和紙

蛇足
■語源
★鍋の語源

「な(肴)」は酒や飯に添えて食べるもののことです。
「へ(瓮)」は水や食べ物をいれるものです。

鍋や堝が文献に登場するのは平安時代になってからです。
和名抄(*)」では、堝が土鍋、鍋が鉄製の鍋と使い分けられていたようですが、後に堝は土鍋と言われるようになったようです。

(*)正式には和名類聚抄・倭名類聚鈔(わみょうるいじゅしょう)と言われる、平安中期の漢和辞書です。

■雑
★土鍋

土鍋が普及したのは意外にも戦後のことなんです。
ジンバブエから
ペタライト(Petalite)と呼ばれる鉱物が輸入されだしてからです。
これを混ぜると耐熱性が向上します。
土鍋は金属製の鍋に比べると赤外線放射率がかなり高いんだそうです。
忍者の里、
三重県伊賀が有名な産地です。

Petalite の語源はギリシャ語で「葉」を意味するPetalon です。
この石の結晶が、縦方向に、葉が葉脈に沿って縦に裂けるように、簡単に割れる特徴からきています。
日本語名は「ぺタル石」で、鉱物学では「葉長石」と呼ばれてます。

ところで、
土鍋の蓋(ふた)の切り込み、不思議に思ったことありませんか?
決定的な理由は不明なのですが、
1.作るとき、重ねて焼くので、蓋のくぼみの水蒸気で上薬が泡立つのを防ぐ。
 現在は「さや」と言う道具を使っているのでそのようなことはないそうです。
2.荷造りで縄がかけやすい
 以前は縄をかけていましたが、現在は箱入りになっています。
3.料理の際、早く熱を逃すため温度が下がり、持ちやすい。

などが挙げられますが、今では1と2は関係なくなり、3の役に立っているようです。

★ねぎま
焼き鳥屋さんで、串にねぎと鶏肉を交互にさしたものをいい、ねぎ間と書かれていることが多いですね。

実は、ルーツをたどると、鍋に行き着きます。
江戸時代、「ねぎま」とは、
ねぎとマグロの鍋でした。当時マグロは安く、庶民の食べ物だったのです。「東海道中膝栗毛」にも出てきます。
後に、簡単に食べられるように、串にねぎとマグロを刺して焼くものがでてきます。
第二次大戦後はマグロが高くなり、逆に鶏肉が安く庶民の食べ物になります。そこで、現在の形のねぎと鶏肉の焼き鳥になったと言うわけです。

ですから、ねぎ間の「ま」はマグロのマで、漢字の「間」は間違いなんですね。

■鍋料理いろいろ
★ポトフ
(pot-au-feu 仏語)
ポトが鍋、フが火を意味します。 
フランスの代表的な家庭料理で、牛肉の塊とニンジンやキャベツなどの野菜をとろ火で煮込んだスープ料理です。
フランスのマイホーム主義の象徴だそうです。

★チゲ鍋
韓国風のキムチなどが入った鍋をチゲ鍋と言いますが、チゲとは鍋の意味なので、おかしいですね。キムチチゲなどと呼ぶのが正しいわけです。

★ちり鍋
幕末から明治期に来日した外人が、出された刺身が食べられず、さっと熱湯に通しして、「ちりちりっ」とさせて食べたことに由来するとか。
ふぐ鍋を
てっちりと言うのは、ふぐを、あたれば死ぬという洒落から「鉄砲」と呼び、その鍋で「鉄砲ちり」、やがて略されて「てっちり」となったものです。

★スキヤキ

スキヤキの元は、鷹匠なべではないかと言います。鷹狩りの際に肉を焼くのに、鍬や鋤を借りたことに由来するとか。
と言うことで、すきやきとは料理法の名前のようで、材料としては鳥などでも良いわけです。
ここに
牛鍋(ぎゅうなべ:当初は牛肉鍋、うしなべと言われたようです)と言う料理があります。これを食べさせる店は、幕末、安政年間(1854-1860)に大阪で、1862年には横浜で開業しています。明治になって大人気になったといいます。
現在で言うスキヤキです。
では牛鍋がいつスキヤキと言う名前に変わったのかというと、どうも不明なようです。一説には関東大震災以降ではないかと言われます。

■言葉
★夜鍋
(よなべ)
夜、鍋で物を煮て食べながらする仕事の意味からとする説や、夜並(よなべ)で夜を並べてする仕事の意味とする説等、諸説あるようです。

★手鍋
「手鍋提げても・・・」などと言いますね。
この手鍋は
手取鍋、つまり、つるの付いた鍋のことです。そこから、手鍋を提げるとは自ら炊事の苦労をすることもいとわないと言うことです。

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