和紙

大根
蛇足
■大根(だいこん)
★大根

古くは蔬菜類の中で最も根が大きいので「
おおね」と呼ばれていました、やがて、これにあてた「大根」と言う漢字を音読したものが一般的になっていきます。

古事記や日本書紀にもでてきますが、色の白いことのほめ言葉として使われています。当時は品種改良されていないので、太くなく、色の白さのイメージが強かったのでしょう。

ところで、この大根の白は色素の色ではありません。大根の中には小さな穴があり、その表面には無数の凹凸であるのだそうです。そこで光が乱反射されて白く見えているのです。ですから、大根は料理をすると空気が追い出され半透明になるのです。

★すずしろ
清白と書いて「すずしろ」と読みます。春の七草に用いる時の大根の呼び名です。

秋の七草の英語訳は秋の七草
the seven flowers of autumn ですが、春の七草のそれは the seven herbs of spring 。つまり、春の七草はハーブで、秋の七草は花なのですね。

★大根はアブラナ科の二年草で中央アジア原産と言われます。旬は11月中旬から12月中旬です。
他にアブラナ科の植物はブロッコリ、キャベツ、白菜、カブ、ワサビ等、おなじみの野菜がたくさんあります。

★大根の種類
江戸時代初期から品種改良が進み、100種類以上の品種があると言います。
守口大根:世界最長の大根です。最高記録は1m83cmだとか。
桜島大根:世界最大の大根です。大きなものは30kgにもなるそうです。

他にシェア95%の
青首大根練馬大根聖護院大根辛味大根二十日大根などがあります。

★辛み
大根の辛味成分は
イソチオシアネートと言い、根の先端のほうに多く含まれています。
辛い大根おろしが好きなら、先端の方を使うといいですよ。
また、大根の脇から出ているひげ根が直線ではなく、カーブを描いている大根のほうが辛いと言います。

★保存方法
葉を除いてから上下に切って新聞紙に包み、冷蔵庫で縦にして保存します。
または、葉を切り取り、全体をラップし縦にして保存します。

■雑
★綱吉と練馬(ねりま)大根

徳川五代将軍になる
綱吉が、まだ右馬頭(うまのかみ)だった時、脚気を患いました。
占い師によると「江戸城の西北、馬の字のつく所で養生するのが良い」とのことで、練馬に引越しました。そして、暇にまかせて、尾張から「
宮重(みやしげ)大根」を取り寄せ栽培をはじめたと言います。これが練馬大根の始まりです。食べ物が変わったのが良かったのでしょう、彼は完治したようです。

と言うのが有名な説ですが、これらは明治中期以降に書かれた文献を根拠にしており、どうも不確かな点が多いようです。

★養生訓と大根
養生訓は
貝原益軒(1630-1714)によって書かれた、精神・肉体の衛生を保つため、生活する上で心得集です。
この中に、大根が出てきます。

「蘿蔔(だいこん)は菜中の上品也。つねにに食ふべし。葉のこはきをさり、やはらかなる葉と根と、みそにて煮熟して食ふ。脾を補ひ痰(たん)を去り、気をめぐらす。大根の生しく辛きを食すれば、気へる。然ども食滞ある時、少食して害なし。」
「生薑(しょうが)、胡椒、山椒、蓼(たで)、紫蘇(しそ)、生蘿蔔、生葱(ひともじ)など、食の香気を助け、悪臭を去り、魚毒を去り、食気をめぐらすために、其食品に相宜しからき物を、少づゝ加へて毒を殺すべし。多く食すべからず。辛き物多ければ気をへらし、上升し、血液をかはかす。」

と、ずいぶん勧めていますし、その効果を充分把握していたようです。
(葉の栄養、焼き魚との組み合わせについては蛇足を見てね。^^;)

言葉
★大根役者

1.大根の白さを、玄人(くろうと)の黒に対する素人(しろうと)の白にかけたと言う説。
2.大根は沢山食べても食あたりしない、つまり、当たらない役者と言う意味で大根役者と言ったという説。

★千六本
中国では大根のことを、
蘿蔔(らふく)と書き、ローボーと読みます。そして大根を細長く刻んだものを繊蘿蔔(センローボー)と言います。繊とは細かいと言う意味です。このセンローボーが訛ったのが千六本です。
中国語が訛った例としては、老人のことを言うロートルが有名ですね。中国語の老人を表す
老頭児(ラオトール)が由来です。

★かつらむき
能楽
かづら帯に似ていることから、こう呼ばれます。
かづら帯とは、鬘(かづら)を結う時、額の上でしめて、鬘の上から後ろで結び、長く垂らす帯状のもので、一見、鉢巻の後を長く垂らしたようなものです。^^;

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