年、海苔が養殖中に着色しないという被害により、生産量が激減したことからこの可動堰の問題が改めてクローズアップされています。

★藤前干潟
名古屋港の奥にある干潟で全国有数のシギ、チドリの飛来地です。
1999年埋め立て中止が決定しました。


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