和紙

蛇足
■船、舟
★ふね

"ふね"は大きい容器のことをさします。
飼い葉桶のことを馬槽(うまぶね)、酒造りの容器を酒槽(さかぶね)、貴人の入棺式を御船入というのも容器の意味から来ています。

★舟
板で作った"ふね"をあらわす象形文字です。

★船
旁(つくり)は"くりぬく"の意味ですから、元々は丸木船を指していたようですが、後に広く"ふね"の意味を表します。

一説には、昔、中国では関谷関より東では舟、西では船と言ったといいます。
また、清の言語学者、段玉裁(1735-1815)は「古くは舟といい、今は船という」と説明しています。確かに現在の中国語で舟は文章語として限られた使い方しかありません。

■丸
船名に丸と使われますよね。由来には二つ説があります。
1.鎌倉時代〜室町時代に貨物の保管・輸送をした業者を問丸(といまる)と呼び、その持ち船に屋号に丸をつけたと言う説。
2.日吉丸や牛若丸のように人名に丸(麿の変化と言います)をつける習慣がありました。やがて、武具や犬・鷹などにもつけるようになり、同様に船にもつけるようになったとする説。

なお、最古の例は13世紀頃の紀州の商人の所有船を坂東丸といった記録があります。
明治時代には法令で丸をつけることが決まっていたそうです。
英語で日本船のことをmaru-shipと言います。
氷川丸をHikawa-Maru Shipと表記することに由来するのでしょうか。

ところで、西洋では船は女性ですね、でも、日本は丸ですから男性のはず。
でも翻訳されるとsheになってしまう。^^;

■船で使う用語
★よーそろ

漢字では"宜候"、"能候、良候"などと書きます。よくそうろうの変化で、"それでよし!"の意味です。
航海長が面舵や取舵の命令の後、操舵手に"止めろ"(=今向いている方位で良し)の意味で使います。

★面舵(おもかじ)と取舵(とりかじ)
"面舵"は船首を右へまわすこと、"取舵"は船首を左にまわすことです。
なんと、語源は、方位を表す十二支の「卯(う)」と「酉(とり)」です。
江戸時代の船には磁針の付いた方位板が、進行方向を「子」にした状態で固定されていました。
ですから、船を右方向に進めるのが"卯面舵"で、うむかじ→おもかじ と訛ったといいます。
船を左方向に進めるのが"酉の舵"です。

■言葉
★白河夜船

1.知ったかぶりをすること
2.ぐっすり寝込んでいて何が起こったか全く知らないこと
などの意味です。
「醒酔笑(せいすいしょう)」(1623頃)や江戸時代の俳書「毛吹草」(1645刊)などにでてきます。

ある人が行ってもいない京都のことを、さも見てきたように話します。そこで聞き手が「白川はどうだった」と聞きます。話しては知りませんから白川を川の名前だと思い「あそこは夜船で通ったから知らない」と答え、行ってないことがばれてしまったと言うお話です。
白川は京都市左京区で、昔、白河殿や六勝寺があったところだそうです。

★まとも
まとも=船尾の正面の総称の意味の「真艫(とも)」のことで、そこから吹く風、すなわち順風・追い風を意味し、やがて正面を表す言葉になったといいます。

他に「真ツ面」つまり、真正面に向かうことから来ているとする説もあります。

★超ド級
超弩級とも書きます。弩級艦を超えると言う意味です。
ここで、"弩"はイギリスの戦艦
ドレッドノート(Dreadnought:17,900トン、1906建造)のドの当て字です。この船は大艦巨砲主義のはしりとなった船です。

dreadnoughtとは猛者(もさ)と言う意味です。

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