和紙

カビ
蛇足
■カビとは?
カビは俗称で正しくは「
真菌」と言います。動物にも植物にも属さない独立した生物グループを構成します。
カビの仲間は通常3つに分けられます。
酵母、糸状菌、キノコです。
地球上にどのくらいの種類がいるのかはっきりしていないのですが、一説には数万種類と言われています。
そのうち、200〜300種が猛毒だと言います。

・酵母は単細胞の真菌の総称です。パンなどの醗酵食品に利用されますね。
風呂場などに生える黒いカビも酵母の一種です。
・糸状菌は多数の細胞が集まった糸状の真菌です。私達が通常カビと呼ぶものの多くがこれです。中には人につく水虫菌(白癬菌)などもあります。
・キノコは皆さんご存知ですね。これもカビの仲間なんですよ。

■細菌とカビの違い
カビは細胞内にDNAを包みこむ核を持つ
真核微生物です。
一方、細菌は核を持たない原核微生物で、全く別のものです。

■カビの役割
動物や植物の不要になったすべての
有機物を分解する役目を担っています。
最近流行りのリサイクルの元祖ですね。

人間が直接利用しているものには、
抗生物質があります。抗生物質で多くの病気が克服されてきました。しかし、最近はその乱用によって、耐性菌ができ大問題になっていますね。
他に、みそ・醤油・酒など日本の
発酵食品もカビの力によります。また、ブルーチーズの青カビやカマンベールチーズの白カビも身近ですね。

■カビのすごさ
シンナー、防虫剤、灯油、硫酸、ジェット燃料、ゴム、プラスチック、金属など、信じられないものにまでカビは生えます。
また、水深千メートルの深海に棲むカビもいるそうです。

■身の回りのカビ
★夏型過敏性肺炎

夏型過敏性肺炎は、空気中のカビの胞子を繰り返し多量に吸い込む事で、肺が炎症を起こし、咳やだるさ、息切れが続き、ほっておくと肺が繊維化して死にもいたる病気で最近良く話題になっています。
原因は
トリコスポロンと言うカビです。
夏風邪と間違えられ見過ごされているケースが多いと言います。

★白癬(はくせん)菌
通称「水虫菌」です。タムシ、シラクモ、インキンなどもこのカビによって引き起こされます。
白癬菌は角質層に入り込み角質層を食べます。ただし、その内側の生きた細胞に取り付くことはありません。
ただ、白癬菌の出す酵素や老廃物が生きた細胞を刺激します。すると免疫機構が働き炎症反応が起き、かゆみなどの症状が引き起こされるのです。

★カンジタ
人間の消化器系に住む唯一のカビで酵母のグループに属します。通常は人間にとって有用な働きをしていると言います。しかし、皮膚に感染すると水虫のような症状が出ます。
このカビの問題点は通常だと問題ないのですが、重い病気で体が弱った人などに感染する、いわゆる
日和見(ひよりみ)感染を起こすことです。
重病人の内臓等で増殖するといいます。このカンジタはカビですから抗生物質が効きませんし、カンジタは細菌とは違い人間などと同じ真核生物ですから、カンジタに効果がある薬は人間にも悪影響を及ぼす危険性があります。

★抗生物質(antibiotic)
かびや細菌などの微生物によってつくられる物質で、他の微生物や生物細胞の機能を阻害するします。1928年にフレミングがアオカビから発見した
ペニシリン(penicillin)の以降、数多くの抗生物質が発見されています。
ストレプトマイシン、クロロマイセチン、カナマイシン、バンコマイシンなどが有名ですね。
抗生物質は夢の薬として多くの人命を救ってきました。しかし、近年、その乱用(人間だけではなく、家畜の飼料などにも多用されてきました)によって、多くの
薬剤耐性菌が発見されるようになってきました。
過去の病気と思われていた結核などにも
多剤耐性菌が発見されています。克服したと思われていた病気が、強力になって戻ってこようとしています。怖いですね。

■雑
★黴雨

中国語では"つゆ"を梅雨、黴雨と二つの書き方があります。
梅と黴の発音はどちらもメイで同じです。黴の訓は"かび"です。
黴雨は雰囲気が出ていますね。

ついでに、"つゆ"の語源ですが
1.露に通じる
2.食べ物が腐る意味の潰(つい)ゆ
3.梅が熟す意味の熟(つ)ゆ
など、諸説あってはっきりしないようです。

★ばい菌
ばい菌のを漢字で書くと
黴菌、カビという字を書くんですね。普段ひらがななので気が付きませんでした。


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